5人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「都市伝説」に惹かれ購入しましたが、最初に最終章の「日本軍の暗部」を読んで、読むのを止めました。
「南京大虐殺について、中国人が「日本の都合の良いように語るな」と反論したくなるのは当然だ」「七三一部隊は南京大虐殺や従軍慰安婦同様に、裁判でその責任が十分に追及されていない」「日本軍は大勢の従軍慰安婦と軍夫を強制連行してきた」等々、中韓の主張だけを全面的に取り入れた「反日」本でした。また、他の箇所を斜め読みすると、「反米」色も強い内容でした。こんなに政治色が強い本と知っていたら読みませんでした。
ところで、この石井氏の著作では、以前も失敗しました。「世界比較貧困学入門」(PHP新書)という本です。「日本は先進国のなかで、世界第三の貧困大国」と驚かした上で、絶対貧困(発展途上国)と相対貧困(日本)をごちゃ混ぜに比較。相対貧困であれば、他の先進諸国との比較の方が適切だと思いますが、先進諸国の貧困には全く触れられていません。その上で、途上国の貧困者の方が日本の貧困者よりずっと心豊かであり、希望もあると主張。散々日本社会は駄目だと主張している本でした。そんなに日本が嫌いだったら、海外に出て行けば良いのにと思います。
紙の本
タイトル通り
2013/02/06 01:54
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年の「都市伝説本」は陰謀論よりだったり、奇をてらったモノが多いが、タイトルどおり「戦争に関する都市伝説」を淡々と列挙しただけの本書に少し感心した。ただ、新しい話も新しい切り口もないので食い足りない本でもある。
紙の本
都市伝説様々。
2021/06/24 14:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦場に限らないが、都市伝説には万国共通の類いもあれば、その地方独特のものもある。
極限状況にある戦場で噂されるのは、似通った話が多い。
死体を捨てた湖や川の魚が大きい。死体が埋められた土地で不思議な音や姿が見える。捨て身でかかってくる兵士は攻撃が効かない幽霊だ。
人間の感じる後ろめたさ、恐怖心の裏返しでもある。
投稿元:
レビューを見る
イタリア軍は砂漠への行軍でもパスタを持って行く。
これは明らかな都市伝説らしいのだが、「イタリア軍の兵士は例え
戦場にいようともお昼になるとマンマのパスタを食べに家に帰る」と
言われてもわたしゃ信じるね。笑。
色んな都市伝説があるけれど、本書は戦争や内戦の戦場となった場所
で語られている都市伝説を集めたもの。
ナチスの人間石鹸、死体でのコカイン運び、米兵の遺体修復の高額
アルバイト、夜になると遊びに誘いに来る子供の霊、捕虜たちを見守る
子供、川をせき止める死体、死体を食らって巨大化した湖の魚等々。
それぞれの都市伝説が生まれた背景が解説されており、人間の愚かさ・
残虐さが剥き出しにされている。
都市伝説に込められたのは無念の思いであったり、哀しさであったり、
憤慨であったりする。それが、大きな悲劇を語り継ぐ方法でもあるの
かもしれない。
ただ、この著者にしてはクオリティの低さが気になる。新書だから仕方
ないのかもしれないが、戦場都市伝説カタログみたいになっている。
各章の終わりにコラムがあるのだが、国によって幽霊やお化けの
形態が異なる…なんて話はちょっと楽しかった。
戦場の都市伝説なんてないに越したことはないのだけれど、人間が
諍いを続ける限り今後も生まれるのだろうなぁ。
投稿元:
レビューを見る
石井光太さんがやることは、いつもめちゃくちゃアンダーグラウンド。だからこのひとの本は好きです。
本書は全国各地の戦場であった場所にまつわる都市伝説をまとめた本。取材量、範囲が半端じゃない。
なかなかむごい描写もあったりして、あまり明るい気持ちにはならないけども、そこがいいと思う。粛然とさせられるところが。
ただ、著者の本にしてはメッセージ性が薄く、あまり生かされていないと感じました。
罪悪感、つらみ、悲しみ、など、それを和らげるために都市伝説が生まれる、こともあるってことか。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通り,「戦場」における「都市伝説」が数多く紹介されています.平和な国に生まれ育ったことをただただ感謝するのみです.どうか,世界に平和が訪れますように.
