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4件
歌われなかった海賊へ
著者 逢坂冬馬(著)
1944年、ナチス体制下のドイツ。父を処刑されて居場所をなくした少年ヴェルナーは、体制に抵抗しヒトラー・ユーゲントに戦いを挑むエーデルヴァイス海賊団の少年少女に出会う。やがて市内に建設された線路の先に強制収容所を目撃した、彼らのとった行動とは?──本屋大賞受賞第一作/電子書籍限定でカバーイラスト全体を特別収録
歌われなかった海賊へ
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歌われなかった海賊へ
2023/11/03 22:00
長いものに巻かれないように
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えると、戦争に関する深い思索が必要だと思い知らされた。第二次大戦末期、ドイツのある地方の村に住む十代の人々が、村の近くに作られた強制収容所の存在に気づき、そこでの虐殺が減るように行動を起こすことで物語が進む。群衆という集団性の中に埋没し同時に個々人の人間性も埋没させてしまう戦時下、見たくないものを視ず、知らないふりをする人々、そして戦後も自らは、戦争に加担しなかったという人々の存在が、戦争を失くさない。人が受け取ることができる個人のあり方はほんの断片であり、自らの作り上げた虚像を眺めるのみだった。
戦争を起こす政治があり、それを容認する人民がおり、知らないふりをする人民がいる限り、戦争はなくならない。そんな政治に厳しく批判の言葉を叫び続ける人にしか、平和を求められない。
2025/04/24 22:50
インパクトは破壊が良かった
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代考証がしっかりされているようで、史実であってもおかしくない物語。ただ史実として受け取ることの危険性も作中で指摘されていて、気付かれてる、と驚いた。著者が2作続けて描きたかったテーマがわかったかもしれない。読み続ける作家になった。
歌われなかった海賊へ
2024/04/03 17:07
ファシズムに抗して
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次大戦のさなかのドイツ、父を喪ったばかりの少年ヴェルナーの前に現れたエルフリーデとレオンハルトは少年をエーデルヴァイス海賊団へ誘う。
緊迫する国内情勢と規範から外れた少年少女の抵抗。
前作では第二次大戦中のソ連、今作ではドイツが舞台。