紙の本
安倍総理の再起・・・これ即ち「日本人の再チャレンジ」なり
2013/01/25 22:23
16人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Fukusuke55 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の原著となっている「美しい国へ」を6年半前、前回の「安倍総理誕生」の際に購入して読んだ記憶があります。
本書は、その「美しい国へ」を再録すると同時に、冒頭に二度目の総理就任に際しての思いを、そして巻末に衆議院選挙を控え、自民党総裁として「文藝春秋」1月号に載せた政見を再録した構成になっています。
6年半前に読んだ記憶はすっかり飛んでしまっており、今回改めてじっくり読み直しました。
6年半前と現在の主張にほとんど差異はなく・・・というか、具体的な政策よりも、安倍さん自身の政治観、人生観、価値観などがメインに記されているので、ある種「ぶれていない」具合がよくわかるという点では、再読の価値あったなと思います。
生まれ育った環境そのものが「特別」な人で、自他ともに認める保守の人。歴史的にも、保守本流の政治家は、戦争を避けるために命懸けで闘って来た人が多く、その点では安易なリベラル派や市民活動派は「安全保障」という点において、どうしてもひ弱さを感じずにいられません。
戦争は時の為政者の大局観の無さや、知識・経験・見識の無さから、あれよという間に突入してしまうというのが実態ではないかと思います。
安倍さんが総理になって、このまま戦争にまっしぐら・・・と危ぶむ声も聞こえますし、私もその懸念が完全にぬぐえているわけではないけれど、昨今の中国への対応姿勢、例えば公明党山口代表の訪中などを見ていると、対外交渉力やその手法などは、「さすがに2度目の登板だな」という印象を持ちました。
日本は、一度失敗した人が再起のチャンスを得にくいと言われていますが、安倍総理の再登板は、一国の代表が再起することを、国民が支持したということに他なりません。
私は、今回の安倍総理の再登板を、「日本人の再チャレンジ」の象徴だと思うことにしました。
「また投げ出してしまうんじゃないかという懸念がぬぐえない・・・」と言っていた有名な民放のニュースキャスターがいますが、そんな彼が「日本の成長戦略が・・・」とか、「若年者にチャンスを・・・」とか、「格差是正を・・・」とコメントするのを聴くたびに、「この人は、いざというときに、再起をかけてチャレンジする人に寛容ではないんだろうな」と思うのです。
再登板の実績はまだこれからで、金融政策、財務政策はちょっと大盤振る舞いな気がしなくはないですが、少なくとも一人一人の閣僚が浮かれている様子は見えないし、この緊張している姿勢がマーケットに影響しているのではないかと思われます。
現内閣は、就任後、矢継ぎ早にいろんな矢を放っており、与党時代に政権復帰に備えて、「臥薪嘗胆」してこつこつと準備を進めていたんだろうなと思わせるこのスピード感は、国民からの支持を回復させるのではないかと、好意的にみています。
・・・ということで、安倍総理の人となり、政治観をコンパクトに知るにはうってつけの本です。
電子書籍
今の政治の方針がわかる
2016/04/03 19:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オーケー - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本が今後どうなっていくのか。方向性が示されています。なぜ憲法改正するのか。自民党結成の理念が示されています。
若い方におすすめしたい本です。
紙の本
闘う政治家
2013/07/15 17:10
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:taka - この投稿者のレビュー一覧を見る
安倍総理の政治家としての根本姿勢が書かれてあります。国家のため、国民のためならば、周りからの批判を恐れず確固たる信念を持ち断固前進すべきであると、常に「闘う政治家」であり続けることを表明されています。
デフレ脱却、安全保障と社会保障、外交問題、教育問題、憲法改正、震災復興等解決すべき問題は多々ありますが、一国の総理の考えを理解したうえで自分なりに向き合ってみたいと思います。
電子書籍
がんばれー安倍内閣☆
2017/04/29 20:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くる - この投稿者のレビュー一覧を見る
バリバリな保守でありながら、国際感覚に鋭いといったイメージの首相。
