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17件
赤と白とロイヤルブルー
著者 ケイシー・マクイストン , 林啓恵
2019年goodreadsベスト・ロマンス賞第1位
王子との恋を描く全米ベストセラー!
真実の愛は、ときに奪い取るもの――
アメリカ大統領の息子と英国の王子が恋に落ちたなら……
アメリカ初の女性大統領の長男アレックスは、英国のフィリップ王子のロイヤル・ウエディングへの参列を前に憂鬱だった。フィリップの弟ヘンリーとアレックスは、女性誌に載る回数を競うライバル同士だと言われるが、いつも冷淡なヘンリーがアレックスは苦手だ。その夜の晩餐会でも、冷ややかな態度をとる王子の肩に思わず手をかけた次の瞬間、一緒にウエディング・ケーキの上に倒れ込んでしまった。米英戦争勃発かと世間は大騒ぎになり、二人は全世界に向けて仲のよさをアピールすることになるが……
原題:Red, White & Royal Blue
赤と白とロイヤルブルー
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赤と白とロイヤルブルー
2021/02/04 19:50
映画みたいな恋
17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくらだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性大統領の長男アレックスが主人公で、英国の王子フィリップとハプニングで全世界に向けて仲の良さをアピールしなければならない……という海外の小説ながら日本でも受け入れやすい展開と設定が読みやすい本作。
主人公のアレックスはそれなりに有名人。
カッコいいのに皮肉屋でキュート、でもその正体は勉強家であり努力家。
世間の軽薄でゴシップに溢れたイメージとは違い、裏ではこんなことをしているのね……と読んでいるうちにすぐ彼の魅力に気付きます。
そして、そのお相手となるヘンリーは金髪碧眼品行方正なザ・王子様。
でもアレックスといるときのヘンリーは楽しそうで、ただカッコいいだけとも違う。
甘ったるい彼の台詞回しや行動に、胸がキュンとさせられます。
作中に出てくるSNSやメールの描写はコミカルです。
超王道の恋の物語、約束された大団円。
映画みたいにロマンチックなのにアレックスの母親が「初の女性大統領」など社会的な問題にも触れており、けれどその部分が重たいと感じることはなく、サクサク読めるのが魅力です。
現実の厳しさも交えたおとぎ話のような一冊でした。
赤と白とロイヤルブルー
2021/12/01 05:45
恋と未来を手に入れる話
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
650ページ超えなのと、翻訳物なので
読み出しまでがちょっと大変かも。
でも、流れに入ったらそのまま勢いに乗れる作品です。
初の女性大統領の息子アレックスと英国王子ヘンリーの恋物語
英国王子の恋の話(BL)では「ロイヤルシークレット」があるのですが
あちらが年嵩のせいか大人の恋と苦労なのですけど
こちらは若いだけあって熱情な感じが伝わってきます。
ロイヤルウェディングでケーキに二人で突っ込む事件から
危機回避からの偽造仲良しからの・・・恋物語
立場とためらいと理解や共感が絶妙な絡まりを持って二人の関係を作っていく。
(個人的にアイスの写真を撮るシーン好きです)
しかも、ちょっと若さ故か(いや恋故だね)羽目をはずしてしまったり。
大統領の再選運動が絡んできたりと、
波乱な二人の関係を読ませてくれます。
SNSやアプリでの会話などが適度に織り込まれているので
長丁場の息継ぎにもなってるかなと。
だけでなくて、これは話の展開の肝にもなってきます。
メールの中で二人が引用しあう作家や政治家やその他諸々の人の
文章も粋でアカデミックでさらに二人の思いを婉曲に語っていてとても良いです。
(この人物たちを知っているとよりそれを感じられるのではと思うけれど
知らなくても感じられますので)
アレックス視点なのでヘンリー側は一緒にいないときはこのメールや
アプリでの会話とかでしか想像できないというのもミソ。
そして、二人だけでなくて周りの人々がなんと魅力的か
アレックスの姉のジューンとヘンリーの姉のビーは
ちょっとぶっ飛んでいつつ、姉が弟を守る感じ好き。
ノーラもペスもぶっとんだ友人達だし。
息子との会話にパワーポイント作ってしまう大統領母とかも
かなりツボです。
シークレットサービスや補佐官、侍従まで皆魅力的なのも
翻訳物特有の魅力だと思います。
(二人の恋物語だけではない)
ちなみに私個人的にはザハラの告白が物語最大のびっくりでした(笑)
これは立場と恋とそして未来を若い二人が周りに助けられつつ
手に入れていく話です。
移動中の読み物にするには・・・重さと厚さで不適当ではありますが
重くても手にとるべしですね。
赤と白とロイヤルブルー
2021/02/27 16:23
TwitterのTLに流れてきて、やたら気になって仕方なかった。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブームになってきている『赤と白とロイヤルブルー』読了!
