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6件
真珠とダイヤモンド
著者 桐野夏生
桐野夏生が描く「バブル」
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。
真珠とダイヤモンド 下
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2025/02/26 15:48
スリリングな展開
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブルを知らなくても、上巻ですっかり主人公たちに感情移入し、バブル期の浮ついた感じと高揚感を体験したその勢いで、その虚飾がはがれ落ちていく下巻に突入。
下巻はかなりスリリングな展開で、上巻以上にページをめくる手が止まらない。
桐野夏生作品の素晴らしいのは、こうした小説にもさりげなくジェンダー視点が光っていることだ。
2025/02/26 15:45
バブル期に就職した二人の女性の人生
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブル期に地方の証券会社に就職した二人の女性の人生を通じて、あの時代のメンタリティー、社会、個々の人間の姿を浮き彫りにする大作。
上下巻ということで、購入後なかなか読み始めることができなかったが、ひとたび手に取ったら最後、桐野マジックで一気読み。
あの時代を知らなくても、今とは違う空気感が伝わってくる。
真珠とダイヤモンド 下
2023/05/17 09:58
熱狂からの転落劇
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブル期の証券会社が舞台という設定故に、ある程度展開は読めていましたが、分かっていても引き込ませる筆力はさすが。熱狂からの転落が淡々と描かれているので読むのに没頭できますね。救いのない結末ですがどこかホッとするような気持ちで読み終えました。主人公たちは私の10歳くらい上の世代で、華やかな時代をうらやましく思う部分と、もしかしたらバブル崩壊後のほうが幸せなのかもという複雑な思いになりました。