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「移民国家」としての日本
著者 宮島喬
私たちの周りでは当たり前のように外国人たちが働き,暮らしている.もはや日本は世界的な「移民大国」となっている.しかし,その受け入れは決してフェアなものではなかった.雇用,家族形成,ことば,難民……彼ら彼女らが生きる複雑で多様な現実を描き,移民政策の全体像と日本社会の矛盾を浮き彫りにする.
「移民国家」としての日本
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「移民国家」としての日本 共生への展望
2022/12/20 10:48
日本はすでに移民国家、それを確認する
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちの周りで外国人がいるのは当たり前になっている。それは旅行者だけでなく、ごく普通に働き、暮らしている。それどころか、日本の産業や社会を支える一員と言っていい。もはや日本は世界的な「移民大国」となっている。在日外国人は300万人余り。日本の少子高齢化を抑制しているといっていい。しかし、政府の外国人受け入れについてフェアなものではないし、非現実的である。世論は単純労働者を受け入れすべきだし、そうなっていると思っているが、政府方針は否定したまま。よく話題になる技能実習生についても、日本と相手国にあっせん業者といわれるものがおり、法外な利益を貪っていても政府は関わりたくないように見える。オーバーステイで収容して、死に至らしめる例も数多い。行政機関だけでなく、SNS等でヘイトスピーチも多い。なかには医師、経営者等の社会的地位の高い人が流す例も見られる。日本以外も大丈夫かと思うことも多いが、まずは日本社会の在り方を考える必要があろう。 本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 「移民国家」日本へ
第2章 外国人労働者の受け入れと日本
第3章 外国人労働者の就労の現在
第4章 定住、外国人労働者から移民へ
第5章 差別、反差別、移民支援
第6章 多文化共生の社会への条件
エピローグ となる。
読めば読むほど、在日外国人の実態は多様で、在日という表現より移民として定着し、社会の構成員として存在している。特に業種によって外国人がいないと成立しないのではないか。例えば、建設業・製造業では外国人が欠かせない。建設業に従事する外国人のうち、4分の3が技能実習生であり、現場作業を支えているといってよい。農林水産業もしかりである。すでに出稼ぎ就労型は一部にすぎない。在日コリアンのウェイトも下がり、2007年頃に一般永住者が特別在住者を抜き、すでに彼ら彼女らの位置づけを安定なものにする時代を迎えている。日本が批准している国際人権規約、難民条約、子どもの権利条約等に則って国内法整備すべきであろう。ドイツやフランスは移民二世を考えて、国籍法に出生地主義を併用している。「在日特権」という存在しないものを仮想するものでなく、国連は20年前に「補充移民」がないと日本社会はもたないと指摘、勧告していることに耳を傾けるべきなど、知ることは多い。総務省の研究会は「多文化共生」を国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共にいきていくことという。これでも、経済的な基盤確立とか多くの面で抜けていると指摘するが、この水準にいっていない国の法体系、諸制度見直す必要を感じる。日本の未来のために。一読されたい。
「移民国家」としての日本 共生への展望
2023/06/01 11:46
日本は移民に頼らなくてはいけない国のはずなのに
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本は少子化が続き遠くないない未来に人口が1億人を切ることが確実だという、人口を維持していくには移民を受け入れていくしかないと思うのだが、この本にもあるように、東南アジアの人にとって日本は魅力的な意味先ではなくなってきているようだ、政治家から庶民にいたるまで東南アジアの人々に対する蔑視が酷く、賃金も低い、これでは日本は萎んでいくばかりだ
「移民国家」としての日本 共生への展望
2023/01/19 15:56
真の共生
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本は単一民族の同質社会だ」と言われた時代を生きてきた世代にとって様々な事情を持つ移民や難民の受け入れは、国益や文化の優先、法と制度の改変といった問題以外にも解決しなければならない様々な問題が山積している。