- みんなの評価
2件
ヤマケイ文庫 おらが村
著者 矢口 高雄
漫画家矢口高雄の隠れた名作、堂々の復刊!
令和の時代にこそ読み返したい「昭和」の貴重な物語。
802ページの大ボリューム。
東北は秋田、奥羽の山懐に包まれ、半年は雪の下に埋もれる厳しい自然、それが“おらが村”。
寂寥、倦怠、不安、欲望、喧騒、期待、そして夢とないまぜのなかで過ごす村人たち。
ゆかいな高山一家を中心に、彩り鮮やかな四季を通して矢口高雄の精緻なタッチが描く極上のヒューマンドラマ。
遠く忘れさられていく昭和時代の貴重な記録集。
【内容】
囲炉裏の章 横座/狐棲む里/ハタハタ/師走/寒春/福寿草の香/
メメンコ/蕗のとう こぶしの章 儀衛門のクマ/カタゴの花筵/
テル坊主の池/つばくろ/ヒデコ/雨あがり 桑の実の章 ホトトギス/
忘憂草/UFO飛来/はたおり 嫁ききんの章 律子/十三夜/渋柿/
末枯れ/神無月/忍華/白春/ふきどり/せせらぎ/土橋/帰去来/
春宵 段落の章 廻春
経済活動・開発・天災・人災による環境変化から現代人は逃れられない。
だが、「日本人として決して忘れてはいけないもの」を矢口先生は僕らに教えてくれる。――宮沢和史
ヤマケイ文庫 おらが村
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
おらが村
2023/04/15 14:39
半世紀前の作品だが
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
今から半世紀も前の作品だが、未だにみずみずしさ 魅力を失っていない。まず水墨画を思わせる雪深い山村の風景描写が素晴らしい。人物描写は風景描写のタッチとは全く異なっていてかっちりとした時代を思わせるタッチであるが、背景の風景との好対照を描き出している。移り変わる四季の日常描写を主体としたスナップ写真のようなストーリーもなかなかである。
おらが村
2019/11/01 12:53
恵みと脅威。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東北地方のとある山村に暮らす一家の周囲に起きる、様々な人間模様が描かれる。今も解決されていない嫁問題、冬の雪の猛威、出稼ぎ等が描かれているが、妙に淡々と話が進むのは、真の主役が自然環境に他ならないからだろう。山は恵みをもたらし、一方では時に人の生命を奪う。人間はその中で生きてゆかねばならない。その点がしっかりと描かれているからこそ、この漫画の存在意義がある。惜しむらくは、話の展開が後半になってようやく本格的になる点か。気の短い人には勧めない。