- 販売開始日: 2013/10/26
- 出版社: 幻冬舎
- ISBN:978-4-10-135913-7
キッチン
著者 吉本ばなな
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。同居していた祖母を亡くし途方に暮れていた桜井みかげは、田辺家の台所を見て居候を決めた。友人の雄一、その母親のえり子さん(...
キッチン
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。同居していた祖母を亡くし途方に暮れていた桜井みかげは、田辺家の台所を見て居候を決めた。友人の雄一、その母親のえり子さん(元は父親)との奇妙な生活が始まった。絶望の底で感じる人のあたたかさ、過
ぎ去る時が与える癒し、生きることの輝きを描いた鮮烈なデビュー作にして、世界各国で読み継がれるベストセラー。「海燕」新人文学賞・泉鏡花文学賞受賞作。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
よしもとばなな作品で群を抜く最高の作品!!
2012/01/24 12:12
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小金魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よしもとばななの作品は当然たくさんある。でも、この「キッチン」はそれら作品の中でも、群を抜く最高のものだと2012年の現在でも思う。
初期のよしもとばななは、その作品の中で「人の死」の場面が多く出てくる。この作品も例外ではない。「人の死」はもちろん多くの人の心の琴線に触れやすいものである。そのため、子供っぽい表現方法であるとも思われがちだが、やはり、「人の死」が心の琴線に触れるのは間違いなく、そのゆさぶりはほかの何物にも代えがたい。やはり、「人の死」を扱うことには意味があると思う。
この作品は、その全体がセピア色のイメージで覆われている。不思議だ。作品内容では、様々な季節が出てくるのに、登場人物たちが幸せな時も、悲しい時も、いつもセピア色の切ない雰囲気なのだ。
今まで、私はこの本を多分年に1度は読んでいる。年に1度はよしもとばななブームが来るためでもある。でも、よしもとばななの本の中でも、初めに読みたくなるのはこの本であるし、この本以外にはない。何度読んでも涙が出てしまう。
現在のよしもとばななにはない、作品の雰囲気だと思う。
人は変化してゆくものだし、よしもとばななさんも様々な変化を遂げているから、当然当時のような作品は現在かけないと思う。でも、だからこそ、現在のよしもとばなな作品しか知らない人がいたら、ぜひ読んでもらいたい作品だと思う。よしもとばななの作品にある、軽く読めるタッチはあるので、軽い気持ちで手に取ってみるとよいと思う。
昔、「卒業」という映画があった。あのダスティ・ホフマンが、女装してカツ丼をもって夜の町を走る、そういうイメージ。うーん、愛って素晴らしい
2003/08/11 21:24
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今更、吉本ばなな(やっぱり、過去の作品は、よしもとんばなな、でなくてもいいんでしょ?)おまけに彼女のデビュー作『キッチン』だなんて、と言われそうだけれど、1988年の出版当時、あまりに騒がれ過ぎて手を出さなかった本。版元に敬意を表して、福武文庫で読みたいところだけれど、今はないのでパンダマークの文庫で行こう。
すでに、斎藤美奈子の『文壇アイドル論』で、いかにこの本が世のおじ様たちを魅了、ノックアウトしたかを教えられたけれど、たしかに、その後のばななの本を、何冊か読んだ私としては、これほど面白いと思った作品はなかった、といいたい。鮮度は全く落ちていないし、性別、年齢を問わず楽しめる。まさにキッチン、カツ丼の美味しさを思い出す。
本は、表題作の「キッチン」、その続編「満月 キッチン2」、「ムーンライト・シャドウ」の三篇からなる。最初の二作は連作で、主人公で祖母を亡くした桜井みかげと、彼女を家で預かろうとする大学の友人 田辺雄一、そして母親のえり子(実は整形して美女となった父親)の三人が織り成す悲喜劇。先に、長女に読ませたら「あの、美女のお父さんがいい」と言う。何を言っているのか分らなかったが、読んで納得。
この母親である父親が雄一の母親と過ごすうちに(説明が悪いのではなく、設定がそうなのだ)、雄一の母親に当たる人と一緒に育てられていた父親は(念押すが無論、雄一は未だ生まれていない)恋に落ちて駆け落ち、そして雄一が誕生。で、その母親は亡くなってしまう。そこで、父親は母親になることを決心して整形をする。どう書いても混乱するだろうなあ。ま、ここらは小説を読んでもらったほうがいい。まず勘違いすることはないはず。
続編には、悲劇とカツ丼をめぐる冒険がある。これがいい、思わず胸が熱くなる。昔、「卒業」という映画があった。あのダスティ・ホフマンが、女装してカツ丼をもって夜の町を走る、そういうイメージ。うーん、愛って素晴らしい。想像できないって? それはあんたが悪い。私は、この場面(「卒業」とちゃうよ)が一番好き。
以上の2編に、カツ丼で言えばお新香の「ムーンライト・シャドウ」がついてくる。これは、ばななが日大在学中に書き上げ、大学の芸術学部賞をとった作品。お漬物というよりは、お味噌汁くらいの充実感はある。三篇に共通するのが「死」「性」「食」だと、ばななの先生曽根博義さんが書いている。満腹満腹。
でも、自分より優れた学生を生徒に持つ教授というのは、複雑な心境なんだろうなあ、でもお父さんがあそこまで有名だと、屈服というか「ハハアー」と納得しちゃうだろうなあと、いらぬ心配をしてしまった。とりあえず天才は、遠くにありて思うもの。近くにいては煙たいか。
あたたかい気持ちになれます
2020/08/27 19:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mm - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生のドン底のように感じても、偶然出会った人やささいな会話、食事で心が支えられるって地味なようでとても素敵なことだなと改めて感じました。
何度読み返しても心救われます
2018/03/25 23:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:summer - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても辛く寂しいけど、生きてることの幸せが感じられるような暖かい感じがします。吉本ばななさんの作品はどれもそいうい印象で好きですが、キッチンの2作品は特にそれが際立っていて、何度読み返しても心救われる気持ちになりました。とても素敵な作品です。
