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美味しんぼ
東西新聞文化部に配属された新入社員・栗田ゆう子は、希望あふれる出社初日から、憧れの新聞社にも山岡士郎のような無神経でぐうたらな先輩が居ることに驚かされる。だが文化部全員が受けた味覚テストに合格し、大原社主・肝入りの企画「究極のメニュー」の担当者に選ばれたのは、ゆう子と山岡の2人であった…。
美味しんぼ 1
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2009/04/20 13:54
20年の力
11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
海原雄山と山岡士郎という親子が主人公のこの美味しんぼだが、両者はとくに息子の山岡の誤解やらで反目し合っていた。それが、100巻ぶり20年をかけて和解した。和解と聞いた時、安直な強引な展開を心配したが、それこそ誤解であった。言葉少なに自然としたものだった。それが美食倶楽部で行われたことは感慨深い。本当にいいドラマを見たなという感じだった。
わたしは最近ではレッドクリフやらも書評を通して感想を述べたが、映画もよく見る。しかし、映画というのは基本的に底の浅い運命にあると感じるに至っている。何時間でも語れるが、一言でいえば「所詮2時間」ということだ。100巻20年の最終回の思い入れノ前には塵も同然。「相棒」の映画がなぜ面白いのかといえば、テレビで5年以上もやっているから登場人物の背景の説明が要らず、まるまるストーリーに使えるからだ。その意味で、2人の和解というのは見た方がいいと思う。
この美味しんぼの功績というのは非常に大きい。およそ食に関することにあっては、学術本の比ではない。著者の鋭い食品業界批判が何度となくしかも正当に主張されたこともその一つであろう。いきなりだが、何の批判をすることがいちばん難しく尊いことというべきだろうか。憲法上では政治に対する批判こそが最大の価値を有する。しかし、資本主義的民主主義の下では、最も批判が容易なのが「政治」であろう。逆に一番批判が難しいのは、巨大企業である。この本質を見落とすと世の中の事象はすべて濁って見ていることになる。
インチキ「ニュース23」などというのはジャーナリズム宣言などといって、筑紫を先頭に政治の悪口ばかり言って大はしゃぎして喜んでいたが、巨大企業の悪口は言えない。なぜなら、車の悪口を言えば車会社が、食品会社ならロッテやらハウスやらが協賛を降り、番組はつぶれる。
著者はかつて言っていた「101巻が批判の限界なのです。」と。現実にはもっとひどいのだろう。そして著者は食品業界から大変な圧力を受けていた。現に広告を降りられ、有名どころではマイクロソフトが協賛を降りた。にもかかわらず、雑誌スピリッツは美味シンボを続けた。これは勇気のいることだし、隠れたジャーナリズム宣言といってよい。何度も言うが、ニュース23やらテレビとくにTBSや朝日新聞の「ジャーナリズム」など適当でいい加減、ダブルスタンダードありありのインチキなのである。政治の批判など誰でも出来る。
一巻から読み始めた人は、おそらく60巻以上はあまりに質が落ちて読んでない人も多いだろう。私もそれが原因で読んでない巻もある。明らかに初期の珠玉の話に比較すると質の低下は著しい。だから嫌いだった。しかし、著者もそのことは認めているという話を最近聞いた。そして著者は著者なりに苦しんでいたようだ。それを聞いてからはそれも込みで読むことにした。そうすると、60巻以降はストーリーよりもむしろ真の意味で「教養本」に近づいたとみて間違いない。話がないぶん、知識が非常に含まれている。この現象は70巻以降の「こち亀」に顕著に見られる漫画の末期症状である。が、こち亀の知識はフィギュアなどが中心でクソ虫の役にも立たないが、美味シンボの知識は陶芸から茶道、郷土文化にまでおよび天と地の差がある。
美味しんぼは完全に最終回というわけではないが、若かった主人公たちに子供が生まれ、いま和解がなった。時は流れたわけだが、いまのマンガに20年引っ張れる力があるだろうか。非常に心もとない。
2008/06/13 22:26
山岡さんが3人の子どもの父親になっていた
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「美味しんぼ」との出合いは耳鼻科の待合室でした。子どもの通院のたびに熱中して読みました。しかし、買ってまで読みたいとは思いませんでした。そして十数年たった今、「食の安全」が載っているマンガ本があるから読んでみたら、と薦められたのが「美味しんぼ101巻」でした。
