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4件
北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
著者 山内進
【サントリー学芸賞受賞作 1998年度 思想・歴史部門】 11世紀、聖地エルサレムの奪還をはかった十字軍。そして中世、ヨーロッパ北方をめざす、もう一つの十字軍があった。教皇の名のもと、異教徒を根絶すべく残虐のかぎりを尽くすドイツ騎士修道会を正当化した思想とは何か? ゲルマンとスラブの相克から大航海時代までも展望し、ヨーロッパ拡大の理念とその矛盾を抉り出す。(講談社学術文庫)
北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
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北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
2020/03/27 09:37
私たちが知らないもう一つの十字軍とその歴史を丁寧に教示してくれる画期的な一冊です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、私たちが一般的に知っている聖地エルサレムの奪還を図ろうとして11世紀に興った十字軍とは異なり、中世の北ヨーロッパにおいてドイツ騎士修道会が中心となって興ったもう一つの十字軍の歴史を追った画期的な一冊です。同書では、この十字軍を「北の十字軍」と呼び、この十字軍がヨーロッパの形成と拡大における重要な役割を演じたことを描き出しています。同書の内容構成は、「プロローグ――映画『アレクサンドル・ネフスキー』が語るもの」、「第1章 フランク帝国とキリスト教」、「第2章 ヴェンデ十字軍」、「第3章 リヴォニアからエストニアへ」、「第4章 ドイツ騎士修道会」、「第5章 タンネンベルクの戦い」、「第6章 コンスタンツの論争」、「エピローグ――北の十字軍の終焉とヨーロッパのグローバルな拡大」となっており、私たちがほとんど知らないもう一つのヨーロッパ史が語られます。
北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
2022/07/11 09:02
もう一つの十字軍
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく知られているエルサレムへの十字軍やアルビジョア十字軍とは違って、ポーランド方面への十字軍の話である。このような活動 軍事行動があったということ自体知らなかったので随分参考になった。宗教の持つ ある意味 傲慢さ 貪欲さ 夜郎自大 はこの北方十字軍にも当然見ることができる。安倍元総理の暗殺でもわかるように宗教の持つ怖さをよく描き出している。
北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大
2019/12/29 22:07
北の十字軍
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的に良く知られる十字軍やレコンキスタ、アルビジョワ十字軍ではない、中東欧方面への十字軍について論じている。この十字軍は魂の救済という面では変わらないが、もともとその地がキリスト教の土地であったかどうかという点において、他と異なる。
騎士修道会とローマ教会との対立や十字軍への協力によるヨーロッパの一体感など、今までにはない視点が得られた。とてもいい本。