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31件
一路
著者 浅田次郎 著
失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
一路 (下) (中公文庫)
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一路 上
2017/03/09 10:44
上下巻の表紙の絵に気を付けて
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんみつこむすめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に山口晃さんの表紙絵で、ジャケ買いしました。
以前から浅田さんの時代小説が好きで、
今作も、相変わらず登場人物がてんやわんやを繰り広げて、
最後まで面白く読めました。
ちなみに表紙は、すべて上下巻読み終わる前にじっくり見てしまうと、
ネタばれになってしまうので要注意です!
一つの章が終わるごとに、少しづつ見るとクスッと笑えます。
一路 上
2015/09/24 10:00
カァーーーッ!面白い!!
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田作品は毎度外れ無し!とは思っているけれど。しかしこのクオリティ、面白さ。本当にすごいと思う。今回も読者を感動させよう泣かそうと氏が物語を紡ぎ言葉を綴っているといのは、良く分かる。しかしそれに抗うすべはなく、やはりぐっときてしまって涙がこぼれる。すごすぎる。
舞台になるのは江戸時代を象徴する慣習だった「参勤交代」。史実を舞台に持ってくるのは、読む側の興味を掴みやすいとは思う。だけれど史実だけにとても難しいはず。嘘を書いてはならないから、綿密な調査と取材、そして辻褄合わせが必要となろう。その為フィクション作品ではありえない程の神経を使って書かねばならず、四苦八苦した挙句作品が妙に説明臭くなってしまったりするもの。ところが本作品そんなイメージは微塵も感じさせず、「参勤交代」という難しい史実を丸ごと底から抱え上げ、抱き締めるようにして書きあげてある。もうすごいとしか言えない。
西美濃の国(今でいう岐阜のあたり)を舞台に展開する本作品、代々参勤交代を差配してきた家の長男、一路(いちろ)が主人公。幼少より文武に長けた一路は、江戸に住まって精進を重ねていた。ところが次の参勤交代を目前にして、実家が焼けてしまい父を亡くしてしまう。当時の「家」と言うのは、殿様からの大事な賜り物。それを焼いてしまうと言うのは不届き千万、という事で急きょ江戸から戻った一路に人々は冷たい。そして父から何も受け継がぬまま、次の参勤交代の差配を命じられてしまう。父から何一つ受け継いでいない一路、神にも近いお殿様の参勤交代を差配するなど、出来るわけがない。すなわちそれは、少なくとも、自分の命をもって償う事になるのだ。ところが絶望の淵にあった一路の元に、次々と光差す人々が集まりだす。そして温故知新とでもいうべき、驚きの参勤交代の行列が、歩み出す。
まずは出立のシーンがあまりにカッコ良くて胸が震える。カッコ良い!その後も次々と起きる胸震えるエピソードに、涙腺ゆるみっぱなし。そしてなんと一路さえ知らなかった、この参勤交代に秘められた「真実」が、明らかになる。
一路 下
2023/11/05 15:14
大きな責任って怖い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
参勤交代って決まりごとの嵐ですね。あれもこれもそれ得なくてはならない。人もそろえなくてはならない。人が集まればいざこざも。責任を全うできるのか。ハラハラドキドキ。