紙の本
梅安に惚れるとやけどするよ
2002/07/22 15:24
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤枝梅安ってむかしむかしドラマでやってましたね。緒形拳でした。
あのときもかっこいいなって思ってたけど、本を読んでますますいいのだ。
頭のてっぺんから足の先、影や、梅安の残り香までが、絵になるのだ。
江戸という街に、梅安という男に、池波正太郎という作家に、仕掛人という仕事に恋をしてしまいそうです。
池波正太郎の本のもう一つのお楽しみは、お酒と食べ物。
お酒とか、おそばとか、ちょっとした小鉢料理とか、読んでいるだけで苦しくなるほど食欲をかき立てるのだ。
私は池波正太郎の本は老後になんて思っていたのだが、一冊読んだらもう止められない。人には勧めずにはおれない作家の一人です。
紙の本
傑作シリーズのこれが第一弾
2023/03/10 07:11
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年(2023年)生誕100年を迎える人気作家が二人いる。
一人は歴史小説を書いた司馬遼太郎、
もう一人が時代小説を書いた池波正太郎。
ともに映画化ドラマ化された作品も多い人気作家である。
司馬さんの作品は歴史小説、紀行文、随筆などたくさん読んできたが、
何故か池波さんとはご縁がないままこれまで来た。
「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・梅安」と作品名だけは馴染みがあるのに、
どうも食わず嫌いでいけない。
いや、嫌いではない。
本当にたまたま縁がなかっただけだ。
せっかく生誕100年ということもあって、
今さらながら池波正太郎を読んでみることにした。
では何を読むか。
原作は読んでいないが、テレビ時代劇としてはよく見ていた
「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを読んでみることにした。
それが『仕掛人・藤枝梅安(一) 殺しの四人』。
「おんなごろし」から始まる短編5篇が収められている。
それぞれの話としては時系列につながっているから
純粋に短編集とは言い難いから、できれば
収録順に読むのがいい。
梅安とその仲間彦次郎たち仕掛人が殺すのは
「世の中に生かしておいては、ためにならぬやつ」だから、
彼らは殺人者でありながら、正義の者にも見えてくる。
そのあたりが人気になった由縁だろう。
それと随所にある食べ物の記述。
これが池波さんのファンにはたまらないとか。
その気持ちわかるような気になる。
つい、もう一杯と茶碗を差し出したくなる。
紙の本
仕掛人とは、
2014/01/27 17:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:零 - この投稿者のレビュー一覧を見る
通常人情とは離れた位置にあるのが仕掛人、ということだが藤枝梅安はその点優れた人物に感じる。
もし自分がこの世に居てはならぬ者以外に仕掛けをしてしまうようならば次から依頼は受けない。
はっきりとした一本の筋が見える所が大変良かった。
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この作品群はちょっと少ないのですよね。著者も(主人公が暗殺者だから)必ず人を殺さないといけないから、なかなか進まないという事をインタビューで言ってますが。悪いやつを殺すのだからと言い聞かせているものの心に暗いものを持ちつつ生きる梅安はカッコいいですね。というか池波作品の登場人物はみな魅力的なんですがね。
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池波さんのシリーズの中でもスキなものです。
もう何も言うことないです。ひたすら尊敬します。池波さんを。
これも、鬼平と並んで未完ですが、梅安シリーズはそろそろ終わりだったのが見えている作品だけに、残念でなりません。
(新刊になってから、文字サイズが大きくなって見やすくなりましたね!)