本を読んでも、なるほどなぁと、今進めている政策とリンクできました。
やはり感じたのは、保守的な考えを持ちつつ現実的にすすめていかなくてはいけない姿勢。ここが、戦後に育った私達が非常に共感できるところでありました。
おそらく、安倍1強であるいま、この本の通りに日本をすすめて行くと思う。
チャンスが転がる日本になっていくといいと思う。一方、新しい日本がきたときに、どういったマイナス作用が働くかをあらかじめ予測する一冊になるといい。
紙の本
美しき国へ
2015/10/30 14:37
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
現総理・安倍晋三の第一次内閣発足時にあわせて発行された新書。現職の総理大臣がこのような新書を出すのは極めて異例であり、当時はかなりの売れ行きがあった。時の総理が何を思い、現状をどう認識しているのかをしりたくて買った人が多かったと思うのだが…この本で書かれている内容に失望した人は多かっただろう。彼の思考を一言でまとめれば「日本大好き、祖父大好き」。時代はグローバル化が進んでいるのに、今だ「国ありき」という思考回路。経済でも環境でも「一国」だけで解決できない時代を迎えつつあるというのに。それにしても、この本で書かれていることと、国会答弁における対応があまりにも違いすぎる。この本は「俺は世間一般でいうところの『極右』じゃない」とアピールするだけに存在している?だとしたら、ネット上における評価が両極端なのも納得。
投稿元:
レビューを見る
■国
A.人は何かに帰属してはじめて、自己を確認する。
一つの選択をすれば、他を捨てることになる。
なにかに帰属するということは、選択を迫られ、決断をくだすことの繰り返しである。
帰属するということは、、決断をするさいの基準をもつということである。
B.外交というのは、まずメッセージが先になければならない。
交渉はその先の問題である。
出すべきメッセージを出さなければ、そもそも交渉にならない。
制裁するかもしれないと思わせることによって、困った相手は、はじめてテーブルにつくのである。
C.青年の戸惑いは人類の失望をもたらす。
願わくは、先達が営々賭して築いてきたものが無駄にならないように。:ベンジャミン・ディズレーリ
D.リベラルという言葉はヨーロッパとアメリカでは、受け取り方が大きく違う。
ヨーロッパは「個人主義」に近い意味で使われ、アメリカは大きな政府を支持する立場。
E.外務省の一部の人達は、拉致問題を日朝国交正常化の障害としか、とらえていなかった。
相手のつくった土俵の上で、相手に気に入られる相撲をとってみせる手法として。
投稿元:
レビューを見る
経済対策もそうだけど、最終章の「ダッカ事件の教訓」や「日本を、取り戻す」辺りは、思い入れも強いだろうから、是非この期に一歩進めて欲しいなと思う。
投稿元:
レビューを見る
仕事とも関係するので買ってみた。
安倍総理が第一次安倍政権の時に書いた「美しい国へ」を再録し、加筆したもの。
テーマは大きく言えば2つ、国としての安全保障(憲法改正論、愛国論)と、社会保障。美しいふるさと、国を大事にするというのは自然なことで、それが国を誇りに思う心につながり、安全保障に資するというロジックなのね。やっぱり。
しかしまぁ、納得させられる点も多いことは事実。地域大好きという人は、次に国が大好きとはならずに、地球大好き、みたいになる人が多い、それは戦後教育のなかで「愛国」的なことに対してアレルギーができているからだ、というのはなるほどなと思った。それが憲法改正によって根本治療となってこの国がよくなるかどうかは、判断できないが。
サラリと読めるし、総理の考え方を知りたければとりあえず読むべし。
投稿元:
レビューを見る
2013年62冊目
本書で書かれていたことのほとんどに関しては納得のいくものでした。まぁ、そうだろうと。但し、国民としての誇りや自主自立の精神の考えと自主憲法を結び付けるのは論理が飛躍しすぎると感じます。
もちろん、自衛隊を自衛隊のままにしておくことの問題もあるでしょう。憲法を変えた時、何かが変わるかは具体的にイメージできません。(こういう問題は具体化しずらいものではあるが。)
政治家と一般国民のかい離はここにあるのでしょうか。現代の国民でそこまで国家のすう勢を憂慮する人はそう多くはないでしょう。だからこそ、首相は本書の中でアイデンティティの帰属の話を再三しているのだと思いますが。
だからこそ、あらゆる問題は教育に戻るのでしょう。
