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3件
愚管抄 全現代語訳
天皇家・摂関家内部の権力抗争が武力衝突に発展し武士の政界進出の端緒となった保元の乱。そこに、乱世の機縁をみた慈円は、神武天皇以来の歴史をたどり、移り変わる世に内在する歴史の「道理」を明らかにしようとする。摂関家に生まれ、仏教界の中心にあって、政治の世界を対象化する眼をもった慈円だからこそ書きえた歴史書の、決定版全現代語訳。(講談社学術文庫)
愚管抄 全現代語訳
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愚管抄 全現代語訳
2020/03/11 08:58
鎌倉時代初期に書かれた神武天皇から84代順徳天皇までの歴史を描いた価値ある我が国の歴史書です!
6人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、鎌倉時代の初期に天台宗の僧侶であった慈円が著した全7巻からなる歴史書の現代語訳版です。同書は、初代の神武天皇から第84代の順徳天皇までの歴史について、貴族の時代から武士の時代への転換と捉えながら、末法思想と道理の理念とに基づいて、仮名文で書き表されています。著者の慈円は朝廷側の一員であったのですが、源頼朝の政治を道理にかなっていると評価していることや、慈円自身の父である藤原忠通が祖父の藤原忠実と不仲であった事を暗に批判したりするなど、摂関家における慈円の複雑な心情も描かれた価値ある一冊です。
愚管抄 全現代語訳
2021/04/13 19:35
世の移り変わり
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず著者である慈円という人は平安期:藤原頼通からみると5代後の人物である事が本書から判ります。そんな時代に生きた慈円が世の移り変わりの中で皇族との関わり、また台頭してきた武家への見方などについて第七章(巻第七)で述べています。
本書は第一章から第二章にかけて歴々の天皇について紹介し、その後の章からは古い時代から順に歴史を解説しています。源義経の話の所でちょっと瞠目しましたが、正直後半に進むにつれて中弛みというか若干退屈感はありました。
ただ何と言っても醍醐味は第七章で、ここで慈円の考えや思いがじっくりと味わえます。慈円とてそうであったように、人は自身の生きた時代と関わった世情などに影響を受け、それらを根底に自身の生き方や考え方を形作っていきます。慈円の形作られた思想を知る貴重な一書に触れる事が出来て良かったです。
愚管抄 全現代語訳
2021/12/21 05:06
歴史観
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
慈円がとらえた歴史観。歴代天皇の自歴や同時代の歴史を主観的に書いている。現代語訳のみで原文が全く紹介されていないのでその時代の雰囲気は伝わりにくくなっている。