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5件
魔女狩りのヨーロッパ史
著者 池上俊一(著)
一五~一八世紀,ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき,「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか.その起源・広がり・終焉,迫害の実態,魔女イメージを創り上げた人たち,女性への差別――進展著しい研究をふまえ,ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く.
魔女狩りのヨーロッパ史
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魔女狩りのヨーロッパ史
2024/06/07 20:31
魔女を標的にする背景
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔女狩りは何故起き、終息したか。その要因を、魔女像の起源から始めて文化、情勢、人心など様々な要素から考察する。
改めて思うが、魔女と囃し立てる動機の身勝手なこと。それをここまで鮮明に書いている本はどれだけあるだろうか。権力の行き届かない僻地へ抱く恐れ、声の小さい少数派への侮り、異物嫌悪、隣人への憎悪……一大虐殺とも言える歴史的ムーブメントを起こした動機は、決して古いものではない。現代においてはどのような要素を代入すると同じ過ちが起きてしまうのか。歴史を読んだはすが現代に洞察の眼差しを向けるよう促された気分だ。
魔女狩りのヨーロッパ史
2024/04/11 11:10
文章が丁寧で読みやすかったです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世ヨーロッパで起こった魔女騒動について著した歴史書です。
当時の魔女騒動にはどんな背景があったのか、知りたくて購読しました。極めて文章が丁寧で、読みやすかった印象が強いです。読み終えて、目的を果たすことができました。
魔女狩りのヨーロッパ史
2024/04/28 00:39
「魔女の誕生とその迫害について『総合的な理解が』ができないか、試みてみたい。」はじめにより。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「進展著しい魔女・魔女狩り研究をふまえた最新入門書」帯より。
ネタバレがあります。
目次はは以下の通りです。
1.はじめに
2.第1章 魔女の定義と時間的・空間的広がり
3.第2章 告発・裁判・処刑のプロセス
4.第3章 ヴォージュ山地のある村で
5.第4章 魔女を作り上げた人々
6.第5章 サバトとは何か
7.第6章 女ならざる“魔女”ーーー魔女とジェンダーーーー
8.第7章 「狂乱」はなぜ生じたのかーーー魔女狩りの原因と背景ーーー
9.第8章 魔女狩りの終焉
10.おわりに ーーー魔女狩りの根源ーーー
11.あとがき
主に一五世紀から一八世紀のヨーロッパで起きた魔女狩りについて、原因や背景からその本質に迫っています。
なぜこれほどまで広い範囲で魔女狩りが何年も続いたのか、ヨーロッパ史から読み解くとさまざまな要因があったことがわかりました。
噂や証言だけで魔女にされ、拷問の末に自白し、シナリオ通りの裁判をへて火刑にされるわけですが、その証言や自白の内容がありえない内容で、そこは読んで苦しかったです。残虐な行為が苦手な方はご注意ください。
この魔女狩りが過去の出来事ではなく、現代でも政情不安・社会不安がある地域では起きています。この書物はその現実と向き合う手掛かりになると思いました。