投稿元:
レビューを見る
チェック項目15箇所。その夜、漁師たちは信じられない光景を目の当たりにした、見張っていたところ、首都カンパラの方向から軍の巨大なトラックが何台も走ってきた、そして湖のほとりで止まると、軍人たちが荷台を開けた、そこには人間の死体をがぎっしりと詰められていた、軍の処刑によって殺された民間人だった、軍人たちは死体をトラックから降ろし、次々と湖に投げ捨てていく、湖にいた魚たちは一斉にその肉を食いはじめた。東南アジアには赤いバナナが実際に存在するが、こちらは黄色いバナナより一回り大きく、ねっとりして食べ応えがあって甘い。「魚は東京湾に流れた死体を食い漁った。きっとそれがもとで大きくなったり、異常繁殖したりしたのだ」。兵士にとって、死を覚悟で突進してくる敵ほど嫌な相手はない、自分は殺したくないのに敵は己の命と引き換えに自分を殺そうとしてくる、それがどれほど恐ろしいことか、だが、そうした恐怖を敵に植えつけられることこそが、自爆攻撃の最大の意味なのだ。第二次世界大戦中の日本軍は、若い兵士たちを逃げ場のない状況に追いつめて特攻へと出動させた、出撃を前にしてうち震える若い兵士に、ヒロポン、つまり覚醒剤を与えて奮い立たせ、体当たり攻撃をさせたのである、パレスチナの自爆テロ犯もまた悲しい、自爆テロの実行犯はテロ組織の幹部たちではない、貧しくて将来がまったく見えない若者だったり、イスラエルの攻撃を受けて夫や両親を殺された傷心の者たちだったりする。税関が調べるのはカバンの中身ぐらいで、遺体にはほとんど注意を払わない、その盲点をつくように、麻薬組織はアメリカ人の遺体に麻薬を詰め込み、アメリカへ運び込んでいたのだ。パレスチナ紛争では、戦死した一般庶民の体に地雷や爆弾がしかけられた、戦闘中に人間が死ねば、後日庶民や兵士がそれを運ばなければならない、そこに爆弾を設置することで、他の人間をも殺害しようとするのだ、そのため、地域によっては死体が転がっていても誰もそれを片づけようとさえせず、腐って虫に食われるのを待つしかなかった。1989年、ルーマニア革命軍が蜂起して政府を倒してチャウシェスクを大統領の座から引きずりおろした、逮捕の二日後には学校の校舎で開かれた裁判によって死刑判決を下し、その日のうちに銃殺刑を行った、ルーマニア革命軍はこの一連の流れをすべてビデオカメラに収めて、遺体の顔写真を含めた映像を世界に配信したのである、こうすることによって、チャウシェスクの死後も生存説が生まれ、国民が不安に陥らないようにしたのだ(ここまでしても、一部では処刑映像がつくり物ではないかという疑惑が浮上した)。第二次世界大戦では、連合軍はナチスの思想を徹底的に消し去るために、幹部たちの墓をつくらせなかった、墓がナチス支持派たちの聖地となるうことを恐れたのだ。中東でイスラーム教徒に「あなたは幽霊の存在を信じますか」と尋ねても、ほぼ全員が首を横にふってこう答えるだろう、「神はアッラーのみで、幽霊は存在しないい。いたらアッラーは唯一絶対の神じゃなくなってしまう」と、強がってこう答えているわけではない、たとえば、中東の墓地へ行くと、ホームレスたちのねぐらになっていることがよくある���それは彼らが幽霊を信じないためだ。ゲリラ組織は村を襲ってそこに暮らしている子供たちを強制的に連行し、彼らに自分の親や村人の処刑を強いることで、帰る場所を奪い取り、人を殺したという罪の意識を植え、ゲリラ兵として生きるしかないというところに追いつめ、一人前の子供兵にするのだ。