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103件
日に流れて橋に行く
著者 日高ショーコ(著者)
【雑誌掲載時の著者カラー原画を収録したリマスター版!】時は明治末。さびれた老舗呉服店に新風を巻き起こす、男たちの物語──。 かつて大きな賑わいを見せていた、老舗呉服店「三つ星」。その三男・星乃虎三郎が、三年ぶりに英国から帰国した。新しい「三つ星」を作ろうと意気込むものの、店の者からはまったく歓迎されず、変わらず優しいのは、長兄の存寅だけ。一方、虎三郎を知っているらしき、謎の男・鷹頭も、「三つ星」再建のため、独自に動いており…。
日に流れて橋に行く 11
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2018/10/23 18:38
明治の時代に興味を持たせてくれた作品の1つになりました
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Nagi - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼少時の勝手な思い込みから、明治以降の歴史は戦争にまみれているという印象で無関心&不勉強でした。
そんな私なので、呉服屋がデパートの前身ということさえ知らず、この作品で初めて知った、というくらいです。
そんな無知にも関わらず、この作品は明治の時代に流れる空気を想像させてくれるほど、丁寧に分かりやすく時代の雰囲気を味わわせてくれる作品でした。
しかし、それだけでは「お勉強」どまりなのでしょうが、この作品の主要人物は、どの人物も癖が強く、それぞれが皆個性的で魅力的。
呉服屋『三つ星』の三男、虎三郎は、跡を継いだ長兄の右腕になるべく英国で学んでくる熱血キャラで清々しい上に、後々は人の上に立つにふさわしい、人を見下さない人物です。さすが主人公。
長兄の在虎は、まだ読者に何が彼をそうさせているのか分からないのですが、時代に翻弄される中で、弟にだけは自分のような思いをさせたくないと思っているのではないかと感じさせるよい人、優しい人。
番頭の雀さん(虎三郎のせいで正しい名前を覚えられませんw)はイメージ的に私と同世代に見える保守的な部分がありますが、彼なりに三つ星の将来を考えて虎三郎と対立気味にあると思うと、彼が一番この時代で生き抜くことの難しさを伝えてきているように思いました。
そして虎三郎の師匠らしき(と言ってしまうのも、虎三郎があまりにも対等に接しているからw)鷹頭が、この作品で今のところ一番キャラが立っていると思います。
実際にこんな人が明治時代にいたらお上に目を付けられていそう、というくらいの俺様キャラで切れ者。
そして三つ星の初女性従業員となりそうな時子さんは、今の時代の女性が応援したくなるようなキャラクターです。
この時代に高身長なこと、自分を保つということ、女性にはかなり難しかったと思います。
でも、彼女は決して肩ひじ張って自分の個性を保っているのではなく、ありのままの自分でいるだけです。
本当に、そのままの時子さんで頑張って、と応援したくなります。
そんな個性的な人たちが、ご一新後も古い観念や価値観に固執した人々を相手に、新しい『三つ星』を自分たちのやり方で、時代にふさわしい形で再建させてやる、という強い意志を読者に感じさせる作品でした。
彼らはそれぞれに学び、経験し、考え、悩み・・・と奮闘する物語、という序章の1巻でした。
期間限定無料試し読みキャンペーンのお知らせでこの作品を知ったのですが、間もなく2巻が配信されるとのこと。
ギリギリに知ったおかげで、次巻を待つ期間が少なくて済んだのがありがたいです。
結局紙で買い直しそうな気がしますが、取り敢えずは電子で何度読み返しても本が傷まないことに喜びつつ、何度も読ませていただける面白い作品でした。
2018/06/27 09:12
脱BL!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
BL以外の日高さんの作品です。
こちらも、「憂鬱な朝」同様に明治の話。
日高さんの作品は、上記作品が群を抜いて素晴らしいと思っていたのですが、これも、それに匹敵しそうな予感。
内容の深い作品だし、勉強にもなります。
BLは、私もそうでしたが、それだというだけで、読む気になれず、上記作品も評価が低い気がしていて、残念に思っていましたが、その点て、今作品は、そのハードルを越えることが出来るので、もっと沢山の人に読んで貰えそうで、嬉しく感じます。
とりあえず、「どこに隠れている、、、?」のセリフが何のことか気になります!
日に流れて橋に行く 8 (愛蔵版コミックス)
2023/04/26 16:12
全員が主人公並みにドラマ展開
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なないろ花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待った8巻を発売日にお店に直行し購入しました。一気に読んでしまうくらい面白かったです。今回も新たな展開がぐんと進み、とても読み応えがありました。明治時代の日本橋を舞台に江戸時代から続く老舗呉服店がデパートになって行くまでの変遷を街の人たち、競合と多彩な顔ぶれが絡み合って前進していきます。現代でも職場であるある!と感情移入してしまいますが、どの立場の人にも個性や私情があり、お仕事漫画としても歴史ジャンルとしても、どの世代の人にも面白くお勧めできます。経営者、番頭さん、管理職、そして現場を支える人たち、どの立場の人も重要な役割を担い、会社にエネルギーを注ぐ、なんだかこんな会社で働きたくなるような、みんながイキイキと知恵と助け合いで日々を過ごしている、素敵な漫画です。

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