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25件
帰ってきたヒトラー
著者 ティムール・ヴェルメシュ , 森内薫
ヒトラーが突如、現代に甦った!周囲の人々が彼をヒトラーそっくりの芸人だと思い込んだことから勘違いが勘違いを呼び、本当のコメディアンにさせられていく。その危険な笑いで本国ドイツに賛否両論を巻き起こした問題作。本国で250万部を売り上げ、映画は240万人動員、世界42言語に翻訳された空前のベストセラー小説。著者による原注付き。
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帰ってきたヒトラー 上
2014/03/27 20:57
ヒトラー
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Maki - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い!
2012年にドイツで発表され、「我が闘争」は発禁、ナチスの礼賛は禁止されている国で、またたく間にベストセラーになり、映画化まで決定した事が納得できる内容だった。
主人公はヒトラーであるが、ドイツ人がドイツ人の目線で書いた風刺小説であるから、受け入れられたのであろう。
原書については、早くから、インターネット等で取り上げられていたから、大体のあらすじはご存じの方も多いかと思うが・・・。
2011年8月30日、ヒトラーが突然ベルリンで目覚める。
彼には、敗戦直前に自殺した記憶がない。
人々は、彼を”ヒトラー”そっくりの芸人と思い込み、彼の発言を、強烈なブラックジョークだと解釈する。
勘違いが、勘違いを呼び、彼はTVのコメディー番組に出演し、人気を博し、ついには、YouTubeでアクセス数70万回を超える・・・・。
というところまでが上巻であるが。
ヒトラーや、ナチスの戦略、ナチス内の人間関係を知っていれば、周囲とのことばのやり取りや、ヒトラーのひとり言をより面白く感じると思うが、例え知らなくても、彼がTV番組や、街の様子を、現代人を、敗戦前の状況と比較し、斬っていくさまは痛快に感じるとともに、現代生活の便利さが果たして本当に必要なものなのか・・・・と考えるきっかけになるのでは・・・と感じた。
いや、”Wikipedia” をエンサイクロペディア(百科事典)とヴァイキングをかけ合わせた造語と考えたり・・・等々、彼の”勘違い”を読んでいるだけでも、充分、楽しめる。
ただ、これは、著者がドイツ人だからこそ、書けた小説だ・・・と思う。
ヒトラー政権を体感した人々にとっては、ドイツでも論争があったように、「Er ist wieder da」は、未だ受け入れがたいことなのだろうと感じた。
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2016/11/10 22:31
怒涛の下巻
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
総統がコメディアンとして危険なネタを振りかざす下巻ですが、右翼思想そして左翼思想が極めて近いところで危ういバランスをとっているとはっきりわかる教科書の様な一冊です。
高校生などが現在の社会問題に触れるのに良い題材だと思います。
帰ってきたヒトラー 下
2016/06/06 21:05
こういった本が出るだけ健全な証拠。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの現状や、日本以上に第二次大戦へのタブーな感じは、危険な兆候のようにも見えるが、「わが闘争」が復刊されたり、こんな内容の本がベストセラーになったり、こうした本をコメディとして笑っていられる限りドイツは大丈夫だと思う。日本でこんな本が発表されたら果たしてドイツのように笑って受容できるだろうか?そうしたことを考えさせてくれるうえに面白い作品でもありました。大満足。でも映画化には向かないような気がする。