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10件
消滅世界
著者 村田沙耶香
人工授精で、子供を産むことが常識となった世界。夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、やがて世界から「セックス」も「家族」も消えていく……日本の未来を予言する芥川賞作家の圧倒的衝撃作。
消滅世界
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消滅世界
2021/01/18 22:11
衝撃的
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村田沙耶香ワールド。家族という概念も愛を伝える性交も消え、人工授精でのみ命が産まれ、血縁関係などなくなったヒト製造工場の様な世界。何もかも公平な世界は、生まれついた家庭の機能不全による不公平なリスクを子供が負わなくて済む楽園、という発想には惹かれたが世界観が異様
消滅世界
2020/05/13 11:13
人工授精が人類繁栄の手段と見なされる近未来を描いた衝撃の小説です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『コンビニ人間』で一躍その存在感を世間に知らしめることになった村田沙耶香氏の作品です。同書は、近未来の日本、あるいは世界像を描いたフィクションで、男女が愛し合い、結婚をして性行為をした結果、子供が生まれるという当たり前のことの否定から始まります。同書に描かれた世界は、性行為は近親相関としてタブー視されるのです。しかし、両親の性行為で生まれた主人公である雨音は、母親に嫌悪を抱き、同時に清潔な結婚生活を送り、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねていきます。しかし、その「正常」と認識される日々が、夫と移住した実験都市・「千葉」で一変します。一体、何が起こったというのでしょうか。続きは、ぜひ、同書をお読みください。
消滅世界
2018/10/16 00:34
集大成
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村田さんがどの順番で作品を書いたかはわからないけれど、
これまで書いてきたテーマの中心にあったものをそのまま書いた作品、
というイメージ。
ほぼ全く違う価値観の世界の話のはずなのに、
現実と地続きの物語が仕上がっている。
「正常ほど不気味な発狂はない」
自分の中心にも置いておきたいことば。
人生はせいぜいが100年に満たない。
それぞれが「正しさ」を信じて生きるのだろうけれど、
それを「絶対」と思うには、にんげんはあまりに儚い。