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電子書籍
ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
著者 深水黎一郎 (著)
新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。...
ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
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ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ! (講談社ノベルス)
商品説明
新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは? 「あなたが犯人!」を見事に成立させた、衝撃の書。読後に驚愕必至の第36回メフィスト賞受賞作! (講談社ノベルス)
著者紹介
深水黎一郎 (著)
- 略歴
- 1963年山形県生まれ。慶應義塾大学大学院仏文科後期博士課程修了。大学教員。「ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ!」で第36回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
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紙の本
確かに犯人はあなた(=読者)なのだけれど…。
2011/08/30 10:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
芸術探偵シリーズではまった著者のデビュー作。
率直に言って、これを先に読まなくてよかった 苦笑。
だって…本書を先に読んでいたら、
芸術探偵シリーズには手を出さなかったもの。
とはいえメフィストを受賞してデビューしているわけだから
駄作というわけではない。
ただ、ポイントはメフィスト賞ってところ。
本書の立ち位置はあの『六枚のとんかつ』と同じなのだ。
その点留意されたい。
始まりはミステリ作家のもとに届いた一通の手紙。
差出人は香坂誠一と名乗る人物だ。
そして内容は、「読者が犯人」というミステリトリックを思いついたので
買い取ってほしいというものだった…。
というところから主人公であるミステリ作家の「私」と
香坂のやりとりが続き、
最終的にはタイトルに帰着する。
「犯人はあなただ!」=「犯人は読者だ!」
という意味で。
結論からいうと、犯人はたしかにわたしだった。
でも…。
どうにもこうにも消化できない。
フェアかどうかというと、フェアだとは思う。
でも…。
だから?
試みとしては面白い(斬新)けれど、
どうしても好きになれなかった。
やはり芸術探偵を先に読んでいてよかった。
紙の本
ダメとは言わないが
2015/03/07 18:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:momo - この投稿者のレビュー一覧を見る
特異体質者が対象なのでトリックとは言えないのでは?ストーリーを楽しみましょう。
紙の本
期待をいたずらに高く持たなければ楽しめる小説
2007/04/29 00:14
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞に連載小説を書いている作家のもとに見知らぬ男から一通の速達が届く。「読者が犯人」という究極のトリックを思いついたので、ぜひそのアイデアを買い取ってほしいという手紙だ。「読者が犯人」という筋書きをもった小説は果たして可能なのか。作家は半信半疑ながら、この男の申し出に興味を持たずにはいられなかった…。
「ウルチモ・トルッコ」という一見コミカルなタイトルは、「究極のトリック」という意味のイタリア語。読者である私自身が真犯人になるという奇想天外な小説が成立するのか。登場人物である作家先生ならずとも、汲めども尽きぬ興味に突き動かされて私も、この300頁の本を一気に読み終えました。
この小説には言語や天文学、超心理学など、一見脈略がなさそうな様々な事柄に関する該博な知識が、決して衒学的ではない言辞で散りばめられていて、一体どこへ読者を導くつもりなのかとわくわくしながら頁を繰るのは楽しい体験でした。
そしてたどり着いた果てに待ち受けていた真相は、エドガー・アラン・ポー以来連綿と続く古今東西のミステリー史上かつて誰も思いつくことがなかった究極のトリック…というほどのものではありません。
結論から言えば、それは私の「そこそこの期待値」通りのものでした。その「期待値」は実のところさほど高いものではありません。なにしろ本書は講談社ノベルズの一冊であり、講談社が精力を傾けて世に問うという類いのものではそもそもないことは容易に想像がつきます。ですから本格ミステリーというものを期待していたわけではありませんし、まぁお手並み拝見という程度の心持ちで臨んだ書です。
それでも全く楽しめなかったわけではなく、私としては敢闘賞ものだと評価してもよいかなと思わせるエンターテインメント小説でした。
紙の本
最初から犯人が読者だとわかっているミステリー
2007/05/30 16:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある作家のもとに
自分のアイディアを買ってくれないか、
という見ず知らずの人間から手紙が送られてきます。
中堅どころの作家は新聞に連載を抱えていますが
それもうまくいっていない。
そのアイディアとは、「読者が犯人」であり
前代未聞のトリックを使っているという。
冒頭の展開に興味が沸いて、引き込まれます。
果たして「読者が犯人」というのは成立可能なのか。
そしてそのトリックとはどんなものなのか。
さらに作家は個人的な興味から
超能力を研究している学者を頻繁に訪れ、
超能力の中でも人間が将来持ちうる、
というよりも古代に失ってしまった能力かもしれない
テレパシーの実験にも立ち会います。
一方、保険勧誘の女性外交員から
生命保険の免責期間について聞き出します。
もちろんこれらが前代未聞のトリックに
関係すると思われるのですが
どんな関係性があるのかも気になって仕方がない。
巧妙な著者のリードによって
最後まで引っ張られつつ、
これはもしかしたら詭弁なのではないかと
心配になりながらも、
そのトリックにはびっくりしました。
おそらく賛否両論があるでしょうけれど
私は「可」でした。
ちなみに「ウルチモ・トルッコ」とは
イタリア語で「究極のトリック」。