Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパーク7
著者 石田衣良 (著)
池袋に再び忍び寄るストリート戦争の影。Gボーイスのキング・タカシに反目するナンバー2、ヒロトの黒い野望。このままではGボーイズは分解し、この街の危いパワーバランスも崩れる...
Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパーク7
商品説明
池袋に再び忍び寄るストリート戦争の影。Gボーイスのキング・タカシに反目するナンバー2、ヒロトの黒い野望。このままではGボーイズは分解し、この街の危いパワーバランスも崩れる。伝説の殺し屋「影」も登場、池袋に揺さぶりを掛ける。タカシの危機をマコトは救えるか?(表題作)。振りこめ詐欺の犯人が助けを求めてきた…「要町テレフォンマン」、自宅に火をつけた少年が連続放火のカギを握る「バーン・ダウン・ザ・ハウス」他、全4篇収録のIWGP第7弾!
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最近見れなかった、キングタカシの躍動が見れる一冊。これは良い!
2010/11/16 15:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋ウェストゲートパーク(IWGP)シリーズの7作目にあたる本作、4つの短編からなっているのだけどその4編ともに良い出来。中でもバーンダウンザハウスと表題もなっている「Gボーイズ冬戦争」は、シリーズ中でも傑作の一つとしてあげてもいいと思う。
一作目の「要町テレフォンマン」は、忌むべき犯罪者集団振り込め詐欺をテーマにしている。彼らのしている事は決して許されることでは無いし、絶対悪である。しかしもし彼らに言い分があるとしたら、少し聞いてみたいとは思わないだろうか。彼らなりの正義や信念があるのだとしたら、聞いてみたいと思わないだろうか。降り込め詐欺を辞めたがっている青年からの依頼。それはどうしてなのか、どうして止められないのか。青年の訴えに、マコトが動き出す。
二作目も詐欺まがいをテーマにした物語「詐欺師のヴィーナス」。誰しも街角で、綺麗な女性に画廊での絵画展示会に積極的に勧誘された事があるだろう。それにひっかかった男の話。女の色仕掛けに、数百万のローンを組まされてしまった。そのあまりにひどい詐欺まがいの商法に、マコトが乗り出すのだけれど。女の話を聞いてみると、思わぬ社会の闇と女の暗い過去が見えてきて…。
三作目の「バーンダウンザハウス」でも、現代社会の闇にスポットを当てる。過度の期待を背負わされた心優しき少年は、とうとうその重圧に耐えられなくなり、全てを焼き捨てる事を選んでしまう。家族が寝静まっている、自分の家に火を点けてしまうのだ。祖母が重度の火傷を追ったものの、父母は助かった。少年はまた家族と生活を、始めるのだけれど。その日から、また池袋の街で放火が続く。ボヤ騒ぎであるとはいえ、罪深き犯罪。また少年が疑われる。確かに少年は、夜な夜な外出を繰り返していたのだが。一体犯人は少年なのか。そしてマコトは、少年を色んな意味で救ってやる事が出来るのか。ぐっとくる。こういうお涙系の物語も、実は石田さんは非常に得意だったりする。
表題にもなっている「Gボーイズ冬戦争」はボリュームも有り、読み応えたっぷりだ。池袋のガキ達の間では、絶対のキングタカシ。そのタカシに、怪しい「影」が近寄る。その「影」の陰謀で、Gボーイズの結束が崩されそうになっているのを嗅ぎ付けたマコトは、タカシに協力を言い出すのだが。友達ゆえ、当初それを拒むタカシ。そのタカシの態度に、マコトは激昂する。そして二人は、池袋の平和を乱す本当の影に戦いを挑む。
面白かった、としか言いようも無い。何せIWGPシリーズは読後が気持ちよい。作中話で、キングタカシとサルとマコトが三人で花見に行こうなんて話をする。その姿を想像しただけで、ぐっときてしまうのだ。IWGPを知る人はみなそうだろうと思う。青年たちの真の友情は、舞い散る桜のように言葉も無く美しい。シンプルだけどそれゆえに硬く美しい友情を感じさせてくれる、シリーズでも傑作の一つだと思う。
表題作が名作
2020/10/12 13:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gunners - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作の「Gボーイズ冬戦争」がが本当におもしろい。タカシの活躍を読みたい人、タカシとマコトの友情を感じたい人はぜひ!!