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5件
われは熊楠
著者 岩井圭也
奇人にして天才――カテゴライズ不能の「知の巨人」、その数奇な運命とは
「知る」ことこそが「生きる」こと
研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。
博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。
慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。
人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。
希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。
世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!
われは熊楠
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2024/12/23 13:18
ありのままの熊楠
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ねたばれ
南方熊楠といえば人並み外れた記憶力で10カ国に通じる語学力、自然科学、民俗学、宗教学などの分野で大きな功績を遺した知の巨人というイメージが私にはある、だからあまりにも何でもできてしまう人だから人間臭さが感じられず魅力的な人物とはあまり思えなかったのだが、この小説にでてくる熊楠はあまりにも人間的だ、すぐに頭に血が上り大声をだし、時には手も出てしまう(大英博物館出入り禁止になったのはそのため)、酒におぼれ、親、兄弟に金を無心する(そのために彼の一番の理解者であった弟の常楠と仲たがいしてしまう)、同じ植物学の偉人、牧野富太郎もそうであったが当時は裕福な家庭の子息でないと研究三昧という生活はできなかったのであろう、それにしてもご子息、熊弥の発病の段は悲しすぎる
2024/06/24 19:14
良い題材
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補の大作。教科書レベルの知識しかないけれど、かなり史実に忠実な伝記的な小節なのだと思う。
岩井さんはずっと読みたい作家さんだったが、積読になってしまっていて、今作が初めて。とても力量のある方で文章もテンポ良く読みやすい。
ある種破天荒な人の物語はやっぱり楽しい。良い読書だった。
2024/11/30 09:56
数奇な人生
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投稿者:ゆめこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
南方熊楠について何となく知らなかったですが、彼を取り巻く環境や逸話などが上手に盛り込んであって、読んでて飽きなかったです。
ここまで自分の人生をかけて一つのことに執着できるのも才能なのかなと感じました。