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3件
呪文
著者 星野智幸
さびれゆく松保商店街に現れた若きカリスマ図領。クレーマーの撃退を手始めに、彼は商店街の生き残りを賭けた改革に着手した。廃業店舗には若い働き手を斡旋し、独自の融資制度を立ち上げ、自警団「未来系」が組織される。人々は、希望あふれる彼の言葉に熱狂したのだが、ある時「未来系」が暴走を始めて…。揺らぐ「正義」と、過激化する暴力。この街を支配しているのは誰なのか?いま、壮絶な闘いが幕を開ける!
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呪文
2020/05/27 11:40
次々に興味深い作品を発表し続けている星野智幸氏による大傑作です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『星の吐息』(文藝賞受賞)、『目覚めよ人魚は歌う』(三島由紀夫賞受賞)、『ファンタジア』(野間文芸新人賞受賞)など数々の秀作を発表してこられた星野智幸氏の作品です。同書の内容は、さびれかかった商店街を活気づけようと突如現れたカリスマが、次々に究極の策を討って出ます。そして、その活動を軌道に乗せるために自警団が組織されます。しかし、その自警団は次第に暴走をはじめていきます。一体、この商店街はどうなっていくのでしょうか?商店街の人々はどうなっていくのでしょうか。続きはぜひ、同書をお読みください。
呪文
2021/06/03 23:37
こんな商店街があったら
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
図領のような救世主を渇望する、全国各地のシャッター商店街が思い浮かびます。日本中に呪いが降り注ぐ中でも、戦いを挑む僅かな人たちに勇気を貰えました。
呪文
2019/09/23 21:38
頭のない怪物
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
死にかけの商店街を若きカリスマが甦らせていく物語。ネットの力を駆使して、力強い言葉で無気力な若者を取り込み、死生観と教義を刷り込み、気付けば自警意識の強すぎる過激な市民が出来上がっていく。人をたらしこむ過程は「教団X」みたいで一歩間違えば現実にありそうな話。
たらしこむ人、大きなうねりに身を任せる人、静かに自分の考えを貫く人。あらゆる人がいて、いつしか商店街は狂気じみた空間になっていく。火種を生んだ人も、それを煽った人も想像できない、頭のない怪物が生まれていく感覚。いかにもThe現代日本って感じで面白かった。