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徳川家康 7 颶風の巻
2018/02/19 10:59
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投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家康の正妻である築山御前は、武田勝頼との内通が明るみ出、
信康は自分勝手な悪行と武田家との内通にも加担してたとして、
信長よりそれぞれ斬首および切腹の命が下る。
信長は最も信頼する家康になぜ圧力をかけたのか?
絶対的な権威を見せつけたかっただけなのか真意は不明である。
築山御前は家康の家臣から信康の助命の嘆願書を書き自害する事を
勧められるがこれに応じず、最期は信康の助命のための自害という名目で
家臣に斬首される。
家康から正妻として相手にされず辛い人生であったと思う。
信康は武田家との内通は決してないと訴え、最期は覚悟を決め自害する。
信康は何故、信長の娘であり、正妻である徳姫に対して、
側室のあやめが自殺するまで大事にしなかったのか。信康の真意は分らない。
政略結婚はそれほど両家の絆を強くするものではないのだろうと思う。
武田勝頼は長篠の戦いで信長、家康の連合軍に大敗し、
その後、正妻の実家である北条氏及び家臣からの裏切りにより天目山にて
武田家一族は自害する。
勝頼の正妻である小田原御前は北条家へ戻れと勝頼に命ぜられるが
勝頼の妻であるとしてこれに応じず勝頼より先に自害する。
これにて、清和源氏の名家である武田家は滅亡となる。
武士の生き様、妻の生き様、死に対する向き合い方、戦国に生きる人たちの
息づかいが聞こえるような本巻であった。
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猛攻武田軍
2021/03/16 05:23
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長篠図、上杉・長尾家系図付き。東の脅威武田家との関係も勝頼の代となり攻防が激しさを増すが遂に長篠で織田連合と共に対峙することになる。
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家康の矜持
2022/04/03 11:13
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
矜持。信康切腹の信長からの命令も、人の指図は受けぬとして、命を受ける前に自ら切腹させる家康の矜持。すごいの一言。しかし信康が、こんな性格の悪い奴だったとは、この小説で初めて知りました。でも最後は可哀想。それをいえば、勝頼も可哀想。ほんと戦国時代って残酷な時代と改めて感じさせられました。そして信長。天下人として、振る舞いが変わりつつあり、終わりの始まり。本能寺で死ななかったら織田家と徳川家はどうなったのか、ということも考えさせられました。
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徳川家康の生涯を描いた本。
7巻は長篠の戦いが済んだ後に襲う、信長の家康妻子への疑惑、そして妻子切腹、斬首の頃の話。
今川家の人質から解放され、岡崎に戻ってから妻の築山殿と別居の続く家康。
外から見る限り、家康は築山殿を嫌っていた風にしか見えないが、この本では、最後の最後までできる限り築山殿を守ろうという家康の姿が描かれている。
ざっとした知識しかない人間が読めば新しい視点の家康が見えてきて、こういう面もあったのかと新鮮に映る。
信長への体面でどうしても思った通りに事を通すことのできない家康。
家のことを思って、家康の言葉通りに行動していく家臣。
言ったことの、その言葉の奥を知れと無言のうちに家康は期待をかけるが、それとは裏腹に言葉通りに物事が進んでいく。
言葉が持つ力の恐ろしさをまざまざと見た気がする一冊。
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見事な武士が二人出てくる。
鳥居強右衛門と大河内源三郎だ。
武士道という非合理的な不文律を頑なに守る様は余りに感動的だ。
武将と武士とでは武士道に違いがあるようだ。領民の安堵のためには時に裏切りを働くのも大将たるものは許される。しかし一介の侍ならばいかに非合理的でも忠という道徳観念を守るものがより美しいのだ。
瀬名御前と小田原御前の違いも悲しかった。乱世にあっても好いた人と共にあるものの方が美しい死であった。
長篠合戦以降、急速に信長に水をあけられた家康は遂に正室と嫡子を殺さざるを得なくなる。
姉川のおりに見せた武勇を信長に見せられなかったからだろう。
勝頼の敗北が民生上の失敗であったのは悲しいところだ。
こき使いすぎると離反を招く。当然のことだが、そんなこと誰が教えてくれるものでもない。
「戦いとは強い者が勝ちます。辛抱の強いものが」
「武将本来の勤めはな、わが生命を捨てて天子に仕えることにある。天子に仕えるとは天子が御宝、すなわち民の生命を守ることじゃ」(本文より)
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とうとう武田家が滅亡してしまった。
家臣の潔い死の覚悟、感動する。
そして、家康の嫡男信康も自害させられる。
家康と信康に心のすれ違いが生じていたころは、なんとももどかしい。
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家康が究極の選択に苦しむ第七巻。
彼にとって人生最大の苦難と言って良いはず。
我々はこれほどの選択に直面することはまず無いが、
誰もが何らかの選択をしなければならないだろう。
偉大すぎる父親を持った二人の男の破滅と、
後に秀吉に「宝」と述べる忠実な家臣達の生き様、
滅亡した大名の滅びた原因など今回も内容が濃い。
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いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。
結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸幕府260年の平和な時代を築けたのか、おぼろげながら理解できた気がした。
また、著者の目を通して描かれた「家康の思考法」に強く感銘を受け、自己統制の本としても傍に置きたいと思った。
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戦術を一掃させた長篠の戦い。正妻築山御前、嫡子信康の処刑。勝頼自害による武田家の滅亡。戦国の世の栄枯盛衰無常なるかな。12.8.24
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長篠の戦い。
卓抜した戦術で武田騎馬隊撃破。
信長、覇王への道を突き進む。
信康、築山御前。家康は女が多過ぎて、家庭を築く事ができなかったか・・・。
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長篠の戦いを家康目線で書くとこう書けるのか、という印象。
信康と築山殿の事件は、確かに家康にとって重要な出来事ではあるが、やや冗長な気がする。
勝頼時代の武田氏がかなり残忍な印象を与えるような書き方がされているが、戦国の世であり、何も武田氏に限った話ではないだろう。
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長篠の合戦の模様が面白かった。一対一で名乗りあってから戦うものから、隊列を組み銃を使って一撃で大量にダメージを与える手法に変わったとのこと。
この戦で敗れた武田勝頼一族の滅亡は悲劇。家康の嫡子 信康の切腹もここで初めて知った。
小侍従を信康に斬られた姫が、信康とよりを戻すのは納得いかない
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家康を父に持ったが故の苦悩、懊悩、葛藤、焦り、迷い。
それが、全て愚の行動へ出てしまった。
そして、最後には父の偉大さ、己の愚行を悔い、自害。
信康、21年の生涯を閉じた。
そして、武田家でも同じようなことが勝頼の身に起きる。
武田家が滅亡して、信長がまた一歩、天下取りに近づいた。
ここまで、分かりやすく、面白く話を紡ぎ出せる山岡荘八に脱帽である。
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長篠の戦い、信康の死、武田家滅亡と、かなり感情を揺さぶれる一冊だった。特に信康を処断する時の心の読み合いとか、謎かけとか心理戦とか、凄いな。登場人物一人一人の心理描写が微に入り細に入り。
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矜持。信康切腹の信長からの命令も、人の指図は受けぬとして、命を受ける前に自ら切腹させる家康の矜持。すごいの一言。しかし信康が、こんな性格の悪い奴だったとは、この小説で初めて知りました。でも最後は可哀想。それをいえば、勝頼も可哀想。ほんと戦国時代って残酷な時代と改めて感じさせられました。そして信長。天下人として、振る舞いが変わりつつあり、終わりの始まり。本能寺で死ななかったら織田家と徳川家はどうなったのか、ということも考えさせられました。