姫として育てられなかったお姫さま
2010/11/21 00:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
星占いで政治を決める小国ヴィオンに姫として生まれたエルザ・ヴィオンティーヌは、誕生して直ぐに下町に捨てられる。占いで凶兆が出たという理由で。呪いの姫と噂されながら、全てのものに毒を吐くことで生活の糧を得て生きて来たエルザは、ある日突然、王宮に連れ戻される。再び占いにより、夜の王の住まう森の近くにある聖剣の国レッドアークの異形の王子に嫁ぐことが決まったというのだ。
生まれてから一瞬たりとも王族としての暮らしを経験することも無く、寒さと飢えにさらされて生きて来たエリザは、毒を吐けないように魔法で声を封じられ、無理矢理に輿入れすることになる。そこで出会った王子、クローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアークの手足に付与された夜の王の魔力により声を取り戻した毒吐き姫は、ディアを拒絶し逃げ出そうとする。
そんな彼女を受け入れ、自由に過ごさせるディアや、聖騎士アン・デューク・マクバーレンやその妻で聖剣の巫女であるオリエッタに触れるうちに、彼女にも少しだけ変化が見えてくる。そんなとき、彼女を捨てた国ヴィオンに政変が起きる。
星と神の運命において、という聖句により翻弄されて生きてきたエルザは、姫としての権利を受け取ることもなく、国のために人生を捧げるという、王族の統治システムの中に組み込まれてしまった。
一方、彼女が嫁ぐレッドアークの王子ディアは、呪われた四肢を持ち監禁されて過ごした過去を持つ。そんな彼が王子として立ち、国と民を護るという覚悟を見せることで、何不自由ない生活には代償が必要とされるのだ、という王族の常識をエルザに背中で語っていく。
生まれて直ぐに捨てられ、何の拠り所もなく、ただ自らの言葉のみを武器として生きてきたエルザ。しかしその言葉が多くの人の運命まで動かしかねない立場と一緒になった時、何も怖れるものはなかったはずのエルザに初めて畏れが訪れる。
これは王女として生まれながら、王女として育てられなかった少女が、運命を左右した占いの代わりに信じられる人を知り、王族として生まれ変わる物語であると思う。「ミミズクと夜の王」の続編。
言葉を纏った姫として
2015/03/26 14:35
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当はこんな風にはなりたくなかったのだろう。毒吐姫という嘘を纏った姫の毒は決して抜けきらない。でも形をかえて届けることだってできる。言葉の持つ力は誰にでも伝えることができる。ミミズクやディアがたくましく成長したように、エルザも言葉を纏った姫としてまた現れてくれると信じています。
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ミミズクと夜の王の続編。おもしろかった。
異形の王子クローディアスと毒吐姫エルザのはなし。
読み終わりが爽やかで暖かくて良かった。
ミミズクが少し出てきたのも嬉しかったなぁ。
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毒吐姫のエルザと異形の王子のディアの話。
文章は読みやすく一時間程度ですんなりと読めた。
エルザの口が悪すぎる気もした。もっとおしとやかであってほしいかも。
ミミズクが出てきてくれてうれしかった。
フクロウとミミズクのその後のほうが読みたい。
最後はよかった。エルザとディアは幸せになってほしいと思った。
ディアがかっこよかった。
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『ミミズクと夜の王』の続編。
最初、エルザの毒吐きっぷりには戸惑ったけれど、最後にはそれが微笑ましく感じてしまう。
ハッピーエンドは良いね。
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ミミズクの続編で、ミミズクよりは、レッドアークのキャラたちが主要人物でした^^
夜の王とミミズクのその後というよりは、クローディアスたちを中心に展開するストーリー。
夜の王が好きなので、一度も登場しなかったのは残念・・・
でも、これはこれで全然楽しめました♪
相変わらず可愛いお話。
エルザとディアのこれからが楽しみです^^
また続編出ないかなぁ♪
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「ミミズクと夜の王」の続編となる本作もすごく王道なファンタジーだが、その中身は優しく暖かな物語に仕上がっていた。
主人公であるエルザがそれまでの生を乗り越える過程を描いているが、対比として前作にも登場するディアの本作での生き方がその印象を強くさせている。それを含め、前作を読んでいるとより楽しめる部分も多い。
しかし、前作を知らずに読んでも話に破綻はほとんど感じられない。そういった意味でもよくできた一冊だと思う。
ファンタジーとはいえドンパチがあるわけではないが、ファンタジーが好きな方にはぜひオススメしたい。
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結構ガッツリとした続編でした。
世界観や時代が一緒、とかではなく。
サイドストーリー的な…いや、やっぱり続編か。
とりあえずミミズクが幸せそうで良かった……!