第1話 親の味・この心
驚きです。山岡さんが3人の子どもの父親になっていました。
第2話
食の安全1 「食品の裏側」の作者、安部司さんが登場します。(「食品の裏側」購読しました)
食の安全2 たくさんの添加物の絵が描かれています。視覚の力はすごいです。
食の安全3 日本人の心を壊す「幕の内弁当」
食の安全4 「変わる家族 変わる食卓」の作者、岩村暢子さんが登場
食の安全5 「オーガニック電話帳」の作者、山口タカさんが登場。鹿児島出水市で作っている浅草海苔の取材
食の安全6 香川県高松市「サワラ資源回復計画」 小豆島の醤油作り
食の安全7 千葉県成田市の野菜の自分で種を採ることを広める活動を取材 青森県上北郡東北町の有機野菜の栽培
食の安全8 静岡県藤枝市の無農薬無化学肥料栽培の煎茶・紅茶作り 富士山麓の養豚場
食の安全9 長野県佐久市の有機農業
絵が細やかに描かれていて作者の熱意が感じられました。情報は与えられるものではなく、自分から発信するものだといいます。書評を書くことで微力ながら発信できたらと思います。
是非、興味のある方に読んでいただきたいと思います。
2006/06/24 22:07
焼酎も日本酒です
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:南亭骨怠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
思えば,「美味しんぼ」に出会ったのは中学1年生のとき。あれから四半世紀。いつの間にか山岡士郎と同じような年齢になり,そして山岡・栗田と同じ頃に子供が生まれた。今では,家族そろって山岡家の年齢を追い越している。
95巻は,3分の2が『焼酎革命』
いくつかの蔵元が紹介されている。その若き蔵主たちの焼酎にかける思いは,とても気分が良い。晴れた朝の爽やかさ。「焼酎も日本酒です」西酒造の34歳の若き社長のセリフだ。焼酎が日本酒の領域に加わってくることで,日本の食文化は広がりを増す。焼酎が洗練されていく・・・楽しみが一つ増えた。
初期の美味しんぼに,「日本にはスピリッツがない」と嘆く者に沖縄の古酒を薦める話があった。あれから20年,日本の焼酎は世界に誇れるスピリッツになったのだ。
95巻に出てきた焼酎をいくつか飲んでみよう。
どうやら焼酎は生魚にはあわないらしい。その分,肉料理には絶妙なようだ。生魚には日本酒,肉料理には焼酎・・・これからの定番になりそうだ。
この巻には,「美味しんぼ」の長い物語の変換点となる部分がある。山岡がついに後任者を指名した。山岡・栗田が究極のメニューから引退する。
もうすぐ100巻。究極のメニューをまとめ,海原雄山と和解する? さて,どうなるか。ここまできたら,最後まで買い続けよう。
2006/03/10 11:45
そろそろ‥
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんくぽんく - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわずとしれた長寿シリーズの最新刊。
当初、高級フランス料理店に乗り込み日本人がありがたがるフレンチをくそみそにけなすなど迫力あった海原雄三はすっかり丸くなり、不良息子の山岡も偽善者っぽい同僚の栗田と結婚、子供までできてすっかり角がとれ、ストーリーとしてはどんどんつまらなくなっている。(親子の葛藤だけはかろうじて残してはいるようだが)
苦し紛れで始めた日本全県味めぐりも主なところは終わってしまい、読者の関心は山岡の「究極のメニュー」と海原の「至高のメニュー」の対決がどうなるかにだけにしぼられてるが、
この巻でようやく先が見えてきたようだ。
山岡がそろそろ究極のメニュー作りを終わらせると宣言、海原もじゃこっちもと表明、わざとらしく禅宗の坊主などを登場させ、「物事には終わりはないのだ」などとのたまわせ、あいまい決着のための伏線作りを始めたようだ。
最終的に親子を和解させるのかどうかはともかく、100巻をめどに「究極」と「至高」の一応の完成品を出して、引き分けに持ち込ませシリーズをいったん終わらせるのは間違いなさそうだ。
しかし、文庫シリーズだ新書も料理別シリーズだと根強い人気を誇るこの「美味しんぼ」、終われば新聞や雑誌も取り上げるなど話題になるだろうが、小学館サイドにほんとに終わらせる英断ができるか。原作者が亡くなった「味いちもんめ」でさえ、「新」として愚にもつかぬ駄作を出し続けている同社だけに続編を作りそうな感じがするのは私だけ?
