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3件
野生のロボット
著者 ピーター・ブラウン 作・絵 , 前沢明枝 訳
あらしの夜、五つの木箱が無人島に流れついた。中にはどれも新品のロボットが一体ずつ入っていたが、こわれずに無事だったのは一体だけだった。偶然スイッチが入り起動したロボット=ロズは、島で生きぬくために、野生動物たちを観察することでサバイバル術を学んでいく。はじめはロズを怪物よばわりしていた動物たちだったが、ひょんなことからガンの赤ちゃんの母親がわりとなったロズが子育てに孤軍奮闘する姿を見て、しだいに心をひらいていく。すっかり野生のロボットとなったロズのもとに、ある日、不気味な飛行船がやってきた……。
野生のロボット
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2025/03/16 21:53
ワイルドロボット
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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画『野生の島のロズ』が見たかったのだけど、時間的な都合で見に行けそうにないため原作を読んでみました。すごく面白かった!でも映画とは結構ストーリーが違っているという話も聞くので、ますます映画も見てみたい。
個人的には、親になるには親の演技をすればいい、親を演じればいいのよという考え方がまず提示され、ロズが実践し、それが特に問題になったり否定されたりすることなく(演技では子供に愛情が伝わらない、演技は本物の愛情じゃないんだ…みたいな展開に全然ならない)キラリが育つところが良かった。児童書でそれ言っちゃっていいんだ…ってちょっとびっくりしたけど、子供の方もある程度の年齢ならもうそこんとこ理解できた方がいいよな、それが「大人になる」ってことだもんな…としみじみ感じた。
野生のロボット
2024/03/29 13:25
児童書の名作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うめのか - この投稿者のレビュー一覧を見る
一部ネタバレを含みます。
大人にも読んでほしい、児童書の中でも“考えさせられる”本。
まず設定から作者の頭の柔らかさを感じる。「ロボット」という言葉で連想するのは“人間の指示に従い、黙々と働く感情を持たない機械”だが、この本の主人公(ロズ)は野生化したロボット。主人公のロボット・ロズは、はじめロボットらしく論理的で機械的だったが、自然で生きる動物達と接しているうちに人間らしい、感情を持ったロボットとなっていく。ロボットというイメージを完全に覆されたような舞台設定には驚いた。
それだけではなく、ロズのロボットならではの考え方も面白かった。自然の中で生きていくために植物や地面などに擬態したり、動物の言葉を学んだり・・・と、人間ではなかなか思いつかないようなことを実践してくれる。人間とロボット、そして動物の価値観の違いを見直させられるような気がした。
野生のロボット
2021/07/26 18:22
野生化したロボットとは何事か。
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編の「帰れ野生のロボット」から読むという、変則的な読み方をしているが、それでもこのシリーズの好きなところはこの巻から始まっている。
まず、主人公が野生化したロボット、というのがすごい。
人工物の最たるものなはずのロボットが野生化するとは何事か。
読んでいくと、ロボットの学習機能をうまくつかって無理なく納得させられてしまう。
そして翻訳のうまさだと思うが、ロボットであるロズが、ガンのたまごを拾って母親としてふるまうようになり、次第に無性的だった人格が女性化していくように描かれているところがすごい。いつの間にかシームレスに女性化を受け入れてしまう。