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5件
〔少女庭国〕
著者 矢部 嵩
卒業式会場に向かっていた中3の羊歯子は――暗い部屋で目覚めた。隣に続くドアには貼り紙が。“下記の通り卒業試験を実施する。ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ”。ドアを開けると同じく寝ていた中3女子は無限に目覚め、中3女子は無限に増えてゆく……。
〔少女庭国〕
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少女庭国
2022/02/07 04:45
奇想不条理デスゲーム
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:HR - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の予想を完全に超えて展開していく物語っつうのは楽しいものです。
極度に不条理な状況で極度に想像力を暴走させたような小説。仮に似たようなアイデを思いついても、こうした形で結晶化することは今後二度とないのではないでしょうか。それぐらい独特の読みごこちで、大変おもしろかったです。
最初はちょっと読みづらいかなと思った文体が終わりのほうではすっかり癖になっていたのも不思議でした。
少女庭国
2019/06/27 03:02
人数無限型バトルロワイアルの集大成
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
百合SFフェアで買った本でしたが、そんなに百合っぽさは感じなかったです。確かに、女子しか登場しないのですが。
少女庭国が好きでした。
「一人だけ生き残れ」的な卒業試験の内容で、中三女子がどうするか、どんな心理になるのか、ハラハラしながら読めました。
一瞬しか出てこない登場人物も多いですが、その一瞬にそれぞれの生がこもっていて、皆を好きになれました。
補遺は、最初は良かったのですが、私には少々難解でした。少女庭国よりは王道のSFっぽい話だったのかもしれませんが。
とはいえ、伏線がいろいろ張られていたり、様々な出来事が起こったり、読むのを止められない物語でした。そして、少女庭国もですが、登場人物の名前が個性的ですね。
補遺については、何を言ってもネタバレになりそうなので、迂闊なことは言えないので残念です。
少女庭国
2020/03/29 13:27
気が遠くなる展開ぶり
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
卒業式に向かうはずが気付くと密室に閉じ込められていて、隣の部屋には別の学生が…(部屋の数)ー(生存者)=1にしなければ部屋から出られない。ここまではまぁ有りそうな話ではあるけど、この小説は何しろ「補遺」がすごい。その設定を活かしたまま、何パターンも展開する。
ある世界線では、何千回も扉を開け続けて、学生同士が捕食者ー被捕食者/支配者ー奴隷の関係性が生まれる社会が構築されたり、ただひたすらに扉を開けずに壁を掘削・探求したりしてる。設定が少し粗いけど、単純な舞台設定から、ここまで展開するのは見事。展開されすぎて読んでると気が遠くなってくる。