- 販売開始日: 2011/06/03
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-110414-0
華麗なる一族(下)
著者 山崎豊子
万俵大介は、大同銀行の専務と結託して、鉄平の阪神特殊鋼を倒産へと追いやり、それをも手段に、上位の大同銀行の吸収をはかる。そして三雲頭取を出し抜いた専務と父親の関係を知った...
華麗なる一族(下)
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商品説明
万俵大介は、大同銀行の専務と結託して、鉄平の阪神特殊鋼を倒産へと追いやり、それをも手段に、上位の大同銀行の吸収をはかる。そして三雲頭取を出し抜いた専務と父親の関係を知った鉄平は――。帝国ホテルで挙行された新銀行披露パーティの舞台裏では、新たな銀行再編成がはじまっていた。聖域〈銀行〉にうずまく果てしない欲望を暴く熾烈な人間ドラマ。
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喰うか喰われるかの世界
2022/01/26 13:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けなちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報を取得し,時流を読み,考え,根回しできてようやく華麗なる生活ができる。
何もできない者は結局,できる者によいように使われるだけ。
喰うか喰われるかの世界。
しかし,思惑通りに事が運んで華々しい世界を手に入れてもそれは束の間。踏み台にして肥大化を企む人間は気づかないうちにすぐ傍まで近づいてきていて,今か今かとタイミングを狙っている。
資本主義の宿命ではあるが,痛烈に突きつけられる。
最後に
2021/04/16 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何もこうならなくても……。結局は、父親と息子の争いがこうなってしまったわけで……。そのわだかまりが、人間の命と企業の命運を左右したようなもの……。出来たら、死のないエンドにして欲しかったけれど……そうなると、違う読後感になってしまうのでしょうね……
上流階級
2019/06/10 06:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会は小説の大家が贈る上流階級のエゴイズムの完結編。良く映像化されるがやはり読み味わうことがより著者のメッセージが伝わる。
不幸なる一族
2017/01/28 08:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻3章最後の、帝国製鉄からやってきた管財人より、役員を解任されていく場面は、本書でも屈指の名場面だと思う。ここで、解任される役員を管財人より呼び上げられ、役員の位置から去っていく鉄平の悲哀は想像を絶するだろう。
阪神特殊鋼は食品や医薬品といった景気に左右されにくい業種と違い、鉄鋼という景気に敏感な業種であること、不況の最中に高炉建設で事故が発生したなど、倒産に至る原因には不幸な要素が多すぎた。しかし何といっても、メインバンクたる阪神銀行の態度こそがその最たる原因であったのは間違いない。しかしその態度は父子の不和によるものであり、あくまでも私情である。この点、親子などの血が繋がっている関係で企業を潰させるほど憎しみあうものなのだろうかと読みながら思っていたが、よく考えるとつい最近でも大塚家具やロッテなど一族の不和が表面に現れているケースが散見される。むしろ一族であることがさらにそういった対立関係を根深いものにしているのかもしれない。殊に本件においては父が息子を実子でないのではと疑っているのであり、さらに憎悪の念が沸き起こるのは自然なことともいえる。
そして大同銀行も日銀派と生え抜き派の対立によって、結局は下位の銀行に呑みこまれる結果となってしまった。組織の中に派閥対立が生じるのは致し方ないとしても、それがあまりにも大きな問題となり、いざというときに困難に対して一丸となれない場合には、組織として終わっているのだろう。
そして本当に冷酷な人間は美馬ではないかと感じる。妻には冷めた感情を抱き、最後には舅をも裏切る。しかし将来の自分の地位に向けて、他の全てを犠牲にして邁進するその姿には、畏敬の念を抱かせるものがあるだろう。
本書の最後の解説において、本作も『白い巨塔』も悪人が主人公となり、悪人が栄えて善人が滅ぶ様が描かれていると主張されている。ここに山崎豊子の面白さがあるのだろう。勧善懲悪ではあまりに作り話に過ぎ、現実味がなく、ワンパターンで面白みに欠ける。このように正直者が馬鹿を見る現実の中で、それを描き出すことに本作の魅力があるのだろう。
華麗さが良いとは限らない
2016/12/27 11:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミスターマーケット - この投稿者のレビュー一覧を見る
華麗さと幸せは必ずしも一致はしない。
外から見た華麗さと内での実態は違う。
野心や欲望だけでは不幸になると感じた。