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アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実
著者 ローズマリー・サリヴァン , 山本やよい
『アンネの日記』を断ち切ったのは誰か?
元FBI捜査官率いるコールドケース・チームが
歴史的迷宮入り事件を徹底検証した迫真のルポ。
世界的ベストセラー『アンネの 日記』を書いた
15歳の少女を密告したのは誰なのか?
世紀の未解決事件を解明するため、
元FBI捜査官を筆頭にプロファイラー、
歴史学者、データ・サイエンティストら20名を超える各方面の専門家が結集。
最新技術とテクノロジー、プロファイリング、法医学検査、人工知能など
現代の捜査法を駆使し、真相に迫る――。
誰もが知る結末を、彼女は知らない。
“アンネ・フランクの物語”の基本的なアウトラインはほとんどの者が知っている――第二次世界大戦中、ナチスの占領下に置かれたオランダで、ユダヤ人の十代の少女が両親、姉、一家と親しくしていた何人かと共に、二年以上のあいだアムステルダムの屋根裏に隠れて暮らしていた。最後はついに密告されて全員が強制収容所送りとなり、のちに生還できたのはアンネの父親オットー・フランクだけだった。わたしたちがこうしたことを知っているのは、主として、八月のその日にナチスが人々を連行しにやってきたとき、アンネの貴重な日記が置き去りにされたからだ。(序文より)
【目次】
序文 〈追悼の日〉と自由を奪われた日々の記憶
第一部 “密告事件”の背景
第1章 摘発と緑衣の警官
第2章 アンネの日記
第3章 コールドケース・チーム
第4章 利害関係者たち
第5章 「あの男に何ができるか見てみよう!」
第6章 ひとときの安全
第7章 猛攻撃
第8章 プリンセンフラハト二六三番地
第9章 身を隠す
第10章 頼まれたから承知したのです
第11章 恐怖の事件
第12章 摘発の詳細
第13章 ヴェステルボルク通過収容所
第14章 帰還
第15章 対独協力者
第16章 娘たちは帰ってこない
第二部 迷宮入り事件の調査
第17章 調査
第18章 ドキュメンツ・メン
第19章 もうひとつの本棚
第20章 最初の密告
第21章 脅迫者
第22章 近所の人々
第23章 ナニー
第24章 もうひとつの説
第25章 ユダヤ人ハンターたち
第26章 V - フラウ
第27章 実質的な証拠ゼロ PartI
第28章 仲間のユダヤ人のところへ行きなさいよ!
第29章 記憶を探る
第30章 フランク一家を逮捕した男、ウィーンで発見される
第31章 ミープが知っていたこと
第32章 実質的な証拠ゼロ PartII
第33章 八百屋
第34章 ユダヤ人評議会
第35章 見直し
第36章 オランダの公証人
第37章 活動を始めた専門家たち
第38章 友達のあいだのメモ
第39章 タイピスト
第40章 孫娘
第41章 ハウトスティッケル事件
第42章 爆弾
第43章 厳重に守られた秘密
おわりに 幻影の街
あとがきにかえて
謝辞
公文書館と機関
用語解説
原注
参考文献
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実
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アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実
2022/10/02 00:09
JFK暗殺事件並みの興味深さと面白さ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は、アンネ・フランク一家密告事件の謎を解明すべく結成されたコールドケース(迷宮入り事件)チームの調査報告書。ただそれは後半で、前半は同事件をめぐる時代背景、実際に起こった出来事、支援者をはじめとする善と悪の人間模様、ナチスによるオランダ支配とユダヤ人弾圧の実態、一家それぞれの最期などを描いており、こちらも比類のない興味深さと面白さ。ページをめくる手が止まらず、時には涙しながら一日半で一気読みとなりました。
解明できるか否かはさておき、読後に残った評者の疑問は三点:
1.「プリンセンフラハト263番地」という住所を記した手紙をユダヤ人評議会経由で送った者は誰か?(8人のうちの誰かなのか?)
2.隠れ家摘発の当日、SDのデットマン中尉に当該住所にユダヤ人が隠れていると通報したのは誰か?(通報ではなく、「住所リスト」(309頁)からたまたま彼が選び取っただけなのか?アルノルト・ファン・デン・ベルフが直接何かを伝えたのか?)
3.オットーあての「手紙」(308~9頁)を出したのは誰か?(彼だけに来たのか?他にも出されたのか?)
なお、本書(原書)は今年AFF(アンネ・フランク基金)からの猛批判を受けて回収された模様ですが、第4章を読むと、それもさもありなんという印象です。(内容的には、それなりにきっちりした調査・検討がなされており、説(立論)としては問題ないように感じましたが・・・)なお、評者はずっと以前にアンネ・フランク・ハウスを訪れましたが、ホテルから遠かったので当日行くかどうか迷って、もうこの機会を逃すと来れないなと思い、夕方訪れたところ、長い行列だったので西協会前の石畳で時間をつぶしてから入館した記憶を鮮明に思い出しました。本書を読んで、頑張って行っておいてよかったなと・・・
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実
2022/02/19 10:13
みんなの関心事
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
隠れ家に潜んでいたアンネ・フランクらは、なぜ発見され逮捕されたのだろうか。逮捕した親衛隊員らはわかっています。 しかし、隠れている情報を密告した者がいるだろう。当初、倉庫番が怪しいと言うことでした。しかし、特定されていませんでした。21世紀には、アンネらが食糧を得るために使った他人名義の配給切符からバレたという話もありました。戦時下では、不足している生活必需品を公平に行き渡らせるために配給切符がないと換えませんでした。とうぜん、ユダヤ人には切符は配られないので、もうなくなった人など他人名義のものを使用したのでしょう。しかし、本書では、アランだのユダヤ人が自分たちを守るためにアンネらを密告したというのです。あり得るでしょう。
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実
2023/01/02 03:43
誰しもが密告者になりうる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
疑心暗鬼に満ち溢れた当時の息苦しさが伝わってきます。犯人捜しよりも過ちを繰り返さないことが大切なのかもしれません。