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日本共産党 「革命」を夢見た100年
著者 中北浩爾 著
戦前から高度成長期にかけて多くの若者や知識人を惹きつけ、巨大な政治的磁場を作った日本共産党。東欧革命・ソ連崩壊などで深刻な打撃を受けたが、しぶとく生き残り、近年、野党共闘による政権交代を目標に据える。政権を担える事実上の社会民主主義政党になったのか、今なお暴力革命を狙っているのか。本書は、一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した百年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く。
日本共産党 「革命」を夢見た100年
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日本共産党 「革命」を夢見た100年
2023/03/25 21:42
「普通の政党」になれますか?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和田呂宋兵衛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「反共的」な暴露ものでなく、内輪褒めでもなく、日本共産党を、「普通の政党」として冷静に分析した、おそらく初めての本。結党の経緯から近年の動きまで丁寧に追跡され、西欧諸国の共産党との比較もなされているのが目新しい。
宮本顕治の指導により確立した自主独立路線の下で、この党は、憲法のあり方、天皇制、防衛、核兵器や原発の問題など、思い切った政策の見直しを行なってきた。こうした政策の転換が、「民主集中制」の名の下に、徹底したトップダウンで行われてきたのがこの党の特色であり、ソ連崩壊後、急速に凋落した社会党とは対照的に、野党の一角として一定の勢力を保ってきた秘訣と言えるかもしれない。
ただ、近年の党勢はジワジワと低下している。本書ではこの党が生き残るための提案として、社会民主主義政党への移行と左翼ポピュリスト戦略の採用を挙げている。名実ともに「普通の政党」へ脱皮することの勧めである。
しかし、最近の元幹部の除名騒動を見ていると、レーニン以来の革命結社(あるいは、スターリン以来の官僚的独裁体制)から脱皮するのは、容易ではないようだ。「普通の政党」への道は遠い。
2024/02/24 09:58
日本共産党の実像
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
結党100年を迎えた日本共産党がコミンテルン日本支部から独自路線へ、武力闘争から平和革命へ路線を変更していく様が知ることができる。一方で民主集中制といった異論を拒否する異常な体制が今に至っても維持されていること、野党共闘と言っても外交安保で大きな隔たりがある矛盾などが指摘され表面上穏健化したと言ってもやはり特異な党であることは間違いないと再確認した。
日本共産党 「革命」を夢見た100年
2022/06/28 09:52
400頁超の分厚い1冊!でも勉強になりました。
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史ある日本の政党・日本共産党のこれまでの変遷について、著者が調べ上げ、この新書1冊にまとめたものです。
当書は400頁を超える、大変分厚い1冊です。値段も張りますが、正直この政党について皆無だったので、教養を付けようと思い切って購読しました。
大変読みやすい文章で、著者ご自身が作成した巻末のデータや年表が充実しています。よくぞここまで調べ上げたと驚きました。
当書を読み切り、大変勉強になりました。