- みんなの評価
4件
トリカゴ
著者 辻堂ゆめ(著)
蒲田署刑事課強行犯捜査係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住むコミュニティ“ユートピア”を発見する。容疑者のハナはコミュニティのリーダーであるリョウの妹だった。捜査によって彼らが唯一安心して暮らせる場所を壊してしまうのではないか──里穂子は苦悩しながら調べを進めるうち、かつて日本中を震撼させた未解決の“鳥籠事件”との共通点に気づく。特命捜査対策室で同事件を担当する専従捜査員・羽山圭司とともに執念の捜査の果てに辿りついた衝撃の真実とは。社会問題への真摯なまなざしとミステリの企みが見事に融合した、第24回大藪春彦賞受賞作。/解説=千街晶之
トリカゴ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
トリカゴ
2021/12/13 06:50
無国籍者への無関心さ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
国籍がない人の存在は、時々話題になる。しかし、その問題性は当事者だけのものだと思っていた。世の中に完璧などはなく、完璧な人間もいない。不完全な人間同士が、不十分ながら互いを補い合い、やっとのことでそれらしい形を保っているのが、この社会である。その社会の網から、生まれた瞬間に零れ落ちてしまった人が無国籍のヒトであり、何も与えられていなかった。その存在は、世間の無関心が、閉鎖的な空間に押し込めてしまっているのかもしれない。社会派ミステリとして、読む者に揺さぶりをもたらすものである。
2025/02/22 04:56
ユートピア
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の存在が証明されているという事実が、こんなにも安心できることだったなんて、この本を読むまで当たり前としか思えてなかった自分が恥ずかしいくらいでした。里穂子と同じような気持ちです。
お話自体は重く、しんどいものになりますが、登場人物たちがしっかりとしたキャラをしていてすんなり読み進められます。
事件の真相には泣きたくなる気持ちでした。
トリカゴ
2024/03/13 11:42
無戸籍問題
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
法律がおかしいからね。
今は多少変わったのかな。
政治家が変わらない限り、根本的な解決は無理だろうなあ。
コミュニティは現実的ではないけど、問題提起としては十分アリ。