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2件
ペルシャの幻術師
司馬遼太郎の幻のデビュー作は女性が主人公だった！
海音寺潮五郎が「幻覚の美しさに惚れこんだ」と絶賛した名作に、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出の漫画家・蔵西が挑む。
☆電子書籍版限定特典として、巻末にキャラクターの初期設定画を収録！☆
◆ストーリー
十三世紀、世界を席巻したモンゴル軍の猛攻は、ペルシャにまで至った。
モンゴル軍団を率いる大鷹汗（シンホルハガン）ボルトルは、ペルシャ高原の町メナムに攻めいる。ボルトルはメナムで美姫・ナンを見初め、自らへの愛を求める。
そこに、ボルトルの命を狙う幻術師・アッサムが現れ、ナンを幻惑する――。
西紀一二五三年の夏、ペルシャ高原のひがし、プシュト山脈をのぞむ高原の町メナムは、ここ二カ月、一滴の雨にもめぐまれなかった。――
新月のまだ懸らぬ六月二十八日の夜、いまから一月前のことである。アラ山脈を越えて突風のようにやってきた蒙古兵が、メナムの町を一夜のうちに鮮血の霧で包んだ。町の土侯とその兵は戦わずして遁げ、市民は、血に飢えた東方の蛮族の手で思うさま殺戮された。シナ北西部はおろか、遠く東ヨーロッパまで征服した成吉思汗（ジンギスカン）四世蒙哥（マング）が、その弟旭烈兀（フラーグ）に二十万の兵を授けて、史上有名なペルシャ攻略の緒にようやくつきはじめたのである。そうした殺伐な背景のなかに、この数日来、メナムの町は奇妙な賑いをみせていた。
沙漠をゆく隊商（キャラバン）が、水を買いにきて市を立てる。――
司馬遼太郎「ペルシャの幻術師」より
ペルシャの幻術師 ２【電子限定特典付】
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2022/06/11 00:15
原作読みたくなって来ちゃう
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：朝４時 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナンがとても官能的。かつ徐々に芳香の精を押し倒して上に乗るまでになって行くところが良い。ボルトルも血生臭い男なのに惚れた女性に対しては気長に居るところが紳士的で単純な悪役という感じにも思えなくなってくる。賑わって居た国があっという間に消えて詳しいことが分からなくなるほど全て無くなるのもロマンあるなぁと思った。チャタムの立ち位置もおまけの漫画で分かって良かった。
2022/06/10 16:14
美しい絵に引き込まれる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：朝４時 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても描き込まれた美麗な絵！ナンの自分の感情を押し殺し気持ちを表明せず、ただ目撃するだけの立場が辛いが薄幸そうにミステリアスに見える。幻術師の幻術の表現も妖しく綺麗。この人の描く『流転のテルマ』と『月と金のシャングリラ』も読んだのですがどんどん絵が豪華に美しくなっていくなぁと思いました。文章ではきっと私では読めなかっただろう作品の漫画化にも感謝。
