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さよなら、シリアルキラー
ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切...
さよなら、シリアルキラー
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)
商品説明
ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切りとられた女性の死体が発見されたのだ。連続殺人だとジャズは訴えたが、保安官はとりあわない。だが事件はそれだけでは終わらなかった。なぜジャズには確信があったのか。それは彼が21世紀最悪といわれる連続殺人犯の息子で、幼い頃から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだった。親友を大切に思い、恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自らの手で犯人を捕まえようとする。全米で評判の異色の青春ミステリ。
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呪われた運命に必死に抗う主人公の成長小説
2015/10/10 21:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L'arancia dolce - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人者、それも稀代の連続殺人鬼を父にもつ高校生ジャズ。物心つく前から父親に殺人の英才教育を受け、植えつけられた自分の中の殺意の衝動と必死に戦い続け、自分の役割を見いだすまでの成長を描いた犯罪+青春小説。その取り合わせの妙がこの小説の第一の読みどころ。
ジャズの家庭環境は極めて異常だけれど、それを除けば、父を越えようとする息子という普遍的な話で、ジャズの内面の葛藤がていねいに書かれているところに好感がもてた。3部作の1作目ということで、次作以降も楽しみ。翻訳もとてもよみやすかった。
電子書籍
サヨナラできてよかったね
2019/04/19 12:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めてシリーズ最後になった時、こんなにも深い作品だとは思いませんでした。
暴力を振う親=子の図式が多い中で、違う道を歩む子供たちもいる。
同じように、それ以上に親がシリアルキラーだったら?ありえなさそうで非現実ともいえない。
悩み、葛藤し、最後にそれに打ち勝った主人公は、ほんとうにほんとうに頑張った!
いい仲間に恵まれたとはいえ、全てを選んだのも彼自身だと思うので。
紙の本
次回が気になる終わり方
2017/05/31 20:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャズ・デント17歳。思春期の彼が思い悩むのは、恋愛や将来のことではなく、自分がシリアルキラーになり得るかどうか、ということだ。父親は21世紀最悪のシリアルキラーで、ジャズは子供のころから、父親から殺人の授業を受けていた。内なる父親の声に抗いながら、自分がソシオパスではないことを証明するために、恋人と友人と一緒に街で起きた連続殺人を解決することを心に決める。
ハウイーとの会話は、高校生同士のバカなノリで、コニーとは普通の恋人同士のようにみえるけれど、ジャズの頭の中では常に、ここの会話はこう言った方が自然だとか、普通の人はこうするべきなんだという考えが渦巻いているようです。いつもそんなことを考える自分が父親と同じなのではと、苦悩するジャズ。彼の気持ちは決して他人にはわからないかもしれません。自分の中の父親と戦うジャズは、その呪縛に打ち勝つことができるのでしょうか。異常な家庭で育った主人公の奮闘を描く異色の青春小説です。
紙の本
残酷さもあれど、優れた日本のマンガ作品のような青春物語
2016/11/23 18:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
三部作全部入手したのに、一作目が行方不明・・・やっと見つけ出し、読み始めたらこれがなかなか読ませるもので、結構な勢いで一気読み。
21世紀最悪の連続殺人鬼(シリアルキラー)の息子として生まれ、育ってしまった高校生ジャスパー(愛称ジャズ)の、自分の人生を取り戻す戦いの始まり。
スカイエマの表紙絵が、よりYA小説感を引き立たせるけれど、日本のようなマンガ文化を持たない国にとってはYAがその変わりを果たすのだろう、と改めて実感。
ジャズは普段、普通の高校生の仮面をつけて暮らしているけれど、父親ビリーがシリアルキラーであるが故に、殺人者の心理を幼少時から英才教育されてしまった。 ジャズ自身は殺人者ではないのだけれど、自分の中には“そういうスイッチ”があって、ただ今はそれがオンになっていないのではないか、人を殺すことが快感であるという欲望を植え付けられてしまったのではないか、という苦悩をずっと引きずっている。
そんなある日、自分の住む町で殺人事件が起こってしまい、どうやらシリアルキラーの犯行とジャズは気づいてしまう・・・そしてそれを理解できる自分は、やはり父親と同じように“そういう血”が流れているのか、と事件を追いながらますます苦悩を深める・・・という話。
となると「YAのわりに重たくて残酷ではないか」という印象を受けるのだが、そこを青春モノにしているのがジャズの親友・ハウイーとジャズの彼女コニーの存在。 この二人のおかげで、ジャズは普通の高校生とはどんなものかを忘れずにいられるし、危険な一歩を踏み出さないためのブレーキを得ている。 特にハウイーのキャラ、立ち過ぎなくらいにいいやつで、キュートだったらありゃしない(でもご両親の心配が絶えないのもすごくよくわかる)。
そしてこの町に現れた殺人犯は<ものまね師>と名乗り、過去のビリーの犯行を模倣。 “ビリーの手口”をわかっているのは誰よりも自分だと、<ものまね師>と対決する道を選んだジャズの運命は・・・それが原題“I HUNT KILLERS”へと繋がります。
長年のミステリ読みには<ものまね師>の正体は比較的最初の方でわかってしまうので、どんでん返し的なものを期待する方には向かないかもしれませんが、ジャズの苦悩に比べれば<ものまね師>の動機など浅すぎる!、というのがわかってある意味痛快です。
シリアルキラーの子供が長じてFBIに入り、というエピソードは以前『クリミナル・マインド』でもありましたが、自分のせいではないとはいえ<過去の自分>と向き合い続けるのは相当の覚悟と努力がいるはず。
でもあえてその道を行くジャズの決断を応援し、彼の今後を見守りたい。
だって不安はまだ残ってるし、そのための三部作なんだろうし。
紙の本
楽しく読めた
2016/03/13 16:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリアルキラーの名からおどろおどろしい小説かと思いきや、全然違っていました。三桁を超す連続殺人犯の父をもち、父が逮捕されるまで殺人者としての英才教育を受けていた生い立ちを持ちながら、普通の高校生として暮らすジャズ。自分も父と同じ人間なのではないかと恐れと苦悩を持ちながら、小さな町に起きた殺人事件をきっかけに犯人を捕まえようと乗り出すのだが、それは連続殺人事件へと様相を呈していく。確かにミステリ小説でもあるが、まさに高校生の青春小説として、飽きずに最後まで読み終われた。ただ青春を遥かに過ぎた大人にはちょっと物足りない感もあり。三部作とのことで、次作も読んでみたいと思う。