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16件
三国志
著者 宮城谷昌光
宮城谷文学の集大成。現代日本の『三国志』決定版! 後漢王朝の衰亡――。建武元年(西暦25年)に始まる後漢王朝では、幼帝が続き、宮中は皇太后の外戚と宦官の勢力争いに明け暮れていた。正義の声は圧殺され、異民族の侵入が頻発し、地震や天候不順が続く。6代目の帝に皇子が生まれた時、守り役に1人の幼い宦官がついた。その名は曹騰(そうとう)。後に8代目順帝の右腕となった彼こそ、曹操の祖父である。
三国志読本
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三国志外伝
2016/10/18 07:05
英雄譚
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮城谷作品は独特な世界が広がっているがこの本はあまり取り上げられることのない人物の生き様が詰まっている。小説やドラマなどでは取りこぼされるエピソードや人物に焦点を当てることの大切さも味わえる。
三国志 第1巻
2015/02/03 10:00
三国志開幕前夜
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DS-S - この投稿者のレビュー一覧を見る
三国志ファンであり、宮城谷昌光氏のファンである私にとって、著者の三国志が文庫本化され、12巻そろうのを待ちに待ってました。2015年4月に12巻そろうとのことで、第一巻から読むことをスタートしました。この第一巻、後漢後期の歴史にさかれており、三国志開幕前夜いう感じで、ドキドキ感を盛り上げてくれます。これからさらに読み進めていくことがとても楽しみです。
三国志名臣列伝 後漢篇
2021/09/23 16:26
“生みの苦しみの時代”に後漢王朝を支えた賢臣の献身
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
春秋篇、戦国篇、楚漢篇に続いて待望の後漢篇である。だが、最も馴染みが無く暗い時代が「後漢」だと気がついた。
勿論、後漢王朝の開祖たる光武帝こと劉秀と光烈皇后となる陰麗華を主人公とした歴史ドラマ「秀麗伝」を観て楽しんだり、黄巾の乱について学校の世界史で習ったのだが、英雄豪傑が活躍したとの印象に乏しい。
それでも、文字どおり魏・蜀・呉鼎立の「三国志」時代に先立つ後漢の重要さに気付かされ、数多の英雄たちを乱世に送り出す“生みの苦しみの時代”だったと改めて思い到った。
いつの時代でもそうだが、特に王朝が危ういときにこそ、その屋台骨を身を賭して支える賢臣の献身や名臣の支えが必要なのだと理解した。
建国の功臣であれば恩賞封土で報われもしようが、あまり突出した存在となると君主に警戒され、「狡兎(こうと)死して走狗(そうく)烹(に)らる」運命に陥った前漢で国士無双と謳われた大将軍韓信の故事もある。
本書では、献帝劉協を護って丞相曹操から死を賜った“王佐の才”荀いく(漢字がシステム上拒否されるため、已む無く平仮名で表記)の「陰徳」ぶりが哀れで、かつ切ない。秦の始皇帝暗殺未遂の前科持ちで、劉邦の前漢建国の軍師を務めた張子房こと張良が見せた処世術の見事さを、改めて思い返した。
もう一人、黄巾の乱の平定に尽力した皇甫嵩も魅力的な人物として映る。自らの軍功に恬淡で、他人に譲る美点を備えた稀有な武将だったようだ。
私兵化した暴虐な軍事力で一時の権力者となった董卓と対立し投獄され、死の淵に臨むも決して阿(おもね)ることのなかったその高潔さが、(董卓と交友のあった息子の懸命の取り成しがあったとは言え)その命を救った気がする。
後漢篇の(読)後感(想)としてはこんな処か、なんか変?