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白狐魔記5 天草の霧
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白狐魔記5 天草の霧
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天草の霧 (白狐魔記)
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
九州島原でキリシタンが蜂起した。江戸幕府から鎮定の命を受けた諸藩の軍が結集する中、白狐魔丸も一人の忍びの行方を追って島原へと赴く。そこでは圧政に苦しむ百姓たちが救世主を求め、一人の若い男を熱狂的に崇めていた。その男の名は天草四郎。なんと白狐魔丸も知らない技を操る、術の使い手だった…。狐の目を通して人間の歴史の不条理を見据えようとする意欲作。作者のライフワークともいえる骨太の大河ファンタジー。
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紙の本
『天草の霧 白狐魔記5』
2017/07/01 21:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白駒山の仙人から化身の術をさずかったきつねの白狐魔丸
織田信長の最期にたちあってから白駒山に戻って数十年
徳川三代家光の治世に九州は島原で切支丹の反乱にかかわることになる
一揆を率いる若者天草四郎時貞、対する幕府軍総大将は板倉重昌
重昌を思う狐の雅姫と重昌に仕える南蛮堂煙之丞
圧制への反抗と信仰と主君の仇討ちと
たがいに殺しあう人間を見つめる白狐魔丸の物語
読んでいるうちに歴史が好きになる1996年からの人気長寿シリーズ
既刊6冊の第5作は2010年初版
紙の本
天草四郎ファンの私としては、このストーリーはあんまり好きじゃありません、南蛮堂煙之丞は好きだけど。でもねえ、私としては『ルーディーボール エピソード1 シュタードの伯爵』の続きが読みたいぞ!
2010/09/04 22:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が斉藤洋の作品に初めて出会ったのが、この『白狐魔記』でした。そのころ中学生だった次女に、これ面白いよ、と差し出すと、あっさり「この人、『ルドルフとイッパイアッテナ』書いた人だよ、知らなかったの」と斬り返されてしまいました。『源平の風 白狐魔記』が1996年、『蒙古の波 白狐魔記』が1998年、『洛中の火 白狐魔記』が2000年の出版で、いつ終わったといっても違和感のない作品ですから、ここで終わったと思っていました。
ところが、今まで二年に一冊だったペースを大きく狂わして2006年に『白狐魔記 戦国の雲』が出ました。正直、予想していなかったのですが、戦国時代と白狐魔記というのは、当然過ぎる組み合わせではありました。で、これを読んで私は「これでようやくこのシリーズも終わった」と思いました。なぜかといえば、日本国内の大きな争いは、明治維新で終わり、日清・日露、そして満州事変から第二次大戦という対外戦争が残るだけだからです。
どうも、このお話に幕末の動乱は似合わない、だからこれで終わり、そう思いました。それから四年、私の予想を覆してシリーズ新刊が出版されました。しかも、扱われるのが明治維新ではなくて、島原の乱、いやはや、渋いところを狙ってきたものです。そんなことを思ってよく利用する近所の市立図書館の司書さんに話たところ「あら、みーちゃんさん、だって前の巻だって終わっていなかったでしょ、続きが出て当然ですよ」と次女のようにバッサリ。
気付かないのは私だけなのでしょうか・・・。で、今回は島原の乱、天草四郎時貞が扱われますが、最近の世の中の風潮とはちょっと違い、四郎に対してかなり厳しい評価が下されます。これは意外でした。今までの巻では、よく知らない北條時輔はともかく、源義経、楠木正成、織田信長は、私たちがよく知る昔ながらの男たちであったわけです。でも、四郎については容赦なくバッサリ、そんな感じです。
装釘・挿絵は、おなじみの高畠 純、カバー折り返しの案内は
*
白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、
人間に化けることができるようになった狐、
白狐魔丸の人間探求の物語。
江戸に幕府がひらかれ三十余年。
九州島原で、飢饉や重税、そして
信仰の弾圧に苦しむ農民が一斉蜂起した。
一揆の大将は不思議な術と眼力をもつ若者。
名を天草四郎時貞という。
*
となっていて、物語全体は全32章からなります。
主人公は、白狐魔丸。白駒山の仙人のもとで化身を修業した狐です。今まで、源義経、北条時輔、楠木正成、織田信長、豊臣秀吉といった武将たちと時代を隔てて出遭ってきています。源平時代が1184年で、島原の乱が1637年ですから、450年以上の時が経っています。で、その間に彼? は体憑依、感憑依、魂憑依という三憑依のうち、体、感の二つを自在に操るようになっています。
これらの技を白狐魔丸に教えたのが、白駒山の仙人ですが、狐を弟子にし、白狐魔丸と名付け、術を教えたところまではいいのですが、そのまま気ままに旅をし日本にいることは少なく、このお話では360年ぶりに天竺から帰ってくることになっています。450年のうちの360年、弟子をほっぽっておくのですから、何だ、なんて思います。でも、白狐魔丸は仙人が留守の間、白駒山で無駄な殺生が起きないよう猟師たちの活動を妨げていました。
で、今回、特筆すべきキャラが登場しました。今まで、このお話に笑いを取るような人物が姿を見せることは少なかったのですが、今回は違います。それが南蛮堂煙之丞です。なんだか名前を見ただけで、こっけいです。彼は、たばこ、たばこ道具を商う男で、仙術を習いに白駒山の仙人のもとを訪れ、留守を守っていた白狐魔丸を仙人と思い込み、弟子入りを希望する、ここらは落語のような雰囲気です。
そして、勿論、雅姫も姿を見せます。彼女は、吉野の狐で、白狐魔丸とは360年以上前、文永九年に、北条時輔の屋敷で出会っています。雅姫は時輔が好きで忘れられず、その後も時輔に似た風情の平家顔の武将に好意を抱きます。小桜と名乗って、織田信長のところに出入りしていたこともあり、気性のはげしいのは許せるが、荒いのは嫌いといます。白狐魔丸の首を傾げる仕草などが狐丸出しだと言ってからかうなど、明るく妖艶な存在です。
彼らが島原の乱のなかで、天草四郎時貞や、人を見れば殺したくなる武士・宮本武蔵とどう絡んでいくのか。今回は、白駒山の仙人もかなり活躍します。四郎は救世主なのか、それとも人々を誑かす悪魔の生まれ変わりなのか、あなた自身の目で確かめてください。で、この流れからいくと、次は幕末篇となって、白狐魔丸が坂本竜馬と出会う、出版は2012年頃。なわけは、ないか・・・
それより、私としては『ルーディーボール エピソード1 シュタードの伯爵』の続きが読みたいぞ!