帯には『いびつな恋』ってありましたが、真っ当な恋ものがたりでした。
絶望から生まれた透明な祈り。
ライトノベルはほぼ読まないなかでの、好きな作家さんの新刊でした。
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続編。前作の内容を思い出せない状態からスタートしたけど、後半を読み進めると思い出してきた。
物語の内容に対して分量はもう少しあっても良いのかなとも感じたけど、すでに御伽噺として語られているかの様な、そのまま1本の映画の脚本の様な、そんな感じの適量さなのかも。
クライマックス付近は若干進行が早かったのが残念。エルザの演説、ディアの戦い、王(父)との対話はもう少し読みたかったかな。
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呪いと毒を吐く姫君は、生まれてすぐ城を追われ下町での生活を余儀なくされていた。しかしある日、再びに彼女を取り囲む占者達。彼らは姫がある国に嫁ぐことにより国の未来が開かれると信じていた。
ゆえに毒吐き姫は、恨む。自分を廃棄し、駒のように扱う占者と王を――国を。姫は唯一の武器である声を封じられ、聖剣の国レッドアークへと向かった。
***
しっかり前作『ミミズクと夜の王』を復習してから読みました。真昼姫…!
それにしても騎士夫婦が「まさか喧嘩でもして…?」と心配する様子が良かったです。あのフクロウがまさか痴話喧嘩とか…想像するだけでほのぼのしますね。
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毒吐姫のお話。それぞれのその後が出てきてよかったです。
ディアとエルザの話はさらに続編出たらいいのに!
読みたいです。
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また会える日が来るなんて!
前作『ミミズクと夜の王』に続く物語。今度の『姫』は毒吐きです。毒を吐く……ぴったりの表現だと思います。暴言じゃない、毒。悪態をついてばかりで強そうな、エルザ自身も強いと思っているだろう、毒吐姫。
でも、彼女はれっきとした少女だから。恋をするし、人を信じることもできる。
クローディアスの王子様らしくない、彼らしさがエルザの心に響いたように、わたしもディアに惚れていました。
素敵な人たちに素敵な物語で出逢えたことが本当に嬉しい。
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あいかわらず優しくて優しくてなぜか泣きそうになる自分がいるのですが。
ディアがとっても素敵に成長していて、その強さに驚かされると同時に、すごく嬉しくなってしまった。
『ミミズクと夜の王』を読んでいるととってもお得感はあるけれども、そちらを読んでいなくても楽しめると思う。
ぎゅっと星石を握りしめるエルザがいとおしかったですv
あと個人的には、なんだか速さがあって、久々一気読みしてしまった。
やー、もうね、ディアの「エルザがかわいい」報告にすごい首振ってしまった。
あとはオリエッタがこえてきたモノと重みが、彼女の言葉の端々に彼女をあらわしていて。それは、他の登場人物にもいえるのだろうけれども。
全体的に何が言いたいのかって言うと、大好きです!
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最後のほう、エルザがツンデレな感じだったのが、少しだけ笑えた。
ミミズクが元気そうで、良かった。。
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ミミズクと夜の王に出ていた王子様が、ヒーロー。しなやかな強い心の持ち主で、すごくかっこよく成長した様子が窺えた。毒吐姫は、最初あまりにも気の毒でしたがチャーミングで王子様にぴったりのお姫様だった。