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投稿者:moco - この投稿者のレビュー一覧を見る
乾石さんの文体が、心に浸透してきて、肌に合います。
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとだけ古代ローマを下敷きにしているのでは?と思える箇所が散見します。
ファンタジーで、まったく新しいことばかりで国の成り立ちを作るのがいかに難しいことかとくわかります。
今作は本の中ではなく、あるものに取り込まれ、他人の生を生きます。
文庫版のあとがきだけは相変わらず腹が立ちます。
2人の魔道師の物語
2017/07/15 22:12
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を操る魔道士と大地の魔道士という2人の魔道士が、暗樹という闇を司るものと対決するという物語。所々難しくて、正直イメージしにくい部分や急に話が飛んで分かり辛かったりという部分もありましたが、全体的には面白く読めました。続編があれば、また読みたいと思います。
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●妹尾ゆふ子氏推薦――「こういうファンタジーを読みたかった という作品に出合えるのは、非常な幸せである。」
こんなにも禍々しく怖ろしい太古の闇に、なぜ誰も気づかないのか。繁栄と平和を謳歌するコンスル帝国の皇帝のもとにある日献上された幸運のお守り〈暗樹〉。だが、それは次第に帝国の中枢を蝕みはじめる。自らのうちに闇をもたぬ稀有な魔道師レイサンダー、心に傷を抱えた書物の魔道師キアルス。若きふたりの運命が交錯する。人々を破滅に導く太古の闇を退けることはかなうのか?
『夜の写本師』で読書界を瞠目させた著者の第二作。解説=妹尾ゆふ子
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『夜の写本師』の続編。作中の時系列としては、前作よりも昔の時代を舞台にしている。
前作同様、綿密に構成された濃密なファンタジー小説だが、作中の雰囲気は今作の方が明るかった。
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前作『夜の写本師』の前日譚であり後日譚でもある本作は、その密度の濃さといい、想像世界の豊穣さといい、前作にひけをとらない。
嗚呼ホント、こういうファンタジーを読みたかったのだ。
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太古からそこにある闇
暗樹
それは純粋な悪で、闇で
不幸と絶望と破滅を願うもの
世界にあまねく根を張るこの永久の闇と対峙する
星と大地の魔法の物語
******
ほんの数頁
ほんの数頁のプロローグを読んだだけでもう、
これは絶対に面白い以外の選択肢がない話だと直感するほど
引き込まれる出だしだった
前作、『夜の写本師』と舞台を同じくした世界での
魔法の物語
ファンタジーとはかくあるべき…!と震えるほど
好みな話を書く方なので、期待十分に読み進めたけど
思いを裏切らず大変充実した読後感だった
深く丁寧でありながらどこかサバサバした姿勢が
読んでいて疲れなくて良い
内容についてはもう何も語るまい
ファンタジーが好きなら読んで…そうとしか言えない
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優れたファンタジーには闇が必要なのだと思う。思いだすのはル・グウィンの『闇の左手』。この作家は彼女の精神を継ぐ作家になるかも知れないと思う。
優れた作品にはただ一言、時間を忘れて読んだ。その一言だけいいんだなと思う。
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壮大な、本当に壮大なストーリー。
登場人物の物語ではなく、歴史書を紐解くような、だからこそ微に入り細に入った描写は省かれ、濃密で重厚なのに淡々と物語は進む。
己の中に闇をもたない魔導士レイサンダー。「闇をもたない」ことが、長所ではなくむしろ短所であるように描かれているのが興味深い。そして、闇(暗樹)は押し戻すことはできても、決して滅ぼすことはできないのだということも。闇と光が裏表であることも。
読み始め当初は、キアルスの性格に戸惑ったけれど、なるほど、テイバドールの生涯の追体験とその後の長い長い時間によって彼もまた変わっていくのだ。この物語が終わった後、「夜の写本師」へたどりつくまでにも、本当に長い時を必要としたのだから。
この長い物語の行き着く果てはどこなのか。登場人物に入れ込むのではなく、時の流れの物語として、この先も追っていきたいと思う。
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本格ファンタジーの傑作。漆黒の闇である黒樹と戦う魔道師たちの時間を超えた物語。闇を持たない魔道師と甘ったれな本の魔道師キアルス、過去の星読みの魔道師テルパドール。全てを貫くテルパドールの父の遺言、憎むな。闇と戦う者が持っていなくてはならない光。そして詩に詠われた対抗できる極光樹の謎。過去の魔道師たちの戦いの記憶の断片の詩を求める旅。しかし滅ぼすことは出ない、斥けることはできるが、殉じる犠牲が必要。皇帝に取り憑いた黒樹に立ち向かう二人の魔道師の運命は?