江戸時代、フカヒレは中国との貿易で重宝され、ナマコ、アワビと同じく「俵物三品」と呼ばれていた、幕府は金、銀、銅の代わりに、これらを積極的に代用し、以降気仙沼市の主要な海産資源となっている。現在の南米やアフリカでの内戦は、国家と国家との戦いではなく、ゲリラ組織の戦いであるため、国際法はほとんど無視されている、兵士たちはそもそも国際法の存在すら知らず、一般庶民に対するレイプや強奪はもちろんのこと、軍事訓練のための捕虜の処刑も当たり前のこととしてまかり通っているのだ。「残留日本兵たちは間違いなく神がかっていた。銃弾が飛び交う中へ行っても決して弾に当たらないんだからな。地元の人間がどうやったら弾に当たらずに済むのかと尋ねたところ、『日本の伝統的な魔法を駆使しているのだ』と答えたらしい。インドネシアは独立したけれど、最後までその魔法の方法だけは教えてもらえなかった」。進駐軍はしばらくして石井四郎を裁判にかけずに釈放した、裏では、米軍と石井四郎の間に取引があったといわれている、生体実験の成果は滅多に手に入らない貴重な資料であり、研究者にとっては喉から手が出るほどほしいものだ、そこでアメリカは石井四郎から生体実験の成果をすべて受け取る代わりに、彼を裁判にかけることを止めたらしい、そうして、七三一部隊の前代未聞の戦争犯罪は裁判で追及されることすらなく闇に葬られたのである。
投稿元:
レビューを見る
ノンフィクション作家がフィクションありきの都市伝説を書く。
今までとは違った切り口で、これはこれで読みやすかった。
…
っていか、フカヒレ(;´Д`)
投稿元:
レビューを見る
わ~ん こわかったよ~
夜中に読んじゃったからまるで「あなたの知らない世界」状態
嘘が本当に聞こえるためには真実をうま~くブレンドすべし。
じわじわっと恐怖がこみ上げてくる仕上がりになっておりました。
こんなのを各地の子供は怖い話として聞かされているんだろうなあ・・・
ちょっとまじめな話
国家間の戦争に対しては国際法もあるし、保障もある。保障が足らないと国同士でやりあうことができる。でも国内の紛争だと敵味方に分かれていたとしてももともとは農民同士だったりで戦後は同じ国・地域で生活する。隣人が自分の親子供を殺した元敵ってこともあり得るわけで・・・
私ならノイローゼになりそう。
リビアでは新たな都市伝説が生まれているのでしょうね。
世界が平和になりますように。
投稿元:
レビューを見る
都市伝説なんて軽いもんじゃなく怪談に近い。
寝る前に読むんじゃなかった…
平和が続きますように。
そして戦争が終わりますように。
始まりませんように。
投稿元:
レビューを見る
ウガンダ・ビクトリア湖の「死体を食べて大きくなった巨大魚」、パレスチナの「白い服を着た不死身の自爆テロ男」、海外取材経験の豊富な筆者が現地の人から聞いた『噂』。しかしそれには『真実』が含まれていて…。
古今東西、人と人が相争うところには『うわさ』というものがまるで野火のように人々の間を通り抜けて、あっという間に広がっていくようです。 しかし、うわさというのは往々にして『真実』を含んでいるというのもこれまたよくあるお話。本書は海外取材の経験では百戦錬磨を誇り、衝撃的なレポートを数多く発表してきた筆者が、日本を含めて各地の戦場に散らばっている『うわさ』を集めて紹介したものです。その中の一部を紹介すると、
・中東では出稼ぎ労働者に死体修復の仕事が割り当てられる?
・アフガニスタンの空き地に「小さい女」の幽霊が現れる?
・遺体にコカインを詰めて密輸する麻薬密売組織がある?
・コンゴの少年兵が幽霊になっても捜し歩く、弾除けのお守り
・ヒットラーは密かにアルゼンチンに落ち延びていた?
