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9件
サーチライトと誘蛾灯シリーズ
著者 櫻田智也（著）
ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回り中の吉森は、公園にいた奇妙な来訪者たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された！ 事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫オタクのとぼけた青年・エリ沢が、真相を解き明かす。観光地化に失敗した高原での密かな計画、〈ナナフシ〉というバーの常連客を襲った悲劇の謎。５つの事件の構図は、エリ沢の名推理で鮮やかに反転する！ 第10回ミステリーズ！新人賞を受賞した表題作を含む、軽快な筆致で描くミステリ連作集。／【収録作】「サーチライトと誘蛾灯」／「ホバリング・バタフライ」／「ナナフシの夜」／「火事と標本」／「アドベントの繭」／あとがき／解説＝宇田川拓也
六色の蛹
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2024/07/05 10:44
秀逸
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作も良かったけど、今作はさらに良い。
最初に比べると、とてつもなく上手になってる。
今作で何かの賞をとっても、全く驚かない。
六色の蛹
2024/05/30 11:59
シリーズ最新刊
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
虫を求めて事件を引き寄せる。傍若無人に見えて実はあたたかい青年が、慧眼を活かして事件を解決していく、本格ミステリ「えり沢泉シリーズ」最新刊。
登場シーンから唯一無二のインパクトを与えてくるえり沢。至って真面目でいながらも時々織り交ぜてくる冗談が逆に困惑を誘い、笑っていいのか反応に困る登場人物たちと全く同じ感情を味わえる、ちょっと不思議なエンパシーも感じられる作品。ここまでくるとえり沢の存在だけで成り立つレベルの個性の塊。容姿を特に描いてはいないのに、確実に浮かび上がってくるえり沢像には圧巻。
命にかかわる事件からちょっとしたすれ違いまで、先入観がもたらす怖ろしさがこれでもかと詰め込まれていた。えり沢と息を合わせ、ゆっくり言葉を掬っていけば真実にたどり着ける、丁寧に設けられた伏線もとても良かった。
新たに謎を用意して巧みに繋げてきた描き下ろしが短編集の物足りなさを補い、更に希望も見えるラストに後味も良かった。今後もえり沢をもっと見たい。
蟬かえる
2023/02/28 12:58
文庫化したよやったね！
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投稿者：たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
知人に虫オタクがいるのでよく分かる…ｗ
面白かった！もあるけど「良かった〜！！」という読後感が先にくる本。前巻の続きになる話があったり、時系列的に収録作品の少し後という話もあったり、切ない結末を迎える話がどちらかといえば多いのだけれど、ミステリとしてのトリックもきちっとしてて面白かった。しかしなにより主人公の言動というか、お人好しさが全面に出ていて、優しい物語になっていると思う。最後に収録された話は、新型コロナを考えさせられる話でもあるような…。