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散文詩みたいな表現を持て余しながらも、吸引力には逆らえず。
予想外の人物が退場したりするので「うわー!!」となった。
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今作も読み応えがありました。自分の中に闇を持ち、その闇に呑み込まれないようにしなくては、秀でた魔道師にはなれないという前提に、今作はさらに深さと重さが加わったように思います。
特にレイサンダーという若き魔道師の存在感は、秀逸。
闇を持たぬ魔道師が、暗樹との衝突の中でその一部を自分の中に封じ込め…太古の暗黒が内側に棲まうとんでもない魔道師になる。ここまでは、その背負ったものへの不安や底知れぬ恐怖に苛まれてゆくことになるのであろうと当然ながら予想したのに。
…まさか、暗樹そのものを。いや、まさか。しかも飄々と、直感で。
今作では、彼の存在が世界の救いであり、キアルスの癒やしであったことに気づかれた方は少なくないのではないか。
レイサンダーには自然を愛し、規律を尊び、人や生き物を大切にする強さがある。本人はそれを意識もせず、信じもしないのに。しかし、ストーリー全体をもう一度見渡してほしい。キアルスはいつの間にか…あの忌まわしい事件に囚われ続ける日々を抜け出してしまっているではないか(今生に限ってのことだが)。帝国は保たれ、よりよき君主の元で再生の道を歩み始め、世界は彼という唯一無二の存在がなければ崩壊していただろう。
闇を持たぬ魔道師であったからこそ、できたこと…なのではなかったか。あの事件以来、とてつもなく深い闇を抱えたままのキアルスには、レイサンダーの役は務まらなかったのではないか。
そうしてまた、唐突に気づいたことがある。キアルスやレイサンダーは、崇高な正義を胸に行動したのではない。時に恨み、時に嘆き、時に羨む。そんな自らの感情に身を委ねたり、抗ったりしながら進んでいる。預言ですら、暗樹の末路を示すことができなかったのに、ふたりの魔道師が不可能を可能にした。預言に従うのではなく、あるがまま、心のままに振舞うことで。
あの偉大なキアルスをさえ変えたレイサンダー。
彼の無様でたどたどしい生き方に、最も共感した。彼の物語を、もっと読みたい。
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夜の写本師のシリーズ2作目。
魔法の世界や仕組みの細やかな描写が、筆者の魅力なのだと思います。でもそちらより、私はストーリーやキャラクターを重視。2作目でようやく広がりや深みが見えてきた気がするので、これからに期待します。
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面白かった~
「太古の闇」というコワーイ物体を封じ込めるという話。
前作『夜の写本師』にちょこっと登場するクセの強い人物キアルス(書物の魔道師)のその後が描かれていますが、今回はある家の壁にあった「タペストリー」に織り込まれた古い時代の人々の物語が主役を張っています。
人の営みや想いがずっと繋がって続いてこの先もどこかに…という歴史の流れを感じられて、読んでいてとてもワクワクしました。
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今まで読んだシリーズの中では、一番良かった。終わりもスッキリだったし!
ファンタジーは好きだけれど、自分の中で消化しきれなかったので評価しない、とした。