2005/12/07 17:38
美味しいマグロを食べたーい!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずと知れた料理コミックの、定番中の定番。本書93巻の目玉は、前・中・後編の3回で描かれた『マグロのすごさ』だ。
日本人を相手に好きな魚のアンケートをとると、いつでもトップ3に入るのがマグロだ。具体的に「好きな寿司ネタは?」となっても、大トロや中トロ、赤身の漬けなど、やはりマグロがトップに来る。こうなると、本書の帯の“もはや日本の国魚!?”というコピーも、大袈裟ではない。
だが、果たして中トロや赤身だけがマグロだろうか。カレイやヒラメだって、ヒレ部分の肉であるエンガワが美味いのだ。あれだけ大きな体のマグロである。もっと味わい深い部分があるのではないだろうか。
そんな疑問に答えてくれたのが、このエピソードだった。焼き物としてはお馴染みのカマや脳天の握りに、スナズリ(肛門近くの部位)の握り。そう、表紙に並んでいる三つの握りがソレだ。一見すると赤身のようでありながら、その実どれも全くの別物。今では“美味しんぼ的”などとも言われる独特の表現をそのまま借りるならば、一つは「さわやかでかぐわしい香り」がするものであり、一つは「熟したマンゴーのようにとろとろーっとして」いるものであり、一つは「脂があるのにあっさりして」いて「いい香りがする!」ものだそうだ。こう書いているだけで、涎が垂れそうになってしまう。
これだけでも十分な答えであるが、更なる部位も紹介されている。その部分は「気品のある味」で「高貴なる甘さ」を感じるらしい。登場人物・飛沢周一が思わず発するように、マグロの美味さには限界がないようだ。
マグロばかりではどうもという向きも、イカに餃子に油揚げなど、登場する食材や料理は幅広いのでご安心を。更に付け加えるならば、マグロのエピソード以外はかなり庶民的。特に『かなり恥ずかしい食べ物自慢大会』に登場するものは、どれもすぐに真似できそうなので嬉しい。
2020/01/06 05:44
尖っていた
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
懐かしく読んでいます。
美味しんぼの初期の頃の作品はどれも尖っていて、主人公の山岡史郎が権威主義や常識に捉われた料理会に向かっていく。
この頃は面白かった。
2002/07/04 17:16
つい買ってしまう
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:れい - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画を初めて読んだのは今から10年以上も前です。食を通じて人の気持ちや環境について考えさせてくれる奥深い作品だと思います。毎回いろんな料理が登場するのですが、とてもリアルで「わ〜、食べてみたい」と思わせてくれます。ただの美食漫画と違う点は出でくる料理や食材が時ににとても身近なものだったりするところでしょうか。実際に私も参考にして作ったことがあります。料理は食材だけでなく気持ちで作るものそんな風に思わせてくれるのも魅力のひとつだと思います。10年以上、レベルを下げることなく読者をひきつけてやまない一冊です。
紙の本美味しんぼ 1 豆腐と水
2001/02/07 14:19
食について考えさせられる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こめかみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画を読むと食について考えさせられます。この作品はただ単なるグルメ漫画とは違うからです。作品のなかでは食を取り巻くいろいろな問題提起もしていて、読むと勉強になる部分も多いです。結構、考えさせられるところの多い作品ですね。
もちろん、ストーリーの方は漫画としてもとても面白いので、ご安心を。普段はぐうたらしている新聞社員山岡史郎は料理のことになると人が変わったようになって、その才能を発揮します。彼は父である海原雄山とことごとく対決するのですが……
2002/01/03 18:39
