三浦綾子 電子全集 続 泥流地帯
著者 三浦綾子 (著)
ちっぽけな人間が大きな自然や運命に抗して生き抜く姿を描く、著者渾身の長編。十勝岳大噴火によって、祖父母、姉、妹と家田畑を失った拓一・耕作兄弟。流木と泥だらけの地の再興を決...
三浦綾子 電子全集 続 泥流地帯
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商品説明
ちっぽけな人間が大きな自然や運命に抗して生き抜く姿を描く、著者渾身の長編。
十勝岳大噴火によって、祖父母、姉、妹と家田畑を失った拓一・耕作兄弟。流木と泥だらけの地の再興を決意し、懸命に働くが……。ちっぽけな存在である人間を苦もなく押しつぶしてしまう猛々しい自然。過酷な運命や自然に抗して、人間としての存在を守ろうと生き抜く姿を描く長編。
「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、日新尋常小学校に立つ記念碑の写真を収録!
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感動作です。
2021/10/11 10:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
十勝岳噴火で荒れ果てた土地に変わった村や田畑を拓一は昔の姿に戻すことを決意する。拓一は大木を取り除き、硫黄のしみ込んだ土を洗い直し、祖父が開拓してきたように鍬と鍬を持って大地とともに生き始める。しかし村の復興に賛成する者がいる反面、反対する者もおり、両者が醜い争いを始め、復興の盛り上がりに水を差す。拓一は周りの声を気にせず、ひたすら復興へと邁進する。その結果、米が土地に根付いた。そして拓一が本当に欲しかったものは・・・。
下巻を読んでもっと感動しました。今の時代に拓一のようなバカはいないので、なおさら拓一の一貫した芯の強さが心地よく思えました。また母の悲しみを押し殺して生きる強さにも感動しました。
素朴でひたむきな生き様、人への気遣い、何事にも感謝する気持ちに感動しました。
2016/12/07 00:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
素朴でひたむきな生き様、人への気遣い、何事にも感謝する気持ちに感動しました。その思想基盤には、控え目ながらもキリスト教思想が貫かれている。「泥流地帯」・「続 泥流地帯」を通じて主役は耕作だと思っていたのだが、続編も中盤辺りからどうも拓一の方ではないかと思えて来た。耕作と節子はいずれも卓抜な才能や容姿を持ち、それなりに主役として適役ではあるが、拓一や福子は人間的な意味での優れた才能、つまり“人を愛する心”を有している点で群を抜いており、その辺が鮮明になって来ると耕作や節子の存在自体が、この2人の心の部分的反映と思えてくるのである。特に、拓一の人を思う心、何事にも感謝する心には、善人過ぎるのではと思うくらいである。私的には、どうも著者は、受難者としてのキリストを拓一に重ね合わせているのではないかと思えてならない。舞台を十勝岳泥流被災地に置いてはいるが、著者が描きたかったのは正に“神の愛”の物語だったのではないだろうか。そういう意味では、“十勝岳泥流“自体を主題とした作品を期待していた私にとってはちょっと肩透かしを食わされた感じも無きにしも非ずではあったが、読み終わって深い感動が残ったことを考えるとやはり傑作なんだなと思わざるを得なかった。
さて、物語では、「公娼廃止運動」の支援を受けた節子の手引きで福子が深雪桜を飛び出して旭川行の列車に乗ったのを確認したところで終わる。「公娼禁止令」は夫婦にしか適用されないので拓一と福子は当然結婚することが前提となる。当然、後々福子の借金返済の問題が残るし、耕作と節子の関係も実に気になる。更には、泥流地帯の復興の行方も・・・・。と言うことで、更にこの後についても書いて欲しかった気も・・・・・・・・・。