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人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
著者 篠田謙一 著
古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」


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人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
2022/04/28 00:05
ゲノムを解析することで古代人類の拡散ルートを明らかにする!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:見張りを見張るのが私の仕事 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類は類人猿からどのように進化してきたのか、アフリカで誕生した人類はどのように世界に広がっていったのか。古代人類の研究は発掘された化石をもとに形態などを分析して行っていたのだが、近年、ミトコンドリアDNAやY染色体DNAを分析する技術が飛躍的に向上して、遺伝子レベルで人類の進化と移動を解明できるようになった。古代人類学の領域は、ここ数年で新たな発見が次々と見つかる状況にあるという。
ゲノム分析の技術はPCR法といって、最近では新型コロナウイルスの陽性判定に使われていることで一般にも知られている。ゲノム分析に際して細心の注意を払わなければならないのは検体汚染を防ぐことだという。標本や化石に皮膚片などの発掘者のDNAが混ざってしまうと、正しい分析結果を得ることができないからだ。昔はこのあたりがいいかげんだったのだが、近年の研究ではゲノム分析をすることが前提になっているので、発掘段階から検体汚染を防ぐ試みがなされているのだと言う。そうはいっても大昔の化石から得られるDNA情報は風化によって断片化したものだから完全とはいかず、断片化したゲノムから如何に正確な情報を再現するかがこれからの課題でもあるのだという。
本書ではゲノム解析によって出アフリカ以降の人類の移動ルートが再現されていくのだが、移動だけでなく形質に関わる問題も面白い。例えば白人の目が青く、髪が明るく、皮膚が白くなったのはいつ頃なのかという問題も、どのDNAが形質の発現にかかわるものなのかを調べることによって分かってしまうのだと言う。ここにはIPS細胞、ゲノム編集といった最先端の技術が関連してくる。見つかった古代人の化石をゲノム解析にかけて遺伝子配列を読み取り、IPS細胞で培養した体のパーツに、ゲノム編集技術によって古代人の遺伝子配列を再現すれば、発現した形質を観察して古代人がどのような姿(たとえば顔立ちなど)をしていたのかまで正確に推測可能なのだそう。
勢いのある研究分野と最先端の技術についての記述はダイナミックで面白い。この分野に興味のある人はぜひ。
人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
2022/03/27 18:24
壮大な人類史
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年の古代ゲノム解析の成果を踏まえ、人類の発生と展開を解説。ホモ・サピエンスは異なる人類と交雑し、その遺伝子をも取り入れながら進化したとのこと。私たちのDNAに、はるか昔の人類史が刻まれていることに驚いた。カタカナの専門用語が多く、少々読みにくい部分もあったのだが、内容は壮大で一気に読了した。
人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
2024/02/04 16:47
古代ゲノム解析から見たホモ・サピエンスの拡散
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホモ・サピエンスが世界中に広がっていく過程を古代ゲノム解析から再現している。単純にだんだん世界中に広がっていったわけではなく段階的にかなり複雑に広がっていく様が興味深く読んだ。

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