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13件
夜明けのすべて
著者 瀬尾まいこ
「知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。」
人生は思っていたよりも厳しい。でも、救いとなる光だってそこら中にある。
ささやかだけれど特別な、生きるのが少し楽になる、全く新しい物語。
映画「夜明けのすべて」
2024年2月公開!
W主演:松村北斗 上白石萌音
監督:三宅唱
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない美紗。パニック障害になり生きがいも気力も失った山添。
友達でも恋人でもないけれど、互いの事情と孤独を知り同志のような気持ちが芽生えた二人は、自分にできることは少なくとも、相手のことは助けられるかもしれないと思うようになり、少しずつ希望を見出していくーー。
人生は苦しいけれど、救いだってある。
そんな二人の奮闘を、温かく、リアルに、ときにユーモラスに描き出し、誰もが抱える暗闇に一筋の光を照らすような心温まる物語。
2019年に『そして、バトンが渡された』で本屋大賞を受賞し、映画の大ヒットも記憶に新しい瀬尾まいこの、本屋大賞受賞後第一作。水鈴社創立初の単行本。
●『夜明けのすべて』刊行にあたって
人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっていて、するりと舞い込んできたりします。でも、夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとあるはずだと思いたいです。
いつも本が完成して思うことは、「楽しく読んでもらえることが一番だ」です。その思いは今回も変わりませんが、『夜明けのすべて』を読んでくださった方が、ほっとできる一瞬を味わってくださるのなら、明日を待ち遠しいと思っていただけるなら、幸いです。
瀬尾まいこ
【著者プロフィール】
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。他の作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』『私たちの世代は』など多数。
夜明けのすべて
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夜明けのすべて
2021/04/04 16:23
コントロールが難しい病気を抱える二人。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さな会社で働く20代の男女、ただの同僚で恋愛感情なし、むしろ苦手なタイプ同士の二人ですが、二人とも自分ではコントロールできない病気を抱えてます。
苦手ながらもお互いに気を付けあってるうちに、自分を見つめなおすきっかけになったり、周りに目を向けるきっかけになったり、
新たな発見があったり、一歩を踏み出す勇気に繋がっていきます。
アットホームな会社で、そこもこの話の素敵なところ。
パニック障害は耳にしたことがあっても馴染みのない病気なので、苦しさとか知ることができて良かった。
自分がなったら?周りになった人がいたら?上手く対応できるかな、考えさせられる。
2025/04/29 08:32
職場で
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
松村北斗さんの出演映画の話になり、私は「ファーストキス」のシナリオブックを持っていて、同僚の方は、この「夜明けのすべて」を持っていたので、2人で貸し合いっこした。映画は観ていたが、原作を読むと、また映画を観たくなって、たまたま放送してたので、観たら、また原作を読みたくなった。無限ループの不思議な話。今度は買おうかな。原作もDVDも。
2025/03/06 16:06
穏やかに風を感じる作品
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2024年度キネマ旬報ベストテンで日本映画1位に輝いたのが
三宅唱監督の「夜明けのすべて」。
映画がとてもよかったので、その原作である瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』を
読んでみた。
PMS(月経前症候群)に悩む28歳のヒロイン藤沢さんと
パニック障害を患う25歳の青年山添君という二人の主役は同じながら、
二人が働く小さな会社の設定が違っている。
原作では建築資材や金物を扱う金属会社で、
映画では児童向けのプラネタリウムなどを製作する会社になっていて
映画化に際して視覚的効果を高めたものだといえる。
だからといって、原作が映画よりも劣るわけではない。
藤沢さんのすこしおせっかいのところであったり、
山添君が次第に藤沢さんのPMSに理解をしめしていくところなど
小説は静かに、しかししっかりと読み手の心に沁み込んでくる。
愛とか恋とか、きっとこの二人はいまだそんな心境ではないが、
人はこうやって互いの心に寄り添えていくものだろうと思わせる力が
この作品にはある。
映画では藤沢さんが山添君のために自転車を用意するが、
原作では山添君が藤沢さんの見舞いのために自ら自転車を用意する。
二人の立ち位置が原作と映画では微妙に違うが、
それでもこの二つはどちらも成功しているといえる。
どちらの作品でも、穏やかな風が感じられるのがいい。