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3件
半導体有事
著者 湯之上隆
経済安全保障の最前線!
アメリカが中国に突きつけた異次元の半導体規制。このままだと中国の半導体工場はやがて稼働できなくなる。追い詰められた中国が狙うのは、世界のトップ企業、台湾のTSMC――。世界中が半導体製造能力をめぐる競争に駆り立てられているなか、日本は再び失敗を繰り返すのか? 新会社ラピダスのいう、「2027年までに2ナノの最先端半導体をつくる」なんてできっこない!
半導体有事
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半導体有事
2023/06/02 16:56
台湾有事を軍事面としか理解できない人に言っても意味がないのだろうか
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、有事という題名だが、日常の取り組みの大事さを示している。たしかに、台湾のTSMCという半導体を世界的に供給している企業を中国が狙っているという意味では、台湾有事に繋がっていることは理解できるが、決して有事を想定して問題提起をされているわけでない。なぜ、アメリカは中国の半導体産業の興隆を敵視し、攻撃するのか。半導体産業という現代の米や鉄に位置付けられる重要な産業であり、世界の覇権争いに重要な役割を示していることはよく理解できると思う。しかし、本書は日本を基軸に置いて展開される。読み進むとよくわかると思う。目次を見ると、
はじめに
第1章 米国による対中規制と「台湾有事」
第2章 半導体とは何か
第3章 半導体の微細化を独走するTSMC
第4章 クルマ用の半導体不足はいつまで続くのか
第5章 世界半導体製造能力構築競争
第6章 日本の半導体産業はまた失敗を繰り返すのか
第7章 日本の強み 装置と材料は大丈夫か
第8章 半導体と人類の文明
おわりに となっている。
国際情勢はそれとして、半導体とは何かというのは、技術者出身で丁寧な説明は読む価値がある。ただし、すべての工程には言及できないことも触れ、好感が持てる記述となっている。わかったふりをする経営者や官僚との違いだろうか。技術者出身でも出世や儲けばかり見ている人も同様だろう。半導体産業という点も勉強する資料となる。日本の半導体産業の隆盛時期や衰退について、加谷珪一さんが経済的な面から明らかにしているが、それを技術者の側面から裏付けする。汎用コンピューターの高信頼性を求める半導体(集積回路)製造から抜け出せない日本の産業を見ると、衰退するべく衰退した感がある。現在も半導体産業の歩むべき道というのが、日本政府や企業経営者に理解できているのか。TSMCの工場を多額の税金を投入して誘致した価値があるのだろうか。また、税金をドブに捨ててしまうのであろうか。
また、半導体産業にかかわり、レアガスの生産が、ウクライナ、ロシアが重要な位置を占めていることや環境破壊の原因となっている洗浄化学物質のことなど、教えられることは多い。多くの課題がありながら、日本の強みの活かし方を提起し、放っておくとどんどん沈没していくことに言及する。ハイレベルのデバイス生産ばかり目が行き、多額の税金・投資を行ったあげく成果なしは避けたいというのはそのとおりだと思う。一読してほしい本である。
2024/09/12 09:41
わかりやすい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代社会でなくてはならない半導体について、わかりやすく解説されていてよかったです。将来を見越した対策を、してほしいです。
半導体有事
2023/06/27 16:17
石油と半導体
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
台湾有事とは何か?経済安全保障を担う戦略的物資としての半導体の本質や日本の半導体政策への批判を通して、最近毎日のように話題となっている半導体問題を掘り下げている。