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ブルシット・ジョブ
著者 デヴィッド・グレーバー , 酒井隆史
やりがいを感じないまま働く.ムダで無意味な仕事が増えていく.人の役に立つ仕事だけど給料が低い――それはすべてブルシット・ジョブ(ルビ:クソどうでもいい仕事)のせいだった! 職場にひそむ精神的暴力や封建制・労働信仰を分析し,ブルシット・ジョブ蔓延のメカニズムを解明.仕事の「価値」を再考し,週一五時間労働の道筋をつける.『負債論』の著者による解放の書.
ブルシット・ジョブ
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ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
2022/01/19 07:34
仕事論の新たな地平
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ブルシット・ジョブ」という言葉は、今や人口に膾炙した言葉となったが、その大元の書籍が本書である。エッセイ調の語り口でありながら、本質を突いていくグレーバーの姿勢は面白くもある。「ブルシット・ジョブ」は、「クソどうでもいい仕事」と訳されるが、これは仕事に従事する人が主観的に「この仕事は無意味」だと感じる仕事のことを指す。このブルシット・ジョブを皮切りに、現在の仕事や労働をめぐる問題点や仕事と精神状態などを考察する。人類学的方法論というよりも、事例から解き明かす論稿のような書籍である。面白く読むことができる。
ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
2021/10/24 08:46
ブルシットジョブ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルシットジョブとは、著者の造語であるようだ。仕事をしている本人が、無意味であり、不必要であり、有害でもあると考える業務で、主要ないし、完全に構成された仕事である。それらが消え去ったとしてもなんの影響もないような仕事であり、何より仕事に従事している本人が存在しないほうが増しだと感じている仕事なのだ、という。
だれでもが知っているが、だれにも言われないが故にだれも言わない、ことを2013年にある雑誌に投稿した論評記事をさらに詳しく研究したものが本書だという。。
仕事の価値とその対価としての支払われる金額は反比例する、という事実も指摘している。しかし、このことに関して、多種多様な職業の社会的価値を実際にすべて計量しようと試みた経済学者はほとんどいないそうだ。それでも、そのことを試みてきたその少数の経済学者達は、有用性と報酬のあいだには反転した関係があることを立証してきた。
本書に限らず、欧米や中国社会について様々な視点から研究調査した図書を読むとなるほどと思う。マイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」、フランコ・ミラノヴィッチ「資本主義だけ残った」はそれぞれ政治哲学、経済学の研究者の視点からの論考だが、本書は人類学の研究者である。
今回は興味津々の論題だった。種々の観点からみれば意見も食い違うが、著者の主張に共感したい。
ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
2022/01/05 16:16
半分納得で、半分疑問
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葛飾ホーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
半分納得で、半分は疑問が残る。
経営者側の改善できない(したくない?)硬直化はよい結果を生まない。
しかしだからといって本書のようにあれもこれもぶったぎるぜーというのもなんか違う気がする。
問題提起と内容の本質はとてもおもしろいので、同テーマを別の語り口でも読んでみたいと思った。