商品説明
緊急電子化! 第149回直木賞候補作
殺人者たちの宴が、幕を開ける……
【在色者】と呼ばれる特殊能力者が多く住み、治外法権の地である【途鎖国】。彼らの頂点に君臨する【ソク】の座を巡り、その山奥に能力者が集まる【闇月】。殺戮の風が、次第に暴れ始める――。
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作品の世界にどっぷりのめり込む。
2015/09/10 10:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり厚みのある上下巻なのに一気に読んでしまった。
設定上、色々とわからないところはある。作品の土台ともなっている、在色者の持つ「イロ」とは結局どんな能力なのか。闘ったり、浮いたり、超能力のように色々できるみたいだが、はっきりした定義づけはない。ある程度までは描くけれど、それ以上は読者の想像力に委ねている…という印象を受けた。そして、その加減が素晴らしい。
主人公は実那だが、実那を追う葛城、実那と幼少時代「イロ」をならす学校で一緒だった黒塚、更にはそこの先生、そして無論、誰もが意識している、山の大将〈ソク〉である神山…と、重要人物は次々登場して目が離せない。「イロ」の能力として未知数の実那の実態が明らかになるのは最後近くで、その辺の話運びのうまさにも感心する。
実那が対立していた葛城を助けるというのは意外な展開、でもこれは葛城の片目を彼女がずっと意識していたことを思えば自然な流れなのかもしれない。ここの、実那と葛城のやりとりがすごく好き。葛城が実那に対して物凄い執着を抱いているのは明らかだったが、実那のほうにもそれはあったのだろう。だからといってこのふたりが男女として結びつくとは思わないが、湖が沈み、めちゃくちゃになった光景をふたりが見下ろしているのはすごく印象的なシーンだった。
〈ソク〉は結局地中にいる黄金の巨大なほとけ(仏とはちがう)で、能力者を次々吸い込み一体化している生命体、ということになるのだろうか。その辺のぶっとびよういかにも恩田陸テイストだなと思う。下巻は残酷シーンが多くて気持ち悪いところもあったけど、全体としていえば大変おもしろい作品だった。
恩田さんは面白い
2016/12/07 21:34
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投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともとかなりなファンだったのですが、ちょっと距離をおいおり・・・
しかし、これ読んでみると惹きこまれます。次が気になります。うーん、早く下巻を読まなくちゃ。