山岡士郎、とうとう父親に…というか、海原雄山がとうとうお爺ちゃんに!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:天鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
栗田さんの妊娠が発覚。なんともおめでたいけど、父親がねえ(笑)。しかし、海原雄山の孫ということで隔世遺伝に期待しましょう。
さっそくつわりに苦しむことになる妻のために主人公・山岡はなんとか食べてもらえる料理をと考えるが、味覚の変わってしまった妊婦には食べられない。
そこで海原雄山の登場。これなら確かに食べられるかもしれない「ちょっとずつ食べる」つわり克服法が紹介される。さらに、海原雄山が幼い山岡に愛情を注いだ証拠の品も出てきて、ああ、ますます海原ファンが増えそう!
2015/01/29 16:33
著者なりに取材した内容と美味しんぼが同居した当該巻
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スズキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
連載時の一部セリフや内容のためニュースに取り扱われた話が収録されている当該巻です。
正直なところ放射性物質、放射能についてはテレビ番組で見た、理系雑誌を読んだぐらいの知識しかないので同書で描かれた内容のどこまでがあっていてどこからが間違っているかは私にはわからない。
既刊を集めているいち読者の私からすれば、乱暴ではあるがどちらであろうと物語としての続きが読みたいので当該巻の真偽の程はあまり気にならない。
福島の事はどうでもいい、ということではないのであしからず。
当該巻は110巻から続く福島の料理、原発事故後の福島の人や地域の状況、海原雄山と山岡士郎親子のドラマなどが織り交ざった内容となっている。
なお週刊連載時とは一部セリフは差し替わっているらしい。
作者なりに地域住民や関係各施設等によく取材していると思う。
ただそれを美味しんぼでやること自体はどうなのだろう?と思えるところもある。
2002/01/03 19:01
ワインに合う料理
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:天鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワインブームも落ち着いて、今ワインを飲んでいるのは、ビールや焼酎、日本酒以外にワインという選択肢もあると気づいた人たちが多いと思う。ただ、日本人の感覚では飲酒と食事は別々のものなので、食事にあわせるというワインの考え方が、わかっていても難しい。
そんな悩める人に、こういう普通の「ごはん」と合わせてみたら? という今回のテーマいい提案になっているだろう。
2016/03/28 20:08
色々言われてるけど・・・
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
問題のある内容とは思いませんが、かなり一方的な内容ではありますね。
何でもそうですが、最後は自分で判断すればいい事だとは思います。
早く、単純なグルメ話に戻って頂ける事を望みます。
電子書籍美味しんぼ 8
2020/03/01 14:25
京極さん…
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻は、第4話の京極さんの所作に注目すると良いだろう。
あれをみると、「この漫画はギャグ漫画なのか?」と勘違いをしてもおかしくは無いと思う。
電子書籍美味しんぼ 46
2020/03/01 13:52
嫌がらせ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻で、大原社主が山岡達に度々嫌がらせをする。
社員と社主の身分の違いを如実に現す巻であろう。
それにしても、痛い社主だこと。
電子書籍美味しんぼ 45
2020/03/01 13:50
迷い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻で、山岡は究極のメニューを作る意味に迷いが生ずる。
もしかしたら、結婚することへの不安も原因だったのかも。
今一度、究極のメニューの意味を考える巻だと思う。