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東京の鉄道ネットワークはこうつくられた
著者 高松良晴
東京都心と郊外とを結ぶ通勤輸送の抜本的改善策として、放射状に東海道線(神奈川)・中央線(東京西部)・東北線(埼玉)・常磐線(茨城)・総武線(千葉)へと延びる国鉄線での「東京五方面作戦」が始まったのは1964年(昭和39年)。それは民鉄・地下鉄・第三セクターにまで拡がり、街のグランドデザインをも大きく変え、今や人口3200万人の大東京圏を作り出した。本書では、江戸1里半の時代を端に、明治維新後の鉄道開業前夜から今日までの東京の鉄道と街の発展の歴史を振り返り、先人たちの知恵と苦労の積み重ねを多角的に知ることで、少子高齢化時代の大東京とそれを支える鉄道のあるべき姿を探って行く。
高松良晴(たかまつ よしはる)
昭和14年(1939年)1月生まれ。昭和37年(1962年)東大土木学科卒、同年4月日本国有鉄道入社。国鉄建設局・工事局、及びJR東日本、日本鉄道建設公団で、40年間にわたり在来線改良工事・新幹線建設に従事。この間、運輸省国有鉄道部の技官として国鉄改革法案審議に参画し、そして、JR東日本の東北地域・関連事業の責任者として、また、埼玉新都市交通(ニューシャトル)の鉄道主任技術者として、それぞれ、鉄道経営全般に関与。J東日本副社長、埼玉高速鉄道社長などを歴任。主な著書に『もう一つの坂の上の雲 鉄道ルート形成史』(日刊工業新聞社)がある。
東京の鉄道ネットワークはこうつくられた
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東京の鉄道ネットワークはこうつくられた 東京を大東京に変えた五方面作戦
2015/11/22 21:33
東京の鉄道ネットワークはこうしてつくられた
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
首都圏の通勤ラッシュ緩和を目的に、国鉄は5方面作戦と称し、昭和39年から東海道線、中央線などの5線で線増による輸送力増強工事を推進した。そのいきさつについて詳述された読み応え十分の内容である。横浜市内の貨物別線工事は反対運動に阻まれ完成は大幅に遅れることになるが、反対派に対しても抑制のきいた冷静な筆致はさわやかな読後感を与えてくれる。5方面作戦以外に池袋新田堀踏切の立体交差化や埼玉新都市交通の信号保安設備・車両の更新など著者が直接担当され当事者のみが知り得る興味深い内容が盛り込まれている。この著者による「もう一つの坂の上の雲 鉄道ルート形成史」を併読するとより理解が深まる。
東京の鉄道ネットワークはこうつくられた 東京を大東京に変えた五方面作戦
2015/08/15 06:41
通勤五方面作戦の重要性
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:express455 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国鉄で実際に鉄道の建設に関与した著者が、国鉄のいわゆる通勤五方面を中心に、東京の鉄道のインフラ整備についての概要を記載した本である。
国鉄が国の援助もなく、自己資金(主に借入金)で通勤五方面作戦にどれだけの金がかけ、後の国鉄の財政破綻の原因となっていったことがよく理解できる。
国鉄が財政規律を守ってインフラ整備を行わなかったら、現在の東京の通勤ラッシュはもっとひどいものになっていたと思うし、インフラもかなり貧弱なものになっていたと思われる。
公共事業における土地買収の困難さを知り、憲法における財産権についてもかんがえさせられた。
著者が本書以前に書いた「鉄道ルート形成史 もう一つの坂の上の雲」もおすすめです。
東京の鉄道ネットワークはこうつくられた 東京を大東京に変えた五方面作戦
2022/05/05 18:52
読み応えあり
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロンバルド - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉄道開業当初から今日に至るまで、東京の鉄道ネットワークがいかにして構築されたかを記述された良書だと思います。