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仕掛人・藤枝梅安1〜藤枝で母親に置き去りにされた梅吉は京の鍼医者に拾われ,殺し屋になり品川台に住む。元締めから依頼された仕掛けの相手は妹だった。仲間の彦次郎の女房子供を殺した浪人も仕掛け人だった。熱海から京へ,草津,江戸へ戻って彦次郎の依頼主と元締めを殺害する。〜梅安は緒形,彦次郎は牟田。TVの印象が強く残っている。非道い奴だと妹でも元締めや依頼主も殺しちゃうんだなあ。2は梅安蟻地獄。
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仕掛け人、って凄い。
どこか悟ったようなところが。必殺の腕が。世のためにならぬ悪人のみを始末するという掟が。
描写はでっぷりした(よく言えば貫禄のある)中年男なのに、読んでるうちにかっこよい気がしてくるのが不思議…(笑)
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鬼平犯科帳」、「剣客商売」のふたつはなんとなく年に一度は読んでいるし、読む本がちょっと切れるとつい手を出してしまう。これは抑えないといけないと思い、今まで梅安には手を出さないでいた。けれど、ふと手を出してしまった。まったくもって、これはいけない。
悲しいことにこのシリーズは未完である。しかもひとつの話の半ばで途切れてしまう。これはなんともやり場のない話で読者としては途方にくれるしかない。
同じ思いは中里介山著「大菩薩峠」で味わっている。途方にくれるのはこっちの方が大きいが、思いは同じだ。
未完の物語を読むというのは普通に本を読むのとは違うものがある。夏目漱石の「明暗」もそうだが、これはもっとそのままに未完なので、途方度合はこれがもっとも大きいかもしれない。
とはいえ、梅安のシリーズはちょっと読み返してしまうかもしれない。いけないシリーズがまたひとつ増えたようだ。ここが「大菩薩峠」と違うところだ。あの大作はちょっと心しないと読み始められない。ちょっと読んでみるなんてできないから。
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どの話もドキドキして、迫力があり、そして腹が減る。
未完のまま終わってしまったのが残念でならない。
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金をもらい人を消していく仕掛人。己の肉親でも悪なら消さなければならぬ。最終巻は絶筆だが、新たに話が進むところだっただけに残念。
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鬼平よりも先にハマった池波作品。
TVシリーズの梅安が結構すきだったのです。
最近読み返したら小杉十五郎が好きになった。
仕掛人(暗殺者)が主人公なので鬼平よりも少し暗い世界の印象が強いかなと。
特に後半は梅安自身が辛そうだし…
鬼平や剣客とキャラがダブってたりで併せて読むと面白い。
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同業の彦次郎との関係がなんだか、梅安35才にしてすでに老齢同士の持ちつ持たれつの関係みたい…。ちょっと梅安の描き方、年寄り臭すぎないか?!
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あまりおもしろくはない。「剣客商売」のシリーズは読む本がなければ暇潰しに追ってもいいかな、と思える程度ではあったんやけど、こっちはまったくそんな気にもなれない。背景が魅力的ではないし、人物にも魅力を感じなかった。
人殺しなのだから冷酷でなければならない、でもダーク・ヒーローでは決してない、というのが梅安の抱える矛盾で、ここを気に入って読めるんなら問題ない。ただ、あたしはどうしてもそういうキャラクターに魅力を感じられなかった。ヒーローものでヒーローに魅力を感じなければ、そんなものは読むに耐えないわけです。
背景も時代小説的なおもしろさに富んでいるとは言いがたい。池波のシリーズというのは、ヒーロー、サスペンス、ミステリ、時代を融合させた小説であって、娯楽的な装備はこれで最強に近い。ただ、やっぱり根幹を成しているのは「ヒーロー」というキャラなので、これがいまひとつだとどうにもならない。
そんだけの話。
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江戸版ゴルゴ13か?と思って、読み始めた。
狙撃で相手を殺すのではないが、悪人をプスッと締める仕掛人の梅安は魅力的。
おもしろい。
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必殺仕事人のような勧善懲悪系を想像していたのですが、もっとお江戸の裏世界っぽく、そして梅安先生も正義感とはちょっとかけ離れた、もっさりと淡々と依頼された人を殺すお話でした。貧乏人が爪に火をともしたお金で、死に際に「し、仕事人にこのカネを、そして俺と親父のカタキを取ってくれ……!」とかんざし職人に訴えるようなプロットではなく、闇に生きる者同士の日々の生活って感じ。生活臭が妙にあるのが面白かった。あとがきを読む限り、ゴハン食べるシーンも今後いろいろと多いのでしょうか。
梅安先生の立場で書かれることが多いせいか、鬼平よりは梅安先生にずっと親しみを持ちました。そして同時に、仕掛人って仕事が特別なものではなく、ちょっと人を殺すだけの副業って感じ(実入りはすっごくいいけど)がしてしまった。それにしても、1人殺すのに半年とかかけちゃうタイムスパンがなかなか斬新でした。まぁ、普通人一人殺そうとしたらそのくらい下ごしらえがいるよねぇ。1時間ドラマのようにさくさく短時間にはいかないか。
仕事人みたいなドラマっぽさがなく、お江戸町人の一仕事って印象。鬼平ほどせちがらい気持ちにならないので、私はこっちのシリーズの方が性に合っているようです。