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3件
二人目の私が夜歩く
著者 辻堂ゆめ 著
この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。
結城真一郎氏絶賛!
読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。
読み終えて思った。「まんまと騙された」と。
昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。
しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。
二人目の私が夜歩く
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二人目の私が夜歩く
2024/04/27 00:50
ミステリ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「昼」は動けない咲子と、「夜」に身体を貸している女子高生の茜。一つの身体を共有する二人が、不思議な引力に導かれて共鳴する、光と闇のミステリ。
同じ経験からトラウマを抱えた二人の現状や、考え方など、いくつもの対比と仕掛けにまんまと嵌り、怪しく色を変えていく作品の本質にどっぷり呑み込まれた。
何度か明らかに不必要なほどの善意を踏み躙る言動に胸の裡がモヤモヤしたが、相手に対して「こうあるべき」というこちら側の隠れた押し付けを炙り出していた事に気付かされ、半端な善意を掲げた自分が恥ずかしくなった。
くだらない先入観と、何も飾れていない綺麗事を捨て、不都合な真実と向き合う事も必要だと思い知らされた。
二人目の私が夜歩く
2024/05/11 12:25
そうきたか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜出歩いてたのは、そういうことだったのか。
病人とかけが人とか弱者には、厳しいこと言えなくなっちゃうよね。
最後は、八方丸くおさまったってことでいいんだろうか。
2024/05/03 14:40
18才の夜歩き、怖いことは起こりません。怖いのは
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KeiM - この投稿者のレビュー一覧を見る
受験が終わるまでやりたいことを我慢して。
茜は父母を失い、祖母にところで遠慮がちな生活を送っていた。進学志望の高三で受験ベンキョに追われる中、人工呼吸器が必要な首から下がマヒした女性、咲子と会う。
咲子との時間は楽しかったが、受験勉強がある。昼間に咲子と会うのは大変だ。その代わり寝ている間は茜の体はフリーだから。歩くことも食べることも話すことも、心ゆくまで使ってね、サキ。茜は一つの決断を下した。
解放された茜の体は、もう一歩踏み込みたかった人の元へ、出向く。話す。
― こないだ会った時とテンションが全然違うね。(中略)別人みたい。
(感想)
恋愛、友人関係てんこもりの背景があった。そしてがっつりミステリィ。
障害者だって社会人だって、みんな人間。善人悪人分けられるわけない。
みんなが本当の自分を自由に出して生きていけますように。
障害者外出の話として、実話「こんな夜更けにバナナかよ」も再読したくなった。