最初は、独特の文章のテンポにうまくついていけず、?・??・???、となってたけど、「三人称で、現在形、間接表現多し」という基本姿勢を理解したらさくさく読み進められた。
いや、これはできるだけ時間を置かずに、可能ならば一気読み推奨。
恋に落ちた彼らの体感速度を読者も追いかけたほうが絶対楽しい。
アメリカ合衆国初の女性大統領エレン・クレアモント=ディアスの長男アレックスは21歳の大学生。
姉のジューンと副大統領の孫ノーラとは同世代で仲がよく、マスコミから「ホワイトハウスの三人組」と呼ばれている。
ハンサムでユーモアのセンスあふれるアレックスは国中の人気者で、のちのち本人も上院議員選に打って出たいと思っている。
そんなアレックスにとって、数年前のリオデジャネイロオリンピックで初対面したイギリスの第二王子ヘンリーの印象は最悪で、それ以来アレックスはヘンリーに対して敵愾心に似たものを抱いている。
ヘンリーの兄フィリップの結婚式に参列することになったアレックスはヘンリーとのちょっとした行き違いで二人そろってウエディングケーキに倒れ込んでしまい、大失態を写真に撮られる。二人の不仲説を否定したい王宮・ホワイトハウス側の利害が一致し、二人は親友として振る舞うよう要請され、一緒にいるスケジュールが組まれる。
物理駅にも心理的にも距離が近くなり、二人はお互いをあらためて知りはじめ・・・いつしか恋に落ちるように。
“RED,WHITE & ROYAL BLUE” RED,WHITE & BLUEはアメリカ星条旗を示す言葉。これがROYALBLUEになることで、アメリカ国旗と大英帝国国旗を両方表している。
冒頭から、アレックスのヘンリーへの敵愾心は「それって、相手が気になってることですよね?」。
好きな子についきつく、冷たく当たってしまうかのような。まぁ、アレックスも若いから・・・というか、この話、アレックスからの一人称で描いても何の問題もない気がするんだけど、あえてそうしてるのは(「プリンス・オブ・ウェールズ」の使い方の間違いも含めて)、「この物語はおとぎ話ですよ(もしくは、パラレルワールド設定ですよ)だからか。
この物語を自分の身近なものとして取り組んでください、それで、誰かの気持ちが楽になったり救われるのであれば」という作者の切実な思いを感じる。
こういう社会に変わることで個人の幸福度が上がるはずというメッセージ。
あぁ、言いたいことはいっぱいあるのだが・・・なんだろう、後半のあるシーンで「ぶわっ!」と厚い涙が目から浮き上がった。
晴れた日に、レインボーフラッグスを掲げてみんなでパレードしたくなるような幸福感、この先の未来を信じたくなるような、同じような夢を願っている人たちとの連帯感。
そしてヤマタツの『いつか晴れた日に』を口ずさみなりたくなる感じ。
あぁ、これが噂の「多幸感あふれる読後感」か・・・。
これを広めていくのは、ガイブン読みの使命!