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7件
神倉駅前交番 狩野雷太の推理
著者 降田天(著者)
老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ――。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、“落としの狩野”と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。
朝と夕の犯罪 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
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2024/10/17 05:02
しんどいけど
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容はとてもしんどいものだけど、読み応えがあって好みな作品でした。
放置されて亡くなった真昼ちゃんのことが、どうしても哀しいのですが、夕夜や美織がこれからどう生きていくのか見守りたい気持ちがあります。
狩野さんはほんと、敵に回したくない。
個人的には、夕夜に虫食べさせた昴をぶっ飛ばしてやりたいくらい嫌いです。
偽りの春 神倉駅前交番狩野雷太の推理
2021/10/14 08:02
犯罪を犯す者
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
心憎いミステリーである。人の心の弱さが犯罪を起こすことがあるのだが、その弱さを、直接会話をしながらあぶりだす主人公狩野雷太の存在は、犯罪者にとって憎いものである。一方、犯罪を犯すものにも、家族があり、生活があり、そして守るものがあることが、悲しみを生むのだろう。表題作「偽りの春」は、とくに結末が悲しかった。本当の春が来るのだろうかと。
偽りの春 神倉駅前交番狩野雷太の推理
2021/09/30 22:45
秀逸な倒叙ミステリー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
お気に入り著者の文庫新刊。倒叙ミステリーの短編集。犯罪者らが、交番勤務の警察官による職務質問に対峙する。警察官の狩野は過去のある事件により刑事から交番勤務に異動。だが、その鋭い感と犯人を追い詰める尋問技術は衰えを見せていない。第一人称が容疑者ゆえに、自分が追い詰められる感覚を楽しめる(楽しくはないか。)事件も誘拐監禁犯、特殊詐欺など様々だが、薔薇泥棒の第3章と、芸大生殺人事件の第5章が印象深い。狩野が刑事をやめた事件など奥行きのある設定で、すぐに長編も刊行されるとのことで楽しみ。大満足の一冊。