- みんなの評価
7件
〈さよなら、シリアルキラー〉シリーズ
ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切りとられた女性の死体が発見されたのだ。連続殺人だとジャズは訴えたが、保安官はとりあわない。だが事件はそれだけでは終わらなかった。なぜジャズには確信があったのか。それは彼が21世紀最悪といわれる連続殺人犯の息子で、幼い頃から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだった。親友を大切に思い、恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自らの手で犯人を捕まえようとする。全米で評判の異色の青春ミステリ。
ラスト・ウィンター・マーダー
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2015/10/10 21:18
呪われた運命に必死に抗う主人公の成長小説
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L'arancia dolce - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人者、それも稀代の連続殺人鬼を父にもつ高校生ジャズ。物心つく前から父親に殺人の英才教育を受け、植えつけられた自分の中の殺意の衝動と必死に戦い続け、自分の役割を見いだすまでの成長を描いた犯罪+青春小説。その取り合わせの妙がこの小説の第一の読みどころ。
ジャズの家庭環境は極めて異常だけれど、それを除けば、父を越えようとする息子という普遍的な話で、ジャズの内面の葛藤がていねいに書かれているところに好感がもてた。3部作の1作目ということで、次作以降も楽しみ。翻訳もとてもよみやすかった。
2019/04/19 12:18
サヨナラできてよかったね
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めてシリーズ最後になった時、こんなにも深い作品だとは思いませんでした。
暴力を振う親=子の図式が多い中で、違う道を歩む子供たちもいる。
同じように、それ以上に親がシリアルキラーだったら?ありえなさそうで非現実ともいえない。
悩み、葛藤し、最後にそれに打ち勝った主人公は、ほんとうにほんとうに頑張った!
いい仲間に恵まれたとはいえ、全てを選んだのも彼自身だと思うので。
さよなら、シリアルキラー
2017/05/31 20:51
次回が気になる終わり方
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャズ・デント17歳。思春期の彼が思い悩むのは、恋愛や将来のことではなく、自分がシリアルキラーになり得るかどうか、ということだ。父親は21世紀最悪のシリアルキラーで、ジャズは子供のころから、父親から殺人の授業を受けていた。内なる父親の声に抗いながら、自分がソシオパスではないことを証明するために、恋人と友人と一緒に街で起きた連続殺人を解決することを心に決める。
ハウイーとの会話は、高校生同士のバカなノリで、コニーとは普通の恋人同士のようにみえるけれど、ジャズの頭の中では常に、ここの会話はこう言った方が自然だとか、普通の人はこうするべきなんだという考えが渦巻いているようです。いつもそんなことを考える自分が父親と同じなのではと、苦悩するジャズ。彼の気持ちは決して他人にはわからないかもしれません。自分の中の父親と戦うジャズは、その呪縛に打ち勝つことができるのでしょうか。異常な家庭で育った主人公の奮闘を描く異色の青春小説です。