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4件
ロンドン・アイの謎
著者 シヴォーン・ダウド(著) , 越前敏弥(訳)
12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムとともに、巨大な観覧車ロンドン・アイに乗りに出かけた。チケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムだけがたくさんの乗客に交じって、観覧車のカプセルに乗りこんだ。だが一周して降りてきたカプセルにサリムの姿はなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?──「ほかの人とはちがう」頭脳で大人顔負けの推理を駆使する少年テッドが謎解きに挑む! カーネギー賞受賞作家が贈る、清々しく胸を打つ長編ミステリ。/解説=千街晶之
ロンドン・アイの謎
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ロンドン・アイの謎
2022/10/02 19:18
本格YAミステリ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
特異性のある12歳の少年が、巨大観覧車から忽然と消えたいとこの謎に迫る本格YAミステリ。解決までのロジックに違和感が全くない。少年の大好きな気象学の知識を用いて気持ちを気象にたとえるシーンがとても印象的で好き
ロンドン・アイの謎
2023/06/23 19:05
謎と
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎と家族とティーンエイジャー。
どこの家庭でもあるような親と子のぶつかり合い、兄弟間のもやもやから、障がいを持つ本人と周囲の気持ちやら、なぞ解きなしでも読み応え十分。
でも、その謎までよく考えられていて、とても楽しかったです。
ロンドン・アイの謎
2023/06/07 16:13
ロンドンの名所を舞台にしたミステリ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館に行くと、絵本などが置かれている児童向けのコーナーとは別に
「YA作品」が並ぶコーナーがあったりする。
「YA」、すなわちヤングアダルトで、文学上では児童文学と文学一般の間、
12歳から18歳までの読者を対象に書かれた文学を指すことが多い。
もちろん、作品に年齢的な枷を設ける必要はないから、一応の目安とすべきだろう。
YA作品にも当然いい作品があって、YAだからといって一般読者を遠ざけるべきではない。
シヴォーン・ダウドさんの『ロンドン・アイの謎』もおそらく書籍区分としては、
YA作品に分類されるのだろうが、
大人が読んでも面白いミステリといっていい。
「ロンドン・アイ」という英国ロンドンにある観覧車のこと。
よく映画などでテムズ川そばに映っているから見たことがある人も多いと思う。
写真でみると、大きなカプセルがついていて、これには25人が搭乗できるという。
この物語は、このカプセルに乗ったはずの少年が忽然と消えてしまうところから始まる。
観覧車は一周するのに30分、その間に人が消えてしまうことなんてあるだろうか。
その謎に挑むのが、この物語の主人公である12歳のテッド。
テッドはすこし「ほかの人とはちがう」(作品では「症候群」としか書かれていない)が、
気象学の知識は専門家並み。
そんな彼が姉のカットとともに、事件の謎を解いていく。
イギリスの児童文学の歴史とミステリの変遷が、うまく融合した作品といっていい。
この作者シヴォーン・ダウドさんはこの作品を発表したわずか2か月後、
乳がんで47歳で逝去したのは残念というしかない。