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萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命
著者 中川右介
一九七〇年。学生運動が終焉へと向かうなか、少女マンガの変革を目指した女性たちが東京練馬区の二軒長屋にいた。中心は萩尾望都と竹宮惠子。後に「大泉サロン」と呼ばれ、マンガ家のタマゴたちが集ったこの場所で、二人は互いに刺激を受け合い、これまでタブーとされた少年愛やSFといった分野で先鋭的な作品を次々生み出し、少女に熱く支持される。だがその軌跡は決して平坦ではなかった――。『ポーの一族』『風と木の詩』等、名作誕生のプロセスを追いながら、二人の苦悩と友情、瓦解のドラマを描く意欲作。
萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命
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萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命
2024/06/18 15:26
2人いる!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
川には必ず源流がある。
そこから流れ出て、いくつかの支流が合わさり、次第に大河となる。
そして、大海へとなっていく。
マンガの世界もそうであった。
戦後のマンガ界にあって、特にストーリー漫画の源流といえば
「漫画の神様」と呼ばれた手塚治虫であることは間違いない。
手塚に続くものとして石森章太郎がいるし、多くの若者が彼らに続くことになる。
それは少年マンガの世界だけではない。
中川右介さんの『萩尾望都と竹宮惠子』で描かれた二人の少女マンガ家もまた
「手塚治虫が創案したマンガの可能性を信じ」て、少女マンガ界に革命を起こすことになる。
二人は「花の24年組」と呼ばれた少女マンガ家たちの代表として語られ、
実際デビューしたての頃は大泉学園というところで同居して切磋琢磨している。
そのため、二人が暮らした場所は「大泉サロン」と呼ばれることになる。
だが、そんな二人に亀裂がはいり、この本をなぞるならば「長い別れ」となっていく。
中川さんはこの二人がどのようにしてマンガ家となり、
どのような作品を発表していったかを丁寧に描いていく。
その二人の軌跡をたどりながら、そこに流れ込んでくる多くの少女マンガ家や
「COM」という手塚治虫がだしたマンカ家をめざす若者たちが集った雑誌の意味など
少女マンガという川を下っていく水先案内人といえる。
そして今、マンガは日本が誇るカルチャーという大海になったのも
手塚をはじめ萩尾望都や竹宮惠子らという川の流れがあったらからだろう。
2021/06/22 08:10
女性達の
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
トキワ荘物語という感じもするが、サロンといい、女性達の感じからしてお洒落な感じがする。
少女漫画には疎いけれど、この2人の物語から、お2人の著書も読み始めたい。今更かもしれないが(苦笑)
萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命
2021/01/26 12:51
楽園は失われた
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分は大家たる萩尾先生と竹宮先生の漫画をそんなに読んだわけではない。
それでも少女漫画史としてかなり面白い。
大泉サロン解体の原因はぐちゃぐちゃした人間関係というより、両者の才能のぶつかり合うには距離が近すぎただけかもしれない。
1969年の評論家の言葉「構想力や想像力が女性に欠けているせいか」には失笑。
萩尾・竹宮両氏の実力を思えばバカとしか言えない。
編集部の「女子供に歴史は受けない」「女にSFはわからない」偏見と言っていい思い込みで潰された漫画家は多かったのではないのか?
潰れた可能性たちを思うと悲しくなる。

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