最後に、自己責任の言葉の使い方の問題をやはり本書でも感じました。近年において、自己責任が低下している旨は、納得できるものがあります。但し、自己責任とは何でしょうか。自分のことを未来を見据えて考え、社会のことも考慮することでしょうか。少なくとも自分の食いぶちを確保することでしょうか。しかしながら、自分のことについて責任を感じるためには適切な教育が必要になります。その適切な教育を受けることができないまま大人になった、大きな子どもについても自己責任でしょうか。
人間の成長において環境が多大な影響が与えられる人間において、自己責任を語るには、社会がより成熟する必要があるでしょう。そのためどうすべきか。難しい問題です。
投稿元:
レビューを見る
外交というのはまずメッセージが先になければならない。交渉はその先の問題。出すべきメッセージをダサ名けえr場、そもそも交渉にならない。
今日のアメリカと日本は自由と民主主義、人権、法の支配、自由な競争という基本的な価値観を共有している。世界の自由主義国の共通認識を持っている。
戦後日本の民主主義の歴史を欧米、世界に向けてきちんと説明をしてきてなかった。
投稿元:
レビューを見る
憲法改正することで古き良き日本のアイデンティティを取り戻せるという夢物語。
上から押し付けられることに反抗心を覚え、権威に敬意を払わず、権力が大嫌いな日本人にはそのやり方では無理かも。
ボトムアップで若者が日本の誇りを持てるようにならないと…
投稿元:
レビューを見る
政策提言ではないという前提なのでこのような文章になるのもわかるが、確かにポエムだな、と。
あとは、もしかしたらこの人も小沢一郎と同じでどこか人格破壊されてるのかも?とも少し思った。
投稿元:
レビューを見る
チェック項目20箇所。私は政治家として、大きな挫折を経験した人間であります、そういう人間だからこそ、日本のためにすべてを捧げる覚悟があります。長引く景気低迷、迫りくる外交・安全保障上の危機など、日本を取り巻く環境は、ますます悪化しています、この国をどこに導くべきか――本書において、私なりの考えを述べたいと思います。時代は変わったが、わたしは政治家を見るとき、こんな見方をしている、それは「闘う政治家」と「闘わない政治家」である、「闘う政治家」とは、ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家のことである、「闘わない政治家」とは、「あなたのいうことは正しい」と同調はするものの、けっして批判の矢面に立とうとしない政治家だ。「リベラル」……ヨーロッパでは、王権に対して、市民が血を流しながら自由の権利を獲得し、民主主義の制度をつくりあげてきた歴史をもつことから、同じ「リベラル」でも、他者の介入を許さないという「個人主義」にちかい意味合いで使われる、これに対して、アメリカにおける「リベラル」は、社会的平等や公正の実現には政府が積極的に介入すべきであると考える、いわゆる「大きな政府」を支持する立場だ。日露戦争……窮乏生活に耐えて戦争に勝ったとき、国民は、ロシアから多額の賠償金の支払いと領土の割譲があるものと信じていたが、ポーツマスの講和会議では一銭の賠償金もとれなかった、このときの日本は、もう破綻寸前で、戦争を継続するのはもはや不可能だった、いや実際のところ、賠償金をとるまでねばり強く交渉する力さえすでになかったのだ。1950年に起きた朝鮮戦争の特需によって、ようやく復興への糸口をつかんだものの、それほど庶民の生活は向上しなかった、自民党が誕生する前年の1954年の東京には、50万人の失業者があふれていた。靖国問題というと、いまでは中国との外交問題であるかのように思われているが、これはそもそもが国内における政教分離の問題であった、いわゆる「津地鎮祭訴訟」の最高裁判決(1977年)で、「社会の慣習にしたがった儀礼が目的ならば宗教的活動とみなされない」という合憲の判断が下されて以来、参拝自体は合憲と解釈されているといってよい。一国の指導者が、その国のために殉じた人びとにたいして、尊崇の念を表すのは、どこに国でもおこなう行為である、また、その国の伝統や文化にのっとった祈り方があるのも、ごく自然のことであろう。「いかなる国民も、国家のために死んだ人びとにたいして、敬意を払う権利と義務がある。もし靖国神社を焼き払ったとすれば、その行為は、米軍の歴史にとって、不名誉きわまる汚点となって残るでしょう。歴史はそのような行為を理解しないに違いない」、この言葉からは、信仰の自由と権利にたいする神父の強い意志が伝わってくる、神父の提言もあって、靖国神社は難を逃れた。「君が代」が天皇制を連想させるという人がいるが、この「君」は、日本国の象徴としての天皇である、日本では、天皇を縦糸にして歴史という長大なタペストリーが織られてきたのは事実だ、ほんの一時期を言挙げして、どんな意味があるのか、素直に読んで、この歌詞のどこに軍国主義の思想が感じられるのか。