というもので、もしも仮に何の予備知識もなく現地にいって、彼等からそういう話を聞いたとすると、僕は単純なのでコロッと信じて今うかもしれません。たとえば、『遺体にコカインを詰めて密輸する麻薬密売組織』のうわさは、メキシコの麻薬戦争にちなんだもので、現地の武装したゲリラのことを少しでも知っていると少しも驚きませんし、アルゼンチンにヒットラーが落ち延びていた?といううわさは実際にナチス・ドイツの幹部たちがアルゼンチンで名前を変え、経歴を隠して生き残っていたためであり、ホロコーストの主犯であるアドルフ・アイヒマンなどは、その典型といってもいいでしょう。
さらに、第三章の『食うもの、食われるもの』の中に描かれているフカヒレにまつわる恐ろしいエピソード(これはあえて書きません)カンボジアでは『内臓を返してほしい』という幽霊が出て来るというお話はクメール・ルージュ体制における内戦当時の現地で迷信により『殺害した人間の内臓を食べると敵の弾に当たらない』ということから実際にそういうことが行われていた事実に由来するのだそうです。僕はこの話を故鴨志田穣の『アジアパー伝』で前に同じ話をよんだことがあり、本書を読んでいるときも『あ、あの話だな』ということを思い出しました。
第四章の『戦争と処刑』で面白かったのはコロンビアの内戦で捉えられた捕虜が処刑されるときに『ありがとう、ずっと僕を見守っていてくれて』とゲリラ側の人間には見えないいう「人間」に語りかけるという話は絶望的な状況下におかれた人間がどのようにして『希望』を見出すのかがよくわかったような気がして、読みながら胸が潰れそうになりました。
第五章の『日本軍の暗部』では『南京大虐殺』や『七三一部隊』、さらには『朝鮮人強制連行』に関する『うわさ』が記され、こういった中に彼等の『心情』が織り込まれていると知り、それは感情的なものになっているので、根は深いなぁと思わずにはいられませんでした。海外に行かれたときに、もしもこういう話を聞く機会がもしもあれば『あぁ、あの話しだな��』と思うことが、もしかしたらあるのかもしれません…。
投稿元:
レビューを見る
まさに都市伝説なのだけど、裏には悲しい歴史があるのです。
しかし、ノンフィクションライター石井さんらしくない気がする…
投稿元:
レビューを見る
本書は、様々な戦場で生まれた都市伝説を紹介、その背景を解説し、最後に著者の考察を添えるという形式で書かれている。ウガンダの内戦、ベトナム戦争、湾岸戦争等から生まれた都市伝説を経て、最終章は第二次世界大戦における日本軍の行為にまつわる都市伝説が紹介されている。個人的には、イラク戦争に関係する「僕を助けてください」と、ベトナム戦争に関わる「掘り起こされた棺」が特に心に残った。
ある夜中、イラクに駐留していた軍医トムは電話の音に起こされる。頭を撃たれて危険な状態のイラク兵士を手術してほしいと言う。トムが駆けつけると、手術室には誰もおらず、ナースは運び込まれた兵士などいないと言う。
二日後の夜中、トムは同じ電話でまた起こされる。トムは、間違いのないようにと、今度は負傷兵の名を確認する。「マハト」という名の兵士だという。ところが、トムが手術室へ行くと、やはりそこは無人で、搬送されてきた兵士などいないということであった。
その更に二日後、また同じ電話によって、トムは起こされる。これは何かのいたずらかとトムが問うと、電話の相手は、トムのいる基地がイラク兵の負傷者を受け入れないので入れない、助けてくれるならAビルへ来てほしいと言う。
トムは部隊長に事情を話し、翌朝彼と一緒にAビルへ行ってみる。するとそこには、腐敗しかかった遺体が3つ、抱き合うように倒れていた。そしてその一体の軍服には「マハト」という名が記されていた。ベトナム戦争にまつわる「掘り起こされた棺」も、同様の構造を持った話である。
イラク戦争やベトナム戦争において、米軍は現地の兵士を戦闘に投入したが、彼らは通常、アメリカ兵よりも危険な地域へ派遣され、その結果戦死者の数も多かった。例えばベトナム戦争におけるアメリカ兵士の死者数が約5万8千であるのに対し、南ベトナム兵士の死者数は約31万3千人と、約6倍になっている。しかし、現地の兵士の死者数が多いのには、もう一つ別の事情もあった。
戦場で負傷した兵士の治療は、アメリカ兵が優先された。ともに戦ったイラク人、ベトナム人兵士は後回しにされ、彼らはしばしば放置され、そのまま死んでいったのだ。戦場なのだから、いろいろ行き届かないことはあるだろう。だが、結果からすれば、彼らはただの捨て駒にされていたのだ。
助けを求める幽霊兵士の都市伝説が生まれた背景にはこうした事実があると、著者は推察する。著者は言う。
「戦争における怪談は、戦争や権力に対する人々の怒りによって支えられているのかもしれない」
戦争で失われる命のほとんどすべては、巻き込まれた人々のものだ。声を挙げることも許されず、また、声を挙げても一顧だにされない人々のものだ。戦場の都市伝説とは、そうした人々の怨嗟の声を知る人々の思いから生まれたものなのだろう。そんなことを考えながら、私は本書を読んだ。この本を読んでいるとき、中島みゆきの「伝説」がいつも頭の中で流れていた。
風につづるしかなかった手紙 あなただけは読んで
雪でつくるしかなかった形見 あなただけは抱いて