カツ丼を見ると読みたくなる
2023/09/04 19:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
若い頃に読んで新鮮な衝撃を受けました。
言葉が真っ直ぐに届いて、読んで良かったと思いました。
以降、新刊が出れば即買って読みましたが、やはりこの「キッチン」が最高です。
英語版を遠いヨーロッパに住む友達に贈ったところ、「素晴らしかった」とお礼を言われたのも嬉しかった。
今も折に触れて読み返しては、しみじみしています。
名作
2021/03/15 14:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一世風靡して、当時は新しすぎたのか、賛否両論あったかと思う。定期的に読み返して、展開も知っているし、台詞も覚えてしまっているけれど、何度読んでも色褪せない懐かしく暖かな気持ちに包まれる。
カツ丼のシーンでは毎回カツ丼を食べたくなるし、読後は、何故だかいつも泣きたくなってしまう。
懐かしい
2021/03/03 12:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まい - この投稿者のレビュー一覧を見る
むかし読んだものを、再購入。
よしもとばななさんの作品は好きで
心をえぐられます。
この作品は特に好きで
何度も読み返したいと思います。
美しい語り口
2018/11/06 18:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーそのものよりもその美しい語り口、文体に惹かれた。
文体の美しさのせいで「死」を扱った内容なのに、暗さがなくしみじみとした余韻が残った。
きっと何度でも再読しそうな作品!
2018/07/23 21:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章が優しく、その時点で読んでて癒やされます。物語も出てくる登場人物も、ほっこりする人物ですので、さらに癒やされます。大切な人を失った人たちの心理描写が、また優しく表現されて、これまた癒やされます。何年も色褪せることなく読まれている物語だと、わかる気がします。きっと俺も再読すると思います。
初めて人からプレゼントされた小説
2018/05/10 17:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アサガヲ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は分かってるのに、何度読んでも泣いちゃう。
でも、何度読んでも笑ってもしまう。
そして読み終わるといつも胸の奥から温かくなってる事に気付く。
陳腐な表現しか出来ないけど、本当に愛が詰まった優しい本。
納得の一冊
2018/04/30 15:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
キッチン
桜井みかげは祖母が死んでしまい、一人ぼっちになってしまった。そんな時に田辺家に住むようになる。田辺雄一は、同じ大学に通う学生で花屋のアルバイトで祖母と知り合いになった。雄一の母えり子は、雄一の母が死んだときに、雄一の母になろうと整形し女性として雄一を育てることに決め、夜のお店のママをしている。父であり母である。みかげは台所が好きで、落ち着く場所で一日の大半は台所で生活していると言っても過言ではない。
キッチン2
えり子さんが殺された。雄一はショックでみかげになかなか連絡出来ずにいた。田辺家を出てからみかげは料理教室のアシスタントとして、料理を自分のものにしようと頑張っていた。主張先でかつ丼を食べる。
ムーンライト・シャドウ
さつきは等と付き合っていたが、等の弟柊の彼女を送っていく途中で交通事故で死んでしまう。さつきは等が死んでから寝れないので、夜明けのジョギングをするようになる。折り返し点の川の欄干にもたれて、熱いお茶を飲むのが日課となる。不意に声をかけられお茶のボトルを落としてしまう。うららとの出会いだった。
よしもとさんの作品は、これで2作目。ずいぶん遅れての話題の作品。新しいパワーがみなぎっているな、と感じた。今さらで遅すぎですが・・・。これから多くの作品を読ませていただきます。
何度も何度も読み返したい
2017/08/17 17:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒ねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大切な人、大好きな人を想いながら読み返す。
胸が苦しくなったり切なくなったりするけども、読み終わったあとは心があったかくなる。
側にいる人を大切にしようと思う。
考えればこのタイトル
2017/01/14 00:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四郎丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何か意味深ですね。だってバナナなんてふつう向いて食べるだけでしょう。その人が書くのが「キッチン」です。明らかに異化効果を企図しているのです。
学生時代にはまった
2016/04/21 16:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:saya - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の頃大好きで何度も読み返した本です。久しぶりに読んだけどやっぱり良かったです。えり子さん大好きです。二人のあったかい関係が良かったです。主人公がいい子過ぎないところが人間らしくていいです。
ほっこり、温まる
2016/02/13 12:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シマリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉本ばななさんの『キッチン』は、いつか読もう読もうと思いつつ、読む機会を失いかけていた作品でした。そんな時、ネットの電子書籍の欄でおすすめ作品の欄にこの作品があり、「電子書籍で読んでみるか。」と思い、読み始めました。すると、どうして今までよまなかったのか、と後悔するほど素晴らしく、作品の世界に引き込まれ、1日で読み終わってしまいました。特別奇抜な内容でも、特別普遍的な内容でもなく、この作品が持つ独特の世界観は、私の心を掴んで離さず、ほっこりと、じんわりと温めてくれるような優しい世界でした。あらすじを見て、気になっていて、人に勧められて、何でもかまいません。1度読んでみることをお勧めします。