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新装版 赤い人
著者 吉村昭
囚人たちの北海道開拓裏面史。明治十四年、赤い獄衣の男たちが石狩川上流へ押送された。無報酬の労働力を利用し北海道の原野を開墾するという国策に沿って、極寒の地で足袋も支給されず重労働を課せられる囚人たち。「苦役ニタヘズ斃死(へいし)」すれば国の支出が軽減されるという提言のもと、囚人と看守の敵意にみちた極限のドラマが展開する。(講談社文庫)
新装版 赤い人
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紙の本赤い人 新装版
2019/06/02 13:30
北海道開拓の犠牲になった囚人たち
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニック - この投稿者のレビュー一覧を見る
囚人の労働力を北海道開拓に利用すべし、過酷な労働により死んだら死んだでそれもよし、とする明治新政府の方針のもと、厳寒の地で強制労働を強いられた囚人たちの壮絶な物語を描く。明治維新というものが徳川から薩長への政権交代に過ぎず、政治犯となった旧幕府側の人々が、近代国家と呼ぶには程遠い監獄制度の中で犠牲になっていったことを知る。北海道の成り立ちについての関心も深まった。
電子書籍新装版 赤い人
2016/11/08 10:21
淡々と描かれた重い歴史
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉村昭らしい淡々とした筆致で描かれた重い歴史の物語である。
この作者は、感情を直接語ることなく、事実や状況を淡々としかし詳細に記述することにより、読者に訴えかけている。森鴎外の晩年の作品にも似た作風。小説としての面白さより埋もれた歴史の重さを感じた作品である。
紙の本赤い人 新装版
2020/07/26 05:30
樺戸監獄
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主に明治政府に反抗した者を北海道の開拓に強制的に行わせた監獄での物語。ここにも闇の歴史が潜んでいた。歴史に埋もれた事実を解き明かす。