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40件
クロサギ
世に三種の詐欺師あり。他人を騙し、金銭を巻き上げる“シロサギ”。異性を餌とし、心と体を弄ぶ“アカサギ”。そして人を喰らわず、シロサギとアカサギのみを喰らう“クロサギ”がいる。家族を死へ追いやったシロサギを憎悪し、ただシロサギのみ喰らうことを生涯の目的とする男の、復讐の物語が始まった!
クロサギ 20
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クロサギ 11 戦慄の詐欺サスペンス (ヤングサンデーコミックス)
2006/10/09 22:25
リスクを取らず儲けるやつが一番きたない
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
詐欺って他人からの信頼を換金する行為なんだ、と考えさせられた。自分のことを分かってくれる人だったり、弁護士だったり、医師だったり、だますためにはあらゆる物を利用して自分のことを信用させなければならない。そして、信用が得られた瞬間にそれをひっくり返す。そのときに感じるのは、寂しさなのか、金への欲望なのか、だましきった快感なのか。
いつも人を疑ってかかるのは非常に疲れる生き方だ。無意識のうちにルールは守られるという前提で生きている。でも、人が創造もしないことだからそこにチャンスが生まれる。そう考えるのが詐欺師なのだろう。3億円騙し取って懲役6年なら年収5千万円という考え方には、一瞬納得させられてしまったのが不覚だ。
クロサギ 1 (ヤングサンデーコミックス)
2005/04/03 01:33
詐欺を行う側からの視点
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
鬼才青木雄三氏の傑作『ナニワ金融道』から始まり、田島隆氏の『カバチタレ』など、金融業の原点である金貸しにまつわる世界が人口に膾炙するようになりました。実は、資本主義の原点ともいえる部分を描いていて、かつ一般のサラリーマンのような制度に守られている一般市民からは非常に見えにくい世界であったのですが、消費者金融の一般化などで、よく知られる世界になってきました。その一連の流れではあるが、なによりも興味深いのは『詐欺師の立場』から描いている点で、この作品は興味深い。
あらすじは自分の家族が詐欺により無理心中してしまい、その中で生き残った少年が「自分も詐欺師になり」詐欺を行う者たちを食い物にする詐欺師になると決心する物語です。物語の設定では、人を騙し金銭を巻き上げる詐欺師を、白詐欺という。異性をエサとして心と体をもてあそぶのが赤詐欺。そして、人を喰らわずアカサギとシロサギのみをエサとする詐欺師を、黒詐欺という。主人公は、そのクロサギ。題名でもある。ドラマツルギーとしても、少年時代に傷を負った少年が、自分の心の回復の物語と、同時に復讐仇討ちという時代劇でも典型的な目的が、物語を支えています。
主な内容は、下記の章立てになっている。
1財団融資詐欺
2美容詐欺
3古美術商手形詐欺
4高級外車詐欺
この作品は、ドラマツゥルギーのオーソドックスさだけでなく、そもそも「おれおれ詐欺」など立証するのが難しい詐欺の手口をこれでもかと出している点です。そしていろいろな手口を、猜疑を行う側からの視点で見ると、事の善悪はさておき、ものごとの考え方が非常にクリエイティヴで柔軟なことに驚かされる。しかもビジネスの人間の勘違いや心の隙間に忍び込む手法は、戦慄すらします。こういう事実を知らなければ、簡単に騙されてしまうでしょう。いや、騙されたことすら分からないこともあるかもしれない。とはいえビジネスも究極の最先端は、法律に記載していないグレーゾーンでどう勝負するかが重要になってくる。詐欺師たちは、人を騙し弱いものをターゲットに狙うから非難されやすいが、より強いものに挑むのであり且つ法律の解釈の狭間を抜けるものであれば、それは逆に賞賛されるべき才能かもしれない。そういう意味で凄く面白い作品だ。僕的には、映画の『スティング』を思い出させられた。つまりは、頭脳戦を描いているからだ。
クロサギ 10 戦慄の詐欺サスペンス (ヤングサンデーコミックス)
2006/07/09 22:49
つながるだけでいい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブランド商品にまつわる詐欺と投資ファンドにまつわる詐欺。人が心を揺さぶられるものには必ず騙す人がいて騙される人がいる。みんな知っているけれど詳しくはないという、知識の格差が詐欺のタネになるのだと思う。
今回は黒崎の心を揺さぶる事件だったなぁ。氷柱の家族には自分の家族の姿を重ねてしまったし、小柴にはクロサギをやる動機を揺さぶられてしまった。お金だけを見ていれば心なんていらないだろうけれど、お金の周りには必ず人がいる。その人達が黒崎にどんな影響を与えていくのだろうか。