そもそも、人間はひとりで生きているわけではないし、ひとりでは生きられない、その人の両親、生まれた土地、その人が育まれた地域のコミュニティ、そして、それらをとりまいている文化や伝統や歴史から、個人を独立させて、切り離すことなどできないのだ。今日の豊かな日本は、彼ら(特攻隊)がささげた尊い命のうえに成り立っている、だが、戦後生まれのわたしたちは、彼らにどうむきあってきただろうか、国家のためにすすんで身を投じた人たちにたいし、尊敬の念をあらわしてきただろうか。1954年、保安隊に代わって自衛隊が発足すると、政府は、「自国に対して武力攻撃が加えられた場合、国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない」、さらに、憲法第9条第二項が禁じている「戦力」についても「自衛のための必要最小限度を超えるものであって、それ以下の自衛力は、戦力ではない。したがって自衛隊は違憲ではない」という見解を明らかにする。たとえば日本を攻撃するために、東京湾に、大量破壊兵器を積んだテロリストの工作船がやってきても、向こうから何らかの攻撃がないかぎり、こちらから武力を行使して、相手を排除することはできないのだ、わが国の安全保障と憲法との乖離を解釈でしのぐのは、もはや限界にあることがおわかりだろう。わたしの考える福祉のかたちとは、最低限度の生活はきちんと国が保障したうえで、あとは個人と民間と地方の裁量でつくりあげてもらうというものである、「セーフティネット」と「自己責任」が重視される社会だ。国は、そのときの豊かさに応じた社会保障の仕組みをつくる、血のかよったあたたかい福祉をおこなうのが行政サービスの基本であることはいうまでもないが、身の丈に合わない大盤振る舞いはできないし、また、してはならない、なぜなら、給付の財源は、国民から徴収した税金と保険料だからである。年金というのは、ざっくりいってしまうと、集めたお金を貯めて配るというシステムだ、だから、加入しているみんなが「破綻させない」という意思させもてば、年金は破綻しないのだ、日本人の過半数が「もう年金はやめよう」といわないかぎり、このシステムは継続するのである、そこが、会社経営の破綻とは根本的に違うところだ。じつをいえば、日本の子どもたちの学力の低下については、わたしはそれほど心配していない、もともと高い学力があった国だし、事実いまでも、小学生が九九をそらんじていえるというのは、世界のトップレベルに近い、問題はモラルの低下のほうである、とりわけ気がかりなのは、若者たちが刹那的なことだ、若者が未来を信じなくなれば、社会は活力を失い、秩序はおのずから崩壊していく。教育は学校だけで全うできるものではない、何よりも大切なのは、課程である、だからモラルの回復には時間がかかる、ある世代に成果があらわれたとしても、その世代が親になり、つぎの世代が育つころにならなければ、社会のモラルは回復したことにならないからである。今回の総選挙で自民党は「日本を、取り戻す。」というスローガンを掲げています、これは単に民主党政権から日本を取り戻すという意味ではありません、敢えて言うなら、これは戦後の歴史から、日本という国を日本国民の手に取り戻す戦いであります。
投稿元:
レビューを見る
安倍晋三氏の人柄がわかり、難しい話ではなく、素直な心で、先輩を敬い、後輩を大切に育てる、当たり前の道理が、当たり前に行動で表せる、心で感じ取ることが出来る人には参考になる本だと思います。
平成29年の現在から言えば少し古くなってしまいましたが、戦後レジュームからの脱却など、大きく意見の分かれる問題について、どのように見つめ、心持ちをどこに置くか、考える助けになった気がします。
これは今ではあまり言われない言葉でですが、根元から芽を出し、派生して枝葉となって色々な政策につながっている事が実感でしました。
世界が大きく動いている昨今、安倍晋三氏が日本の総理大臣でよかった。
これは総理大臣になられる前に書かれてる部分が多くあるので、執筆時から現在に至るまで、信念に大きな変化なく、貫かれているのだろうと感じます。
とてもオススメの一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
良くも悪くもこの政治家の小児的な国家観がよく表れた「正直」な本であり、まともな神経を持っていたら人前にさらすのはお恥ずかしいと感じてしまうところを、よくぞ明らかにしてくれたという意味で★5つ。とくに特攻隊について、為政者の無能のために若者を「死なせた」という認識ではなく、〈国のために死ぬことを宿命づけられた特攻隊の若者たち〉〈国家のために進んで身を投じた人たち〉と書いてはばからないあたりが、決定的。