- みんなの評価
6件
カーストとは何か インド「不可触民」の実像
著者 鈴木真弥 著
インドに根付く社会的な身分制=カースト。数千年の歴史のなかで形成され、結婚・食事・職業など生まれから規制し、今なお影響を与え続ける。カースト問題には、「不浄」とされ蔑視が続く最底辺の不可触民=ダリトへの差別がある。政府は2億人に及ぶダリトを支援する施策を打つが、その慣習は消えず、移民した世界各国でも問題化している。本書はインドに重くのしかかるカーストについて、歴史から現状まで、具体的な事例を通し描く。
カーストとは何か インド「不可触民」の実像
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
カーストとは何か インド「不可触民」の実像
2024/06/03 10:15
目に見えない差別も
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀にはいって、カーストによる身分差別はヒンドゥー教が引き起こしているものだとして、他の宗教コミュニティはダリト(不可触民)を取り込むために争って宗教改革に乗り出し、不可触民のあいだにも解放運動の機運は高まったという、留保制度(ダリトに対して、議席、公務への就職あるいは高等教育機関などへの入学に当たって枠を設けるもの)によって表面的な差別は目立たなくなっているようだが、身分差別は依然として存在してるようだ、それにともなって自殺してしまったいう悲しい現実もある。屎尿処理に従事しているダリトは朝から酒ばかり飲んでいるだらしのない人たちだといわれている、でも、その実情は「酒でも飲んで神経を麻痺させないと、あんな臭いところで仕事ができるか」ということらしい、下水道の中で窒息していまうこともよくあるという
2024/01/27 21:00
カースト問題の特異性と普遍性?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
カーストについて書かれた本や文章を色々読んでいるうちに、カーストは、インド人ではない自分には理解し得ない複雑なものだと思うと同時に、カースト問題と似たようなことは、世界中にあるのではないかという疑問を持つようになったのだが、この本を読んで、その思いは強まった。「不可触民」を、例えば「女性」や各種マイノリティーに置き換えて考えてみれば、カースト問題の解決策が、一筋縄ではいかないことは合点できる。カースト問題は、インド固有の問題ではあるけれど、遠い世界の自分とは全く関係ないこととも思えない。
カーストとは何か インド「不可触民」の実像
2024/02/26 20:52
インドのカーストの実態に、かなり踏み込んで著されています。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドに詳しい著者が、インドを代表するイメージの1つ、カーストの実態について著した1冊です。
特に、最底辺のカーストとされる不可触民の実態について、かなり詳しく著されています。インドにカーストという制度が普段の生活にどう馴染んでいるか、痛感する内容です。不可触民カーストの中でも様々な呼び名のカーストがあり、その呼び名が文中で容